語源の探求1

語根の意味を知ろう(1)

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 重要な英単語の元になっている語根や、たくさんの英単語の元になっている語根を集めてみました。このページの語根をマスターすることで、単語力の増強に大いに役立つと思います。





ABC



actは「行う、駆る」

 「アクション」は「活動」を意味します。英語ではactionです。この中に使われている語根は「act」で、ラテン語の「agere」(行う)や、agereの過去分詞「actus」(行われた)などが元になっています。従って、アクション(action)、俳優(actor)などだけでなく、エージェント(agent)、エージェンシー(agency)、アジェンダ(agenda)なども派生しています。

≪覚えてね≫
act=「活動する」
action=「act」+「ion」=「活動」
actor=「act」+「or」->(「act」する人)->「俳優」
actress=「act(or)」+「ress」(女性語尾)=「女優」
active=「act」+「ive」=「活動的な」
activity=「active」+「ity」=「活動性」
activate=「active」+「ate」=「(化学)活性化させる」
actual=「actu」+「al」(~の性質の)=「実際の」
actuality=「actual」+「ity」=「現実性」
actually=「actual」+「ly」(副詞語尾)=「現実に」
react=「re」(刺激などに応じて)+「act」=「影響し合う」
reaction=「re」+「action」=「反応」
transaction=「trans」+「act」+「tion」=「処理」
exact=「ex」(外へ)+「act」->(外へ追い払う、強制的に引き出す)->(要求する)->(正確に測る)->「正確な」
exaction=「exact」+「ion」=「強要」
exactitude=「exact」+「itude」=「正確さ」
agent=「age」+「ent」=「代理人」
agency=「agen(t)」(代理する)+「cy」->(代理する地位)->「作用」「仲介」
agenda->「なされるべきこと」->「協議事項」「行動指針」
agitate->(繰り返し動かす)->「かき回す」
agitation=「動揺」



ali(alter)は「他の」

 SF映画ではよく「エイリアン」が登場します。SF小説や、SF映画では「異星人」という意味です。しかし、「エイリアン」は非常によく使う言葉で、外国人や、異国人を表します。法律的な言葉としてもよく使います。辞書を調べてみると、単なるよそ者という意味ではなく、好きではない人、あるいは排除すべき人というような否定的な意味を持っているようです。従って、外国人相手に使うべき言葉としては、注意が必要です。


≪覚えてね≫
alias=別名、偽名(pseudonym):インターネットのDNS(Domain Name System)ではアドレスにつけられる別名の事。DNSのソースではCNAME(canonical name)と呼ばれる
alien=「外国人」(foreignよりも堅い法律用語)
alienate=「alien」+「ate」=「(以前親しかった人を)遠ざける」
alter=「(衣服・家・部屋などを)作り直す」「(物事を)変える」
alternate=「alter」+「nate」->(交代する)->「代わる代わるの、交代の」
alternative=「alternate」+「ive」=「二者択一」



≪読んでね≫
 刑事ドラマなどでよく出てくるアリバイ(alibi)にも語根の「ali」が使われています。アリバイは、「どこか他のところ」にいたということです。alienable=「alien」+「able」=「(財産・権利などが)譲渡(されることが)できる」。alterable=「alter」+「able」=「変更できる」。altruism->「alter」+「ism」->「利他主義」。altruist=「利他主義者」。

 エイリアンは「celestial~」とも言います。celestial=「天の」という意味です。celestialの反対語は「terrestrial」です。「ter」は「土」を表します。



aptは「適合させる」

 コンピュータなどを使っているとアダプターが必要な場合があります。例えば、ACアダプターです。電気は送電効率などの理由で交流電流(AC)で供給されていますので、コンセントにつなぐと交流電流を取り出すことができます。しかし、コンピュータなどの電気機器は直流電流で動くように設計されていますので、コンセントから取り出した電気を交流から直流に変換しなくてはなりません。ディスクトップ型のコンピュータなどのように筐体が大きく余裕がある場合は、筐体の中に変換装置がセットされています。ノートパソコンなどにはそのスペースがありませんので、ケーブルに変換装置が付いています。アダプターは英語では「adapter」です。語根は「apt」で、これは「適合させる」という意味を持っています。


≪覚えてね≫
apt=(合うように作られた)->「~する傾向がある」「適切な」
aptness=「apt」+「ness」=「適切さ」
adapt=「ad」(~に)+「apt」=「適合させる」
adaptive=「adapt」+「ive」=「適応性のある」
adaptation=「adapt」+「ation」=「順応」「適応」
aptitude=「apti」(適切な)+「tude」(性質・状態)=「適性」「素質」
attitude=後期ラテン語のaptitude(適性)がイタリア語のattitudineになり、フランス語経由で英語に入った※aptitudeと同じ語源->「姿勢」「態度、心構え」



≪読んでね≫
 attitudeは、aptitudeの元になったラテン語の「aptitudo」が、イタリア語で「attitudine」に変化し、これがフランス語経由で、英語に入ってきたということのようです。



ceed(cede、cess)は「進む」

 殆ど日本語になっている言葉にプロセス(process)という言葉があります。processは「(物を作り出すための)過程、製法、工程」などの意味があります。プロセスという言葉は、コンピュータ科学の中でも、重要な言葉として使われています。processはproceedという動詞の名詞形です。proceedは、「pro」(前に)+「ceed」で「ceed」は「進む」という意味がありますので、「前進する」となります。


≪覚えてね≫
行くという意味の語根には「ceed」と、「cede」、「cess」があります。

concede=「con」(一緒に)+「cede」=「(人が正しいことを)しぶしぶ認める、敗北を認める、譲歩する」
precede=「pre」(前に)+「cede」->(時間的に先立つ)->「より先に起こる」
recede=「re」(後ろに)+「cede」=「後退する」

exceed=「ex」(越えて)+「ceed」->「(人・物などの)(数量・技能)などが~を越えている、~に勝る」
proceed=「pro」(前に)+「ceed」=「(いったん止まってから)さらに前に進む」
succeed=「suc(sub)」(の下に)+「ceed」->(努力の下に来る)->「成功する」
※succeed=(~の後ろに来る)->「跡を継ぐ」という意味の場合も

precess=「pre」(前に)+「cess」->「先行する、歳差運動をする」

名詞形は、「cess」、「cession」など

access=「ac」(~へ)+「cess」=「接近方法」
concession=「譲歩」
excess=「超過」
precession=「歳差運動」
process=「過程」
recession=「景気後退」
success=「成功」
ancestor=「an」(先に)+「ces」+「tor」->(先に行く人)->「祖先」

proceedの名詞形は「proceed」+「ure」=「procedure」(手順)なども



≪読んでね≫
 これ以外にはaccede=「同意する」、antecede=「時間的に先行する」(※現在は、「precede」を使うのが普通)、intercede=「inter」(間に)+「cede」->「仲裁する」、retrocede=「retro」(後方へ)+「cede」=「後退する、(領土等を)返還する」、secede=「se」(分離)+「cede」=->(離れていく)=「(政党・同盟などから)脱退する」などがあります。



ceive(cept)は「取る」

 皆さんが殆ど日本語として使っている言葉に「コンセプト」という言葉があります。日本語として使う場合は、「全体を貫く大まかな考え方」という意味で使うことが多いようです。「今回の企画のコンセプトは、・・・」なんて使い方をします。英語では「concept」です。元々はconceive(ラテン語では「concipere」)という動詞(過去分詞)からの名詞への転化と言われています。conceiveは「con」(一緒に)+「ceive」(取り入れる)で、「(全く新しい考えを)思いつく、考え出す」という意味になります。


≪覚えてね≫
conceive=「con」(一緒に)+「ceive」(取り入れる)=「(全く新しい考えを)思いつく、考え出す」
deceive=「de」(人から)+「ceive」(物をとる)=「だます」「欺く」
perceive=「per」(完全に)+「取る」->(完全に受け入れる)->「知覚する」
receive=「re」(後に)+「ceive」(受け取る)=「(手紙・電話・物などを)受け取る」

accept=「ac」(~に)+「cept」=(同意し自分に受け入れる)->「(贈り物などを)快く受け取る」「(招待・申し出などを)受諾する」
concept=「con」(一緒に)+「cept」->「(~に関する)概念」
except=「ex」(外に)+「cept」->「(例外として)除外する」->「~を除いて」
intercept=「inter」(間に)+「cept」(取る)->(途中でつかみ取る)->「(ボールなどを)途中で奪う、横取りする」「通信を傍受する、盗み聞く」
「intercept」=数学で使われると「切片」
「y切片」は「y-intercept」
「x切片」は「x-intercept」



≪読んでね≫
 「ceive」から出来ている単語は、他に、apperceive=「ap」(前で)+「per」+「ceive」=「察知する」などがあります。「cept」から出来た単語は、incept=「in」(内部に)+「cept」=「摂取する」。precept=「pre」(前もって)+「cept」->(前もって受け入れたもの)->(教訓、注意)->「(行動・考え方の)指針」などです。



cernは「ふるい分けする」

 インターネットで情報システムがつながるとセキュリティが大変重要な問題となります。秘密を秘密のままの状態で保持出来なくてはなりません。この秘密は、英語では「secret」と言います。secretは「se」(離れて)+「cret」(分けられた)と分解されます。「cret」は「cern」(ふるい分けする)から来ています。「secret」の元になったラテン語は「secernere」で、「cern」が使われています。「cern」は「cree」となることもあります。


≪覚えてね≫
concern=「con」(一緒に)+「cern」(ふるい分けをする)->(一緒にふるい分けをするために混ぜる)->(かかわる)->「(話・研究・書物などが)~に関することである」「関係する」
discern=「dis」(分離)+「cern」->(ふるいにかけて分離する)->「見分ける」

secret=「se」(離れて)+「cret」(分けられた)->(分け離された)->「秘密の」
secretary=「secret」+「ary」(~に関する人)=「秘書」※秘密を共有する人
secretary general=「secretary」+「general」=「国連事務総長」
the Secretary of State=「(米国の)国務長官」
secretion=「secret」+[ion」->(唾液・尿・目ヤニなどを体から分離すること)->「分泌、分泌物」

decree=「de」(分離)+「cree」(ふるい分ける)->(用、不要なものをふるい分けるもの)->「法令」「判決」



cideは「切る」、「殺す」

 最近ニュースでは、自爆テロという言葉がよく使われます。自爆テロは「suicide attack」とか、「suicide bombing」、「suicide bomb terrorism」などと言います。ここで使われている「suicide」は「自殺」という意味です。suicideは分解すると、suicide=「sui」(自身)+「cide」(切る)となります。「cide」は語根として使われると「切る」という意味になります。


≪覚えてね≫
cideは「切る」、「殺す」の意味です。「cide」が語根として使われている単語はたくさんあります。

decide=「de」(分離)+「cide」->「決心する」
suicide=「sui」(自身)+「cide」(切る)->「自殺」
homicide=「homi」(人、ホモサピエンス)+「cide」->「殺人」

cideが「cise」に変形すると、concise=「con」(強意)+「cise」(切られた)->(不要な部分がすっかり)切り離された->「簡潔な」となります。

precise=「pre」(前もって)+「cise」(切る)->「余裕をもって予め切る」->「正確に切る」->「正確な」

scissors=sciss(切る)+or(~もの)+s(複数語尾)->「はさみ」


・decide by majority vote:多数決で決める
・decision at a Cabinet meeting:閣議決定
・suicide attack:自爆テロ(自爆攻撃)
・homicide squad:殺人捜査課
・homicide detective:殺人担当刑事
・culpable homicide:過失殺人
・concise digest:簡潔な要約
・precise diagnosis:正確な診断



≪読んでね≫
 「cide」(殺す)という語根は更にいろいろの単語を作っています。例えば、insecticide=「insect」(昆虫)+「cide」=「殺虫剤」、vermicide=「verm」(worm)(虫)+「cide」->虫下し、pesticide=pest(疫病、害をもたらす病原菌を運ぶ小動物)+cide->「殺虫剤」、larvicide=larvi(幼虫)+cide->「幼虫駆除剤」、adulticide=adulti(成虫)+cide=「成虫駆除剤」などとなります。genocide=geno(民族の)+cide->「民族などの組織的大量虐殺」、「集団殺戮」となります。genocide against humanityは「集団殺戮の科(かど)」となります。He was charged with genocide against humanity.のように使います。


≪気が向いたら読んでね≫
 「cide」には当然ながら、「殺虫剤」や「殺菌剤」などを表す単語が一杯あります。例えば、acaricide=「コナダニ(acarid)駆除剤」、algicide=「藻類を枯らす薬剤の総称」、aphicide=「アブラムシ駆除剤」、bactericide=「殺虫剤」、biocide=「殺微生物剤」、biopesticide=「天然殺虫剤」、fungicide=「防カビ剤」、germicide=「殺菌剤」、herbicide=「除草剤」、larvicide=「幼虫駆除剤」、miticide=「ダニ駆除剤」、molluscicide=「(ナメクジなどの)軟体動物の駆除剤」、nematocide=「線虫駆除剤」、ovicide=「(昆虫などの)殺卵剤」、parasiticide=「寄生虫駆除剤」、pediculicide=「シラミ駆除剤」、pulicide=「ノミの殺虫剤」、rodenticide=「殺鼠剤」、spermicide(spermatocide)=「殺精子剤」、sporicide=「胞子根絶剤」、taeniacide=「条虫駆除剤」、virucide=「殺ウィルス剤」などです。

 農業や環境関係では、agricide(収奪農業)があります。収奪農業とは土地を破壊してしまうような破壊的な農法です(例えば、農薬に頼り切って、本来その土地が持っている能力を否定して、弱めてしまうような農業)。その他には、antipestcide=「薬剤の使用に反対の」、ecocide=「生態系破壊」、geocide=「地球破壊」、siblicide=「種々の動物集団に見られる一腹子(卵)間の生存競争の結果として兄弟姉妹を殺す現象」などがあります。

 国家・外交・文化・民族関係では、autogenocide=「同じ民族間の集団殺戮」、ethnocide=「特定の民族集団の文化の徹底的な破壊」、liberticide=「自由を破壊するもの」、omnicide=「(核兵器による)全面殺戮」、regicide=「国王殺し」、tyrannicide=「暴君殺害」、vaticide=「預言者殺し」

 「cide」=「殺す」ですから、刑法・法律関係の単語もたくさんあります。antisuicide=「自殺防止の」、autocide=「自動車自殺」、「(生物の再生能力を低下させる)」、feticide=「胎児殺し」、fiticide=「実子殺し」、fratricide=「兄弟殺し」、infanticide=「嬰児(乳児)殺し」、matricide=「母親殺し」、medicide=「(医者による)自殺ほう助」、multicide=「集団殺人」、parasuicide=「狂言自殺」、parricide=「父親殺し」、「近親殺人」、sororicide=「姉妹殺し」、uxoricide=「妻殺し」などがあります。

 これ以外ではdicide=「神を殺す行為」、excide=「切り取る」などがあります。


≪注意してね≫
 「cide」が入っていても「切る」ではない場合もあります。例えば、coincide=「co」(一緒に)+「incide」(倒れる、起こる)->「同時に起こる」となります。incident=「in」(~に)+cid(降りかかる、起きる)+ent->(偶発的、付随的)事件、accident=「ac」(~に)+cid(倒れる)+ent->(incidentよりも大きな、通常身体に危害を及ぼすような)事故、Occident=太陽の沈むところ->「西欧」などにも注意してください。



clineは「曲がる」

 「cline」は曲がるという意味です。新幹線や飛行機の座席で皆さんよくご存じの「リクライニングシート」(reclining chair)などもこの「cline」から出来た言葉です。「cline」は「曲がる、傾ける」の意味があります。


≪覚えてね≫
decline=「de」(分離)+「cline」->(わきへ曲げる)->(主題から離れる)->「(人の申し出などを)(丁重に)断る」
incline=「in」(~の方へ)+「cline」=「(~したい)気持ちにさせる」
recline=「re」(後ろに)+「cline」(寄りかかる)=「横たわる」



≪読んでね≫
 地質学では、平らな地層が横からの圧力を受けて波型にたわむことを褶曲(しゅうきょく)といいます。また、このような地層のことを褶曲構造と言います。大規模な褶曲では、波を打ったような構造になり、馬の背のように曲がった背斜褶曲(古い地質が内側に来るように曲がる褶曲)と、盆のように曲がった向斜褶曲(新しい地質が内側に来るように曲がる褶曲)があります。このうち、背斜褶曲を「anticline」といい、向斜褶曲を「syncline」と言います。褶曲構造では、地層が「折りたたまれた」形になりますので、「fold」と言います。

 client=「clie」(寄りかかる)+「ent」->(命令を求め常に耳を傾けてくれる人が本義)->「(弁護士などへの)依頼人」「顧客」「サーバコンピュータの提供するサービスを利用するユーザ側のコンピュータ」。クライアントサーバシステム(client-server system)はインターネットサービスの提供方法の基本です。climate(天候)は「地軸の傾き」が原義で、これが理由で、気候、天候の変化が生じます。



closeは「閉じる」(※clude)

 お店が閉店した場合、以前は「閉店しました」というような札が下がっていたことが多かったのですが、最近は「closed」という札を下げているお店が多くなっていますね。「closed」は、「be closed」の省略形でしょうか。もちろん「close」は「閉じる」という意味です。


≪覚えてね≫
disclose=「dis」(反対、逆)+「close」->(隠れていたものを見えるようにする)->「(秘密などを)暴く」
enclose=「en」(中へ)+「(土地や建物などを)(塀や壁で)囲む」

・disclose financial information:財政情報を公開する
・disclosure of confidential information:機密情報の開示
・enclose the phrase in double quotes:語句を二重引用符で囲む



≪読んでね≫
 これ以外では、eclose=「(昆虫が)孵化する」、foreclose=「fore」(外側へ)+「close」->「除外する」、unclose=「un」+「close」=「開ける」などがあります。



cludeは「閉じる」(※close=終わる)


≪覚えてね≫
conclude=「con」(完全に)+「clude」(閉じる、終わる=close)→「完成させる」「結末をつける」(end、finish)
exclude=「ex」(外に)+「clude」(閉じる)->「(場所・組織などから)締め出す」
include=「in」(中へ)+「clude」->「(全体の中の一部分として)含む」
preclude=「pre」(前もって)+「clude」→「(前もって)~を不可能にする」

・conclude a contract with:~と契約を結ぶ
・conclusion of a peace treaty:平和条約の締結
・exclude outsiders:部外者を除外する
・exclusion order:(英)入国禁止命令
・include the excerpts in the textbook:テキストに引用文を収録する



≪読んでね≫
 これ以外では、seclude=「se」(離して)+「clude」->「閉じて隔離する」、「遮断する」、occlude=「毛穴などをふさぐ」、「目を覆う」などがあります。



cord(cor)は「中心、こころ」

 「コード」(cord)とは「ひも(紐)」のことで、「cordless telephone」は「コードレス電話」です。しかし、接頭辞を追加すると、「心」とか「中心」の意味になります。


≪覚えてね≫
accord=「ac」(~へ)+「cord」(中心)->(中心に向かって進む)->(ぴったりと)「一致する」「調和する」
disaccord=「dis」+「accord」=「不一致」
discord=「dis」+「cord」=「不一致」
concord=「con」(一緒の)+「cord」(心)=「一致」
record=「re」(再び)+「cord」->(再び心に帰る)->「記録」
cordial=「cord」(心)+「ial」(~の)=「心からの」
cordiality=「cordial」+「ity」=「思いやり、真心」
core=「こころ」



≪読んでね≫
 courage=「cour」(cor=心臓)+「age」(~のある場所)=「勇気」。encourage=「en」(~を与える)+「courage」=「励ます」。discourage=[dis」(奪う)+「courage」=「がっかりさせる」。



cracyは「政治制度、統治」

 cracyは「政治制度」や「統治形態」を指します。


≪覚えてね≫
democracy=「demo」(民衆)+「cracy」(統治)=「民主政治」「民主主義」
aristocrasy=「aristo」(最高の、最高位の)+「cracy」->(最高の階級の貴族が行う政治)->「貴族政治」
autocracy=「auto」(自己)+「cracy」->(自分一人で行う政治)->「独裁政治」
bureaucracy=「bureau」(局)+「cracy」=「官僚」「官僚政治」



≪読んでね≫
 cracyを使った単語は、まだまだたくさんあります。gerontocracy=「geronto」+「cracy」=「長老支配」。gynecocracy=「gyneco」+「cracy」=「女性による支配」。hagiocracy=「hagio」+「cracy」=「聖人政治」。hierocracy=「hiero」+「cracy」=「僧侶政治」。mediocracy=「medio」+「cracy」=「凡人政治」。meritocracy=「merito」+「cracy」=「実力主義」。mobocracy=「mobo」+「cracy」=「暴民政治」。monocracy=「mono」+「cracy」=「独裁政治」。nomocracy=「nomo」+「cracy」=「法治政治」。ochlocracy=「ochlo」+「cracy」=「衆愚政治」(mobocracy)。plutocracy=「pluto」+「cracy」=「金権政治」。stratocracy=「strato」+「cracy」=「軍閥政治」。technocracy=「techo」(科学技術)+「cracy」=「テクノクラシー」「技術主義」「技術者政治」。theocracy=「theo」+「cracy」=「神政政治」。timocracy=「timo」+「cracy」=「金権政治」。



curr(cours)は「走る」

 最近は「カレント」という言葉がよく使われます。「カレント(current)英語(English)」と言えば、「時事英語」の意味になります。その他、コンピュータの世界でも、よく使われます。例えば、複数のウィンドウを開いている場合、現在操作対象となっているウィンドウのことを「カレントウィンドウ(current window)」と言います。現在表示されているディレクトリ(フォルダ)は、「カレントディレクトリ」と言われます。「カレント(current)」は「現在の」という意味になります。currentの「curr」はラテン語のcurrere(走る)から来ています。


≪覚えてね≫
concur=「con」(一緒に)+「cur」=「~のことで意見が一致する」「同時に起こる」
excursion=「ex」(外へ)+「cur」+「sion」->(一緒に外へ走り出すこと)->「遠足」
incur=「in」(~に=into)+「cur」->(偶然に出会う、~にぶつかる)->「(負債・損害などを)こうむる、受ける」
occur=「oc」(~に向かって)+「cur」->(出会う)->「物事が(主に偶然)起こる」
recur=「re」(後ろへ)+「cur」=「(不快なことが)再発する」

※courseもラテン語の「cursus」(走ること、コース)から来ていますので、currentと同根の言葉です。



≪読んでね≫
 大学の教育課程でよく使うカリキュラム(curriculum)も元々は競馬場の走路から来ていますので、「course」と同じ語源です。学生も、競走馬と同じようにコースを走らされているというわけですね。



cureは「手入れする、心配する、気を配る」

 現在の高度情報化社会ではセキュリティが大変重要です。「security」は「secure」の名詞形です。secureは「se」(~のない)+「cure」(心配)と分解されて、「心配のない、安全な」となります。


≪覚えてね≫
cure=「治療する」(->care=「世話をする」)
curious=「cure」(care)(注意)+「ious」=「好奇心の強い」
insecure=「in」(無)+「secure」->(不安な)->「自信のない、不安な」
procure=「pro」(前もって)+「cure」(気を配る)=「(努力・苦労して)(物を)手に入れる」
secure=「se」(~のない)+「cure」=「心配のない」
security=「secure」+「ity」=「安全」
manicure=「mani」(手)+「cure」->(手の手入れ)->「(手の)つめや手の手入れ」
pedicure=「pedi」(足)+「cure」=「足の(たこ・まめなどの)手入れ」
accurate=「ac」(~に)+「cure」+「ate」->「間違いのない」



DEF



demoは「民衆」

 民主政治は「デモクラシー」と言います。英語では、「democracy」で、「demo」(民衆)+「cracy」(統治)から出来ています。


≪覚えてね≫
democracy=「demo」(民衆)+「cracy」=「民主政治」
democrat=「民主主義者」
Democrat Party=「(米)民主党」
demographics=「人口統計」
epidemic=「epi」(~の上に)+「demic」(->demo=人々)->(人の上に流行している)->「伝染性の」
endemic=「en」(中に入れる)+「demic」=「病気などが地方特有の」
pandemic=「pan」(全ての)+「demic」=「(病気などが)全国的に・全世界的に流行の」



≪読んでね≫
 democracyの「cracy」は「統治」「統治形態」という意味です。autocracy=「auto」+「cracy」=「独裁政治」。bureaucracy=「bureau」(局)+「cracy」=「官僚」「官僚政治」などがよく使われます。


≪注意してね≫
 demoでも、「demonstrate」=「de」(完全に)+「monstr」(示す)+「ate」=「論証する」などに使われている、「monstr」の場合がありますので注意してください。monster->(神聖な兆し->「警告」が原義)->「怪物」。ゴジラは核兵器の恐ろしさなどへの警告という意味がありますので、まさにmonsterの原義通りの怪獣ということになります。monument=「monu」(思い出させる)+「ment」->(思い出させるもの)->「記念碑」。summon=「sum(sub)」(秘かに)+「mon」(注意する)=「呼び出す」「召喚する」。ミルトンの失楽園で地獄の首都とされる「pandaemonium」は「pan」(全、いたるところに)+「daemon」+「ium」->(そこかしこに、霊がいるところ)->「修羅場」で、ここから、pandemonium=「大混乱、無法地帯」という言葉ができました。所で、「daemon」と「demon」ですが、daemon=「半神半人、人間と神の中間」「守護霊」で、demon=「悪魔」という使い方が多いようですが、daemon=demonとして使っている場合もあります。



dictは「言う」

 世界にはまだ独裁者と呼ばれる人がいて、自国民だけでなく、近隣国をも恐怖に陥れています。独裁者は「autocrat」とか「tyrant」と言いますが、「dictator」という言い方もあります。「dictator」は「dictate」から来ています。dictateは「dict」+「ate」で「dict」=「言う」です。


≪覚えてね≫
dictate->(述べられた)->「述べられた文章などを書きとらせる」「口述する」
dictation=「書き取り」「命令」
dictator=「独裁者」
diction=「用語選択」「いいまわし」「語法」
dictionary=「diction」(単語)+「ary」(の場所)->(単語を収納しておく場所)->「辞書」
benediction=「bene」(よく->well)+「diction」(祈りを言うこと)=「祝福、感謝の祈り」
contradict=「contra」(反対に)+「dict」=「(間違っていると)きっぱり否定する」
dedicate=「de」(完全に)+「dic」(言う)+「ate」->(神に完全にささげると宣言する)->「(時間・精力などを)(人・目的などに)捧げる、専念する」
indicate=「in」(~に対して)+「dic」+「ate」(~する)=「指摘する」
indict=「in」(~に対して)+「dict」->「~だと非難する」
predict=「pre」(前もって)+「dict」=「預言する」
predicate=「pre」(前もって)+「dic」+「ate」->(前もって宣言する)->「述語」
verdict=「評決」。



≪注意してね≫
 addict=「ad」(~に)+「dict」->(ある人にあることをするように言う)かな?とも思えますが、「dict」には「引き渡す」という意味もあるようです。これからすると、「(麻薬・酒など)に自分を引き渡す」という意味になりますので、「(人が麻薬や酒などの)中毒になる」という意味のようです。



ducは「導く、引き出す」

 educateは(生徒の)持っている能力を外へ(e)引き出す(duc)ことなので、教育です。元々持っている能力を引き出すのが教育っていうことですか?持っていない人は引き出してもらえない?持っていないものを引き出そうとしてもダメで、何を持っているかをよく見極めて、それをうまく引き出すというのが本当の教育っていうことでしょうか?


≪覚えてね≫
 ダクト(duct)は日本語になっているので、分かり易いと思います。「気体を導く管」で、建物の中で空調、換気、排煙などの目的で設備されます。通常、エアダクトとか、風導管、通風管などと呼ばれています。

 人に何かを紹介するのが、introduce=「intro」(~の中に)+[duce」です。これ以外にも「duce」を使った単語には、deduce、induce、produce、reduce、seduceなどがあります。

deduce=「de」(分離)+「duce」→「分離して引き出す」→「(推理・推論などによって)結論に達する」
induce=「in」(中へ)+「duce」で、「(説得して)~する気にさせる」
produceは「pro」(前に)+「duce」は「前に導き出す」で、「人・工場などが(製品を)製造する」
reduceは「re」(後ろへ)+「duce」ですので、「(数量・程度などを)減少させる」
seduce=「se」(わきへ)+「duce」で、「わきへ導く」となり、「そそのかす、誘惑する」
conductは「con」(一緒に)+「duct」で、「行い、品行」などの意味になります。動詞だと、「導く、案内する、行う」などの意味になります。

・conduct a research on:~について研究する
・conduct code:行為規範
・ethical conduct:倫理規定
・conduction:電気伝導性
・conductor:(バス・電車の)車掌、指揮者
・introduce a broad-based indirect tax:大型間接税を導入する
・reduce air pollution:大気汚染を減らす



≪読んでね≫
 duceからできている単語はまだまだいっぱいあります。例えば、produceに更に、接頭辞を付けたものとしては、coproduce(共同生産する)、massproduce(大量生産する)、outproduce(より多く生産する)、overproduce(過剰生産する)、reproduce(再生産する)、underproduce(需要を下回って生産する)などです。でも、これらは「produce」を知っていれば、問題ありませんね。今まで出てきた単語に更に接頭辞を付けたものとしては、この他に、reintroduce(再紹介する)、superinduce(併発させる)などがあります。

 これ以外では、adduce(証拠などを上げる)、conduce=「con」(一緒に)+「duce」->(良い結果をともに導く)->「貢献する」、educe=「e」(外へ)+「duce」->「(性能・能力などを)引き出す」、subduce(取り去る)、traduce(悪口を言う)、transduce(エネルギーなどを変換する)などがあります。

 これ以外には「duce」が「duct」と変わっているものもあります。~duceが名詞形になった場合は、~ductionや~ductとなりますが、名詞形ではない~ductには次のようなものがあります。deduct=「de」+「duct」->本体から引き出す->「(一定金額を)全体から差し引く=控除する」、induct=(役職などに)任命する、subduct=「sub」+「duct」->「(眼球などを)下に引き下げる」



es(est、ess)は「存在する」

 英語の授業で、先生が出欠を取るとき、名前を呼ばれた生徒は「Present sir!」と答えます。presentは「pre」(前に)+「es(t)」+「ent」(状態)ですから、「あなたの前にいますよ!」、つまり、出席していますよと言うことになります。語根の「es(t)」は「存在する」という意味になります。


≪覚えてね≫
interest=「inter」(間に)+「est」(存在する)->(誰かと誰かの間にあるものは、気になる)->「興味、関心」
present=「pre」(前に)+「es(t)」(存在する)+「ent」(状態)=「出席している」「(考えなどが)頭に浮かんでいる」
presence=「pres(ent)」+「ence」=「出席}「存在」
absent=「ab」(から離れて)+「sent」(->(e)s(t)ent)=「欠席の」
essence=「es(s)」+「ence」->(存在、実在)->「本質」
essential=「es(s)」+「ent」+「ial」=「本質的な」



≪読んでね≫
 プレゼントということになると、当然「贈り物」についても、言及しなくてはなりません。存在を示すpresentはラテン語の「praeesse(近くにいる)」から来ていますが、「贈り物」の意味は、古フランス語のpresenter(贈り物として人前に置く)から来ているようです。



fect(fact、feat)は「行う」「作る」「置く」

 皆さんご存知のパーフェクトという言葉は英語では「perfect」でこれは、「per」(完全に)+「fect」(行う)というように分解することができます。従って、「fect」=「行う」となります。


≪覚えてね≫
affect=「af」(~に)+「fect」->「~に向かって作用する」->「影響する」
defect=「de」(分離)+「fect」->(完全な状態から遠ざけてしまう)->「欠点」「短所」「不足」「欠乏」
effect=「ef」(外へ)+「fect」(作った)->(完成して外へ出したもの)->「結果」「効果」
infect=[in」(中へ)+「fect」(置く、作る)->「感染する」
perfect=「per」(完全に)+「fect」(行った)=「完全な」


「fact」->「行う」->「事実」の場合もあります。
faction=「fact」(作る)+「ion」->(作ること、党派)->「派閥」
factor->(物を作る)->「(~という結果をもたらす)要因」
factory=[fact」(物を作る)+「ory」(~する場所)=「工場」

featとなる場合もあります。
feat=「功績」「離れ業」
defeat=「de」(分離)+「feat」(~する)->(遠ざけてしまう)->「破る」「失敗する」「落選させる」
feature->(作られたもの)->「特徴」「特集記事」



≪読んでね≫
 fect、fact、featの語源に関しては各単語ごとに英語に入ってきた経緯が違っているようで複雑ですが、大雑把な話をすると、元はラテン語の「facere」(ficere)で、その過去分詞(factus、fectus)や、中性形の過去分詞(factum)、あるいは名詞形(factio)から派生しているようです。featは更に、過去分詞factusから派生したfacturaがフランス語faitureを経由して英語に入ってきたもののようです。

 confect=「(菓子などの原料を)調合する」。prefect=「pre」(前もって)+「fect」(作った、任命した)->「(英)学生寮の風紀委員、監督生(規律面で権限と責任を与えられた上級生)」。artifact=「arti」(技術で)+「fact」(作られた)->「(自然のものに対して)人工物・武器・工芸品など」。factorize=「因数分解する」。factorization=「因数分解」。manufacture=「manu」(手)+「fact」+「ure」->(昔は工業と言えば、「手工業」でした)。benefactor=「bene」(良い、立派な)+「factor」=「恩恵を施す人」「(学校・病院・慈善事業などの)後援者」。「流行」を表す「fashion」もラテン語は「factio」で、「fact」と同語源の言葉です。「流行」は、物を売りたい業者が、勝手に作っているということでしょうか?今年の流行は「黒ですよ」とか、「スカートの丈は」、「肩のパットは」、「最近のスーツの襟の幅は」などと、消費者を勝手に誘導しています。同じものを何年も使われては、業界も立ち行かなくなってしまいますから、ある程度は、仕方がないのかも知れませんね。



ferは「運ぶ」

 「fer」は運ぶという意味です。多分皆さんは直ぐに「フェリー」(ferry)を思い浮かべるのではないでしょうか。「フェリー」は観光用ではなく、「日常の交通手段として」使われている客船・貨客船のことです。車を運んでくれるのは「カー・フェリー」などと呼ばれています。


≪覚えてね≫
「fer」から作られた言葉には、confer、defer、differ、infer、offer、prefer、refer、suffer、transferなどがあります。

confer=「con」(一緒に)+「fer」=「(資格・称号などを)贈る」
defer=「de」(分離)+「fer」=「延期する」
differ=「dif」(分離)+「fer」=(本体から分離して運ぶ)->「異なる」
infer=「in」(中へ、心の中へ)+「fer」=「(聞く人・読む人などが)~を(証拠・事実などから)推測する」
offer=「of」(~に)+「fer」=「提供する、差し出す」
prefer=「pre」(前に)+[fer」=「~を好む」
refer=「re」(もとへ)+「fer」=「言及する」
referal=「refer」+「al」=「参照」推薦」
referendum=「国民投票」「住民投票」(報告されるべきものというラテン語の現在分詞形より)
suffer=「suf(sub)」(~の下へ)+「fer」=「(損害などを)被る、(苦痛などを)経験する」
transfer=「trans」(越えて)+「fer」=「(別の場所へ)運ぶ」



≪注意してね≫
 「golfer」のように「f」で終わっている語に、人を表す「er」が付いて「fer」となっている場合もあります。interfereのように「fer」が「打つ」という意味を持っている場合もありますので、注意してください。interfere=[inter」(相互に)+「fere」(打つ)=「邪魔する」。



fessは「言う」

 大学教授は「プロフェッサー」(professor)と言います。professorは「profess」+「or」で、professは「pro」+「fess」で「fess」は「言う」とか「認める」という意味です。


≪覚えてね≫
confess=「con」(強意)+「fess」(認める)=「人が悪事などを白状する、告白する、秘密などを打ち分ける」
profess=「pro」(人前で)+「fess」(言う、述べる)=「明言する」
profession=「profess」+「sion」->((知識、技能があると)公言する)->「専門職」
professional=「profession」+「al」->「専門職に従事している」



fideは「信頼する」

 忠誠心を「fedelity」といい、この言葉はラテン語の「fidelitatem」から来ています。この中で、語根として使われている「fide」が「忠誠な、正確な」という意味を持っています。


≪覚えてね≫
fidelity=「fidel」(忠実な)+「ity」(名詞語尾)=「(人主義などに対する)忠誠」「正確さ」
confide=「con」(完全に)+「fide」(信頼する)=「信頼する」
confident=「con」+「fide」+「ent」=「確信している」「自信に満ちた」
confidence=「con」+「fide」+「ence」=「信頼」
confidential=「confidence」+「ial」=「機密の」
diffident=「dif」(否定)+「fident」(信用する)=「自信のない」「気後れした」
defy=「de」(否定)+「fy」(信じる)=「信じない、無視する、反抗する」
faith=「信頼」



fineは「境界」「終わり」「最後のもの」

 「ファイナル」は日本語としては、「最終の」とか、「最後の」とかいう意味で、英語の綴りは「final」です。このfinalは「fin」と「al」(~の)に分割されます。この「fin(e)」は「終わり」とか、「境界」、あるいは動詞として「境界を付ける」という意味があります。


≪覚えてね≫
confine=「con」(共に)+「fine」(境界)=「(発言・努力・人などを)(~の範囲に)制限する」「~に限定する」
define=「de」(強意)+「fine」(境界を付ける)->(はっきりと限界・境界を定める)=「語句の意味などを定義する、意味を明確にする」
finish=「fin」(終える)+「ish」=「終える、完成する」
finite=「fin」+「ite」=「限界のある」
infinite=「in」(否定)+「finite」=「無限の」
final=「fin」+「al」=「最終の」
finance=「fin」(借金を決済する)+「ance」=「財政」



≪読んでね≫
 「fine」は皆さんもご存知のように、「元気な、素晴らしい」という意味の使い方もありますが、これも語源的には全く同じです。「最終のもの->完成した->申し分のない」となります。refine=「re」(強意)+「fine」=「純度を高める、製錬する」。superfine=「super」+「fine」=「極上の」です。



flex(flect)は「曲げる」

 最近のサラリーマンはフレックス制で働く人が多くなっています。これは、労働者自身が一定の定められた時間帯の中で、始業時刻と終業時刻を自分で決定できるシステムです。難しく言うと「変形労働時間制」などと呼ばれています。要するに柔軟に働く時間を調整することができる制度ということになります。柔軟という言葉は英語では「flex」(融通の利く、柔軟な)と言います。これを労働時間に適用したので、「flextime system」とか、「flexible-hours」などと呼ばれています。


≪覚えてね≫
「flex」(曲げる)に形容詞語尾の「able」(~することのできる)を付けると、flexible=「flex」+「ible」=「曲げることのできる」->「曲げやすい、しなやかな、柔軟な」となります。これを名詞形にすると、「flexibility」(柔軟性)となります。flexは「flect」にもなります。

deflect=「de」(分離)+「flect」(曲げる)=「(人・物を)進路などからそらす」
reflect=「re」(元へ)+「flect」->「反射する」
reflex=「反射反応」



≪読んでね≫
 flexibleは「曲げやすい」と言っているだけで、元に戻るかどうかについては言っていません。多分、元に戻らない場合が多いと思います。何故かというと、「元に戻り易い」という言葉は別に存在する(「elastic」=伸縮性のある、弾力性のある)からです。「flect」が付いた言葉は他にいくつかあります。inflect=「内側に曲げる」。genuflect=「genu」(ひざ)+「flect」->「(礼拝のために)片膝を曲げる、卑屈な態度をとる」。「genu」から「genuine」(本物)という言葉が生まれます。genuine=「genu」+「ine」(~に関する)->(生まれてきた子供を)父親が膝にのせて認知したことから->「本物の」という意味が生まれました。



flictは「打つ」

 他国の政府に軽い影響を及ぼすような心理作戦・限定軍事行動を柔軟闘争と言います。英語では「low-intensity conflict」です。conflictは「con」(強意)+「flict」(打つ)と分解できます。


≪覚えてね≫
afflict=「af」(~に)+「flict」(打ち付けられた)->(地面に打ちのめされた)->「~を悩ます」
conflict=「con」(強意)+「flict」->(強打する)->「~と・・・の間の闘争」
inflict=「in」(上に)+「flict」=「打撃を与える」



fluは「流れる」

 「インフルエンザ」はインフルエンザウィルスによって引き起こされる急性感染症です。上気道炎症や、呼吸器疾患を伴うことが多く流行性感冒などと呼ばれています。インフルエンザは、英語では「influenza」と書き、この中の「flu」は「流れる」という意味です。従って、「流行性」の病気(感染症)というわけですね。


≪覚えてね≫
fluent=「flu」(流れる=flow)+「ent」(性質)=「(外国語・文体が)流ちょうな」「(曲線・動きなどが)なだらかで美しい」
influent=「in」(中に)+「fluent」(流れる)=「(本流・湖などに流入する)支流」
influence=「in」+「flu」+「ence」->(流れ込むもの)->「影響(力)」
influenza->(流行病)->「インフルエンザ」「流行性感冒」
fluid=「flu」(流れる)+「id」(状態)=「流体」「流れるような」



≪読んでね≫
 circumfluent=「circum」(周囲を)+「fluent」=「周りを流れる」「水域などで取り囲まれた」。confluent=「con」(一緒に)+「fluent」=「(川などが)合流する」。effluent=「ef」(外へ)+「fluent」->「流出する」。interfluent=「inter」+「fluent」=「合流の」。profluent=「pro」+「fluent」=「とうとうと流れる」。refluent=「re」+「fluent」=「引き潮の、逆流の」。afflux=「af」+「flux」=「殺到」「流入」。conflux=confluence。efflux=「ef」+「flux」=「(ガス・水などの)流出」。influx=「in」+「flux」=「流入」。reflux=「re」+「flux」=「(血液などの)逆流」。

 fluctuateはラテン語のfluctuatus=「波のように動く」が語源です。「流れる」の意味のflureに「揺れる」という意味が加わって、「fluctus」という語が派生します。ここから、fluctuareが派生し、fluctuatという語が生まれました。fluctuate=「(物価などが)変動する」「(人・気分などが)揺れ動く」。fluctuation=「動揺」「変動」。



foldは「折りたたむ」

 「フォルダ」(folder)は「書類ばさみ」のことです。折り畳み式の地図や時間表を表すこともあります。コンピュータで、ハードディスクなどの記憶媒体に複数のファイルを分類したり、整理したりするの場所を指すこともあります。UNIX系のオペレーティングシステム(OS)では、「ディレクトリ」(directory)と言っていましたが、WindowsやMac OSでは、ディレクトリを表すためのアイコンに「書類ばさみ」を模したアイコンを使うようになり、「folder」と呼ばれるようになりました。folder=「fold」+「er」で「fold」は「折りたたむ」という意味になります。


≪覚えてね≫
folder=「fold」+「er」=「書類ばさみ」
enfold=「en」(なかに)+「fold」(折りたたむ)=「子供を腕に抱く」
infold=「in」(中に)+「fold」->(内側に折りたたむ)->「包む」
manifold=「mani」(多くの->many)+「fold」->(多くの折り目)->「多数の」
unfold=「un」(反対の)+「fold」=「(折りたたんだ紙・布・包みなどを)広げる」「秘密・計画などを)打ち明ける(reveal)」



formは「形作る、言葉で表す」

 情報はinformationといいます。これは、informの名詞形で、informは、「in」+「form」と分解できます。「form」は「形作る」という意味です。


≪覚えてね≫
form=「形」
inform=「in」(~の中に)+「形作る」->(心・頭の中に形作る)->「通知する、知らせる」
information=「情報」
conform=「con」(共に)+「form」=「(規則・慣習などに)従う」
deform=「de」(悪化)+「form」->(形を悪くする)->「形を(永続的に)損なう」
reform=「re」(再び)+「form」=「(制度・社会・政治などを)改善する」
transform=「trans」(別の状態へ)+「form」=「変形させる」
uniform=「uni」(単一の)+「form」=「(外観・性質・態度などが)~の点と・・・で同じの」「制服」



≪読んでね≫
 perform=「per」(完全に)+「form」(<-furnish=供給する)=「成し遂げる」。performは古フランス語のparfounir=「par」(完全に)+「founir」(供給する=furnish)がアングロフランス語を経由して、中期英語に入り、語根のfounirが「forme」との連想で、formとなったようです。performance=「perform」+「ance」=「遂行、偉業、業績」「上演、演奏、演技」「(機械などの)性能、(人の)遂行能力」は既に日本語化しているかも知れませんね。

 furnishは中期フランス語のfurniss(供給する=supply)を語源としています。furniture=「furnit」(->furnish)+「ure」->(必要備品)->「(通常移動可能な)家具、調度品」「機械などの備品」。furnishings=「備え付けの家具」(furnitureよりも範囲が広い※bath、curtain、picture、shopping bagなども含む)。



fortは「強い」

 「フォルト」(fort)は力強さを表します。砦とか、要塞を表します。「fort」より大きな、規模の要塞、あるいは要塞都市などは「fortress」となります。「force」(力)も同根の言葉です。


≪覚えてね≫
fort=「強いものが原義」->(要塞)
fortress=「fort」+「ress」=「要塞」
fortify=「fort」(力)+「ify」ー「~を要塞化する」「力づける」
fortification=「fortifi」+「cation」=「要塞化」
effort=「ef」(外に)+「fort」(強い力)->(外に力を出す)->「努力」
comfort=「com」(強意)+「fort」=「快適さ」
comfortable=「comfort」+「able」=「快適な」
force=「力」
enforce=「en」(与える)+「force」=「(法律・規則など)を施工する」「行為・状態などを人に押し付ける」
reinforce=「re」+「inforce」(enforceの異形)=「~することによって補強する」



GHI



gestは「運ぶ」

 「ダイジェスト」とは「消化する」とか、「要約する」というような意味があります。「リーダーズダイジェスト」(Reader's Digest)という雑誌がありますが、これはいろいろの記事や、小説などを要約して、読者に届けるものです。「ニュース報道」の「ダイジェスト」という言い方もあります。これは、ニュース報道の概要(summary)というような意味です。


≪覚えてね≫
digest=「di」(分離)+「gest」(運ばれた)->「(食物を)消化する」「知識などを吸収する」「文学作品などを要約する」
suggest=「sug(sub)」(~の下に)+「gest」(運ぶ)=「それとなく言う」



≪読んでね≫
 congest=「con」(一緒に)+「gest」(運ぶ)=「無理に詰め込む」。decongest=「de」+「congest」=「(医学)~の充血を(詰まったものを)取り除く」。egest=「e」+「gest」=「排泄する」。ingest=「in」+「gest」=「(植物などを)摂取する」。predigest=「pre」+「digest」=「食物を消化しやすいように調理する」。


≪注意してね≫
 殆ど間違うことはないと思いますが、「g」で終わっている形容詞に、最上級を表す「est」が付けば、「gest」となりますが、これは大丈夫でしょう。例)「longest」、「youngest」など



gressは「進む」

 最近「アグレッシブ」という言葉がよく使われているようです。この言葉は「積極的な」とか、「攻撃的な」という意味で使われることが多いようです。「攻撃的」といっても、「何かを破壊したり」「人に反論しまくる」といった意味ではなく、「活動的で、積極的」というような意味で、比較的いい意味で使われることが多いようです。この「aggressive」という特質は、「米国人の特徴の1つ」とされています。



≪覚えてね≫
aggress=「ag」(~に向かって)+「gress」(進む)=「攻撃を仕掛ける」
aggressive=「aggress」+「ive」=「積極的な、活動的な」
congress=「con」(一緒に)+「gress」->(共に来るところ)->「大会、会議」「国会(米国、中南米)」
progress=「pro」(前へ)+「gress」=「前進」
transgress=「trans」(越えて)+「gress」=「(限界などを)越える」
degree=「de」(下降)+gree(一歩=grade)->(一歩下りること)->「等級」
grade=「等級」
degrade=「de」(下降)+「grade」(等級)=「(地位を)下げる、降格する」



≪読んでね≫
 digress=「di」(わきに)+「gress」=「(主題から)(故意に一時的に)わき道にそれる」。egress=「e」(外へ)+「gress」=「脱出」「出口」。ingress=「入り口」。regress=「re」+「gress」=「後戻りする」。retrogress=「retro」+「gress」=「逆行する」「退化する」。

 「Congress」は米国や中南米諸国で「国会」の意味で使われますが、英国やカナダでは「Parliament」が使われています。また、日本やデンマークなどでは「Diet」が使われています。dietと言っても、国会議員が太り過ぎだからというわけでもないようです。dietはラテン語のdieta(一日の仕事、集会に当てられた日)に由来しています。神聖ローマ帝国の時代から使われていたらしく、神聖ローマ帝国の流れを汲んでいるドイツ、オーストリア、スイス、ポーランドで使われています。また、ドイツ憲法を模して憲法を作った日本でも、自国の国会の英語訳として「Diet」を使っています。

※インドでは「国民会議党」(Indian National Congress)のように政党名で使われています。南アでもAfrican National Congressのように政党名で使われています。


itは「行く」

 「it」が語根だとは気づかない場合が多いと思います。「i」や「t」は、語根と接頭辞、語根と接尾辞をつなぐときに、音の調子を整えるために、他の文字が変化した場合も多くありますので、注意が必要です。「exit」の「it」や、「initial」の「it」などは、「行く」の意味の語根です。


≪覚えてね≫
exit=「ex」(外へ)+「it」=「出口」
transit=「trans」(横切って)+「it」(行く)=「通過」「別便への乗り換え(トランジット)」
circuit=「circu」(円周)+「it」=「周囲」「回路」「巡回する」
initial=「in」(中に)+「it(i)」+「al」->(中に入ること)->(始める)->「最初の、」「頭文字」
initiate=「initi(al)」+「ate」->(始めさせる)->「(事業・計画などを)責任をもって始める、~に着手する」「(クラブなどに)入会させる、入門させる」
initiative=「initiate」+「ive」(傾向のある)->(最初に始める傾向にある)->(手始め)->「主導権」



≪読んでね≫
 ambit=「amb」(->around)+「it」->(動き回る)->「活動範囲」。ambition=「ambit」+「ion」->(表を求めて歩き回る)->(名声をえようと歩き回る)->「(~しようとする)大望」「野望」。ambitious=「ambiti(on)」+「ous」=「大望のある、野心のある」。昔のローマの公職志願者は、票を集めるために、選挙演説をしながら、街を歩き回ったそうです。今も昔もあまり変わっていませんね。





JKL



jectは「投げる」

 プロジェクト(project)は何かの目標を達成するための計画のことを言います。殆ど日本語化されている言葉です。他に、プロジェクター(projector)という言葉も、殆ど日本語化されています。projectは「pro」(前方へ)+「ject」(投げ出されたもの)に分解されますので、「前に投げ出されたもの」という意味になります。作戦会議などが開かれ、そこで「出席者の前に提示された計画」というようなイメージでしょうか。プロジェクターもコンピュータのデジタル画像を、大きなスクリーンに「投げだす」という意味になります。他にもほとんど日本語化されている言葉にサブジェクト(subject)があります。電子メールの「件名」の意味で使われています。他には、反対という意味で使われるオブジェクション(objection=objectの名詞形)などがあります。コンピュータプログラミングの手法として、最近はオブジェクト指向(object-oriented)という考え方が重要になっています。こう考えると、「ject」という語根はかなり日本語に組み込まれていることが分かります。ジェット機の「jet」も同根の言葉です。美術館に行くといろいろのオブジェ(objet)に出会うことができますが、これは、元々はフランス語で、主に芸術用語として使われますが、英語のobjectと同じ語源の言葉です。


≪覚えてね≫
deject=「de」(下へ)+「ject」(投げた)->(気分が下に投げ出された)->(気落ちする)->「落胆する」
inject=「in」(中に)+「ject」->(体に投げる)->「注射する」「(ロケット・衛星などを)軌道に乗せる」
object=「ob」(~に反対して)+「ject」=「反抗する」
名詞で使うと「物体」「目標」となります。名詞形は、objectionで、日本語としても最近テレビ、ラジオ等でよく使われます。

project=「pro」(前方へ)+「ject」->(前方へ投げ出されたもの)->(仕事・活動などのための)計画、企画」で、ほとんど日本語として使われています。
reject=「re」(元へ)+「ject」->(元へ投げ返す)->「(申し出・援助の提案などを)すげなく拒絶する」となります。
subjectも最近電子メールでよく利用される言葉です。subject=「sub」(下に)+「ject」->(下に投げ出された)->(対象となる、支配下にある)->「主題」「(医学・心理学などの)実験対象となる人(動物)、被験者、患者」「臣下」などの意味になります。
adjective=「ad」(~に)+「ject」+「ive」->(投げかけられる性質を持っている)->「形容詞」となります。

ジェット機やジェットエンジンの「jet」も「ject」と同じ語源です。




≪読んでね≫
 他にはabject、disject、interject、introject、retrojectなどがあります。abject=[ab」(~から)+「ject」->(~から投げ捨てられた)->「(暮らしなどが)みじめな」「みすぼらしい」。disject=「dis」(分離)+「ject」=「まき散らす」。interject=「inter」(間に)+「ject」->「口を差し挟む」(※interpose)。introject=「intro」+「ject」=「他人のものや考え方を取り入れる」。retroject=「retro」(後ろへ)+「ject」=「後ろへ投げる」(※projectの反対)。 



lectは「集める」

 「lect」を使っている単語で、日本でもよく使われているのは、「コレクション->収集」(collection)、児童虐待などで最近よく使われる「ネグレクト->無視」(neglect)、「セレクション->選択、選集」(selection)などがあります。


≪覚えてね≫
collect=「col」(共に)+「lect」(集める)=「散らばっているものを選り分けて集める」
elect=「e」(外へ)+「lect」(選ぶ)=「(投票で)選ぶ」
neglect=「neg」(否定)+「lect」(集める)->(集めない)->「おろそかにする、無視する、軽視する」
recollect=「re」(再び)+「collect」=「思い出す」
select=「se」(離す)+「lect」=「(多くのものから)選び出す」



≪暇があったら読んでね≫
 intellectには「lect」が入っているので、intellect=「inter」(<-intel)+「lect」->(集めたものの中で取捨選択する能力)->「知力」ではないかと思いますが、いろいろの辞書や、資料をあさってみても、ラテン語の「intellectus」(英語のunderstanding)から、あるいは「intellegere」(英語のunderstand)から来ているとする記述しかありません。



literは「学問(教育)のある」

 社会的に必要とされる基本的な能力のことを、昔は「読み書きそろばん」などと言っていました。英語では「literacy」(リテラシー)といいます。最近はパソコンやインターネットができたりしないと、社会的には難しくなっています。最低限のコンピュータの操作能力のことを[computer literacy」と言っています。コンピュータに関する知識のないこと、いわゆる「コンピュータ音痴」は英語では、「computer illiteracy」です。


≪覚えてね≫
literate->(教養のある人)「学問をわきまえている人」->「読み書きができる人」「文学の」
literacy=「liter(ate)」+「acy」=「読み書きの基本的能力」
literal=「liter」(文字->letter)+「al」=「文字に関する」
literary=「文芸の」
literature=「literate」+「ure」(結果)->(学問、学識)->「文学」

・literacy education=リテラシー教育
・literary agent=(作家の)著作権代理人
・literary property=著作権(物)



≪読んでね≫
 aliterate=「a」(離れた)+「literate」=「活字離れの、活字嫌いの」。antiliterate=「anti」+「literate」=「学問に反する」。obliterate=「ob」(逆に)+「literate」(文字を書く)->「文字を消す」。preliterate=「pre」+「literate」=「文字文化を持たない」「文字使用以前の」。semiliterate=「semi」+「literate」=「読み書きが僅かしかできない」。subliterate=「sub」+「literate」=「純文学に関心がない」。transliterate=「trans」+「literate」=「語・名前・文などを)(ある文字体系から別の文字体系に)書き直す」。literalize=「literal」+「ize」=「文字通りに解釈する」。





MNO



mergは「水に浸す」

 コンピュータのアルゴリズムでは「マージ」という操作がよく利用されます。これは、複数のデータをある規則に沿ってまとめること(「併合する」とか「合併する」)です。英語では「merge」と書きます。これは元々は「水に潜る」とか「水に浸す」というような意味です。このmergeから出来た言葉でよく使うのが「emergency」でしょうか。「emergency exit」などと使います。「非常口」のことですね。このemergencyは「emerge」+「ency」と分解でき、「emerge」は更に「e」+「merge」と分解できます。これは、今まで水に潜っていて気づかなかったものが「不意に」飛び出してくるということから、「問題などが現れる」という意味になります。


≪覚えてね≫
merge=「併合する」「合併する」
demerge=「de」+「merge」=「(多国籍企業などを)(別会社に)分割する」「大企業を)事業単位の子会社に分ける」
emerge=「e」+「merge」->(飛び込んだ時に水しぶきが外に飛び出てくる)->(水の中から不意に何かが飛び出してくる)->「(問題・事実などが)不意に現れてくる」
emergent=「緊急の」
emergency=「非常事態」
emergency exit=「非常口」
reemerge=「再び現れる」
immerge=「im」+「merge」=「水に飛び込む」「浸る」
immerse=「im」(中に)+「merse->merge」=「浸す、沈める」
submerge=「sub+「merge」=「sub」(下に)+「merge」=「沈める」「水浸しにする」
resubmerge=「re」+「submerge」=「(潜水艦が)再び潜航する」



mit(mise)は「送る」

 2017年5月14日に北朝鮮のミサイルが打ち上げられました。これは6カ国協議の申し合わせ事項に違反するものですが、この約束違反のミサイル(missile)と約束(promise)は同じ語源に由来しています。何という皮肉でしょう。「mis」は「送る」という意味です。


≪覚えてね≫
promise=「pro」(前に)+「mise」(送る)->(ある事を人の前に送る)->(話し合う)->「約束が成立」->「約束」
compromise=「com」(共に)+「promise」=「(意見が対立する両者の)妥協」
premise=「pre」(前に)+「mise」(送られた、置かれた)->「前もって置かれたもの」=「前提、仮定」「土地・付属物付きの建物、構内、店舗」

admit=「ad」(~へ)+「mit」(送る)->(送り込むこと)->「認めること」
commit=「com」(強意)+「mit」(送る)->(ある人に一切を送る)->(委ねる)->「(罪・過失などを)犯す」「委託する」
emit=「e」(外へ)+「mit」(送る)=「(光・熱・匂い・音などを)出す、放つ」
omit=「o」(反対方向に)+「mit」=「(作成段階で、うっかり、あるいは故意に)除外する」「書き落とす」
permit=「per」(~を通して)+「mit」->(通過するのを許す)->「許す」
submit=「sub」(下に)+「mit」(送る、置く)=「服従させる」
transmit=「trans」(別の場所に)+「mit」=「送り届ける」

mission=「miss」(送る)+「sion」->(ある使命をもって送られること)=「使節団」
missile=「miss」(投げる)+「ile」(~しやすい)->(投げやすいもの)->「飛び道具、弾丸など」「ミサイル」
dismiss=「dis」(分離)+「miss」(送る)=「(集会などを)解散させる」

※企業などが情報システムを自社構内で保有し、運用する場合のことを「on-premise(オンプレミス)」といいます。クラウドサービスやデータセンターの利用などが一般化する以前は、情報システムを自社内で構築運用するのは普通の事でしたが、特に「オンプレミス」という言葉が使われることはありませんでした。その後、クラウドサービスや、データセンターの利用などが一般化すると、従来型の自社内での運用を明示的に表す言い方として「オンプレミス」という言葉が利用されるようになりました。



mov(mob、mot)は「動く」

 携帯電話は米国では「cellular phone」とか、省略して「cell phone」とかもっと短くして「cell」などと呼びますが、ヨーロッパでは「mobile phone」とか、略して「mobile」と呼ぶことが多いようです。mobile=「mob(->move)」+「ile」(~できる)=「動くことができる」


≪覚えてね≫
mobile=「mob(move)」+「ile」(~できる)=「動くことができる」「可動性の」
automobile=「auto」(自ら)+「mobile」->(自ら動くことができる)->「自動車」
mobile phone=「(欧州)携帯電話」
mob(mobile)->(移り気の)->「暴徒、野次馬」

move=「移動する」
movable=「動くことができる」
motivate=「motive」(動機)+「ate」->「(動機・刺激を)与える」
motivation=「誘引・刺激・動機付け」
motive=「mot」(運動)+「ive」(~の傾向のある)=「動機」「意思」「主題、モチーフ」
remove=「re」(再び)+「move」=「取り除く、持ち去る」

motion=「mot」+「tion」=「運動」
commotion=「com」(注意)+「mot」(move)(動かす)+「tion」=「激動・動揺」「暴動」
emotion=「e」(外へ)+「motion」->(感情を揺さぶりだす)->「感情」「情緒」(love、hate、anger、jealousy、sorrow、fear、despair、happinessなどの総称)
emotional=「e」+「motional」=「感情の」
promote=「pro」(前へ)+「mote」=「平和・健康などを)促進する」「昇進させる」
remote=「re」(離れて)+「mote」->(遠くに移動させられた)->「遠い」「都会から離れた、辺鄙な」

locomotive=「loco」(場所から場所へ)+「motive」(動く)=「機関車」「推進力」automatic=「auto」(自分で)+「mat(move)」+「ic」=「自動の」
motor=「mot(move)+「or」->(動く(動かす)もの)->「発動機」


※CMS(コンテンツ管理スステム)のプラットフォームとしてMovable Typeというツールがあります。ブログや、Webページだけでなくファイル管理などにも使わています。



PQRS



pel(pul)は「追いやる、押す、駆り立てる」

 最近は飛行機と言えばジェット機ですが、以前はプロベラを回転して推進力を得ていました。プロペラは「propeller」と書きます。これは動詞の「propel」に「~する人、~するもの」という意味の接尾辞「(l)er」が付いたものです。propelは「pro」+「pel」と分解することができ、「pel」は「追いやる」「駆り立てる」などの意味を持っています。


≪覚えてね≫
propel=「pro」(前に)+「pel」(追いやる、駆り立てる)=「前進させる」「推進する」「駆り立てる」
propeller=「propel」+「(l)er」=「推進器、プロペラ、(船の)スクリューなど」

これ以外では、compel=「com」(完全に)+「追いやる」=「(無理やり)~させる」。

expel=「ex」(外へ)+「pel」(追い立てる)=「(空気・水などを)(容器から)排出する」「(外国人を)強制退去させる」
repel=「re」(後ろへ)+「pel」=「(敵・誘惑などを)追い払う」「(提案などを)拒絶する」

pelは「pul」になりますので、compel=「compul」(強制する)です。

compulsory=「compul」+「sory」=「強制的な」
compulsive=「強制的な」
pulse->(血液を駆り立てる)->「脈を打つ」「脈拍」
impulse=「im」(~に)+「pulse」->(ある事・物に心が押しやられること)->「(~したいという)衝動」
repulse=「re」(離す)+「pulse」(駆り立てる)=「(敵などを)撃退する」


・compulsory automobile insurance=自動車強制保険
・compulsory education=義務教育



pendは「ぶら下がる」

 「pend」は「ぶら下がる」という意味です。「(pend)ペンド」が「ぶら下がる」だと分かると、すぐに「ペンダント(pendant)」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。大腸から「ぶら下がっている臓器」に「盲腸」という臓器がありますが、これも「pend」で出来ています。appendix=「盲腸」。appendixは本の付録とか、追加物という意味もあります。ここまで分かると、「振り子」は何というのかなという疑問がわくのではないでしょうか。振り子は「(swinging) pendulum」といいます。


≪覚えてね≫
append=「ap」(~に)+「pend」(ぶら下がる)=「(終わりに)付録・補遺などを付け加える」
depend=「de」(下方に)+「pend」->(下の方に垂れ下がる)->「~に頼る、依存する」
名詞形にすると、dependence(依存)
independence=「in」(否定)+「dependence」->「独立」
Independence Day=独立記念日(アメリカ)

suspend=「sus(sub)」(下に)+「pend」->「(権利・法の効力・機能などを)一時停止にする、延期する」
suspense=「(結果がどうなるか分からないで)不安」
suspension=「宙ぶらりん状態」「未決定」「(自動車の)サスペンション」
pendingは「(物事の)決着がつかない状態の」

・pending dangers:差し迫った危険
・pending financial crisis:差し迫った財政危機



≪読んでね≫
 他にも、impend=「im」(上に)+「pend」->上に差し迫った->「(危険などが)差し迫る」。perpend=「ぐずぐず考える」などがあります。
 [pend」でも「spend」という場合もあります。spendは「金を使う」という意味です。expendも同じ語源で、expend=「ex」(外へ)+「pend」(重さをはかる)->(測り分ける、金を支払う)->「(労力・時間・金銭などを)使い果たす」という意味になります。compensate=com(一緒に)+「pens」(重さを量る)+「ate」(動詞語尾)->(一緒に重さを量る)->釣り合わせる->「(損害などの)賠償をする」となります。



peteは「求める」

 現在は競争社会です。多くの人が競争にさらされています。競争者は「コンペチター」と言います(competitor)。「競争する」は、「compete」です。「pete」は「競争する」という意味です。


≪覚えてね≫
compete=「com」(一緒に)+「pete」(求める)=「競争する」
appetite=「ap」(~を)+「petite」(探し求める)=「食欲」
petition=「peti」(探し求める->懇願する)+「tion」=「(政府・当局などへ~を求める、反対する)嘆願書」
repeat=「re」(反復)+「peat」(求める、行く)=「繰り返す」



≪読んでね≫
 perpetual=「per」(~を通り抜けて)+「petu」(行く)+「al」->(乗り越えて進んでいく性質を持った)->「絶え間のない」「永続の」。



pleteは「満たす」

 「コンプリート」は「完全に揃っている」という意味です。英語では、「complete」とつづります。このcompleteは「com」+「plete」と分解することができます。このうち「plete」は「満たす」という意味を持っています。「全部そろっている」は、他の言葉で言えば「whole」で、これに、「質の面でも申し分ない」という意味が追加されると、「perfect」となります。


≪覚えてね≫
complete=「com」(強意)+「plete」(満たす)=「全部の」
complement=comple(=complete)+「ment」=「補完物」
compliment=compli(complete)+「ment」=「~についての賛辞」
deplete=「de」(下降)+「plete」(満たす)->「減少させる」
accomplish=「ac」(強意)+「complish」(complete)->(すっかり満たす)->「完成させる」
implement=「im」(中を)+「ple(te)」+「ment」=「(動力などを使わないやや大きめの)道具」
comply(=complete)->(完全に満たす)「(要求・命令・規則などに)従う」
supply=「sup」(十分に)+「ply(->plete)」(満たす)=「(足りないものを)供給する」



≪注意してね≫
 「implicate」、「complicate」、「multiply」、「apply」、「reply」の「pli」や「ply」は「折りたたむ」の意味ですので注意してください。



plexは「織られた」

 日本語では「コンプレックス」という言葉は、「複合的な何かを」表す場合に、非常によく使われます。たとえば、企業の生産性の向上を目的として、原料・燃料・工場施設などを計画的・有機的に結び付けた企業集団のことを「industrial complex」(コンビナート、工業団地)と言います。また、「劣等感」(inferiority complex)、「優越感」(superiority complex)などもよく使う言葉です。このcomplexという語の中には、「plex」という語根が使われています。これは「織られた」という意味を持っています。「plex」を使った語は、通信でもよく利用します。例えば、「duplex」や「multiplex」などです。「duplex」は二重(双方向)通信方式のことです。これには、半二重(half-duplex)と全二重(full-duplex)があります。また、多重通信(送信)のことを「multiplex」と言います。複数の周波数を1つの回線に束ねて送信する多重化ネットワークの技術を周波数分割多重化(Frequency-division multiplex)と言います。


≪覚えてね≫
complex=「com」(一緒に)+「plex」(織られた)=「(密接に関連した)多くの部分からなる」「複雑な」
perplex=「per」(完全に)+「plex」=「(人を難問などで)当惑させる」「問題などを複雑にする」
persecution complex=「被害妄想」
petrochemical complex=「石油コンビナート」。



≪読んでね≫
 plexは「折りたたむ」の意味もあります。duplex=「due」(2つ)+「plex」(折りたたむ)=「2倍の」。multiplex=「多重通信」。simplex=「単純な」。metroplex=「metro」+「plex」=「大(復号)都市圏」。triplex=「3倍の」



ply(ple)は「折りたたむ」

 「シンプル」は完全に日本語化していますが、「単純な」「簡単な」という意味になります。英語では「simple」で「sim」(1つの)+「ple」(折る、重ねる)というように分解することができます。この「ple」は「折る」という意味です。「ply」も「折る」という意味になります。ただし、「ple」や「ply」は他の意味の場合も非常に多いので注意しなくてはなりません。


≪覚えてね≫
apply=「ap」(~に)+「ply」(折りたたむ、当てる、付ける)->「人に(法規などを)適用する」
complicate=「com」(一緒に)+「plic」(重ねる)+「ate」=「~を理解しにくくする」
duplicate=「du」(2つ)+「plic」(重ねる)+「ate」=「他のものと全く同じの、コピーの」
imply=「im」(中に)+「ply」(包み込む)=「~であることを暗に意味する、含意する」
implicitはimply(ラテン語はimplicare)の過去分詞に相当する語で、「(信念・服従などが)絶対的な、信じて疑わない」「(同意・脅迫などが)暗黙の、それとなしの」
multiply=「multi」(多くに)+「ply」(たたむ)->「(危険・富など)をどんどん増やす」
multiple=「multi」+「ple」(重なりの)=「複合的な」
reply=「re」(し戻す)+「ply」(折りたたむ)->(折りたたんで戻す)->「よく考えて返事をする」
double=「dou」(2)+「ble」(=ple)->(二重に重ねた)->「2倍の」
triple=「tri」(3)+「ple」=「3倍の」
simple=「sim」(1つの)+「ple」(折り、重ね)=「単純な」
supple=「sup」(sub=下に)+「ple」(折りたたむ)=「跪いて嘆願する」
supplicate=「嘆願する」
supply=「sup」(十分に)+「ply」(満たす)=「供給する」

「ploy」も「重ねる、結びつける」という意味になります。
employ=「em」(中に)+「ploy」->(仕事の中に結び付ける)->「雇う」。



≪読んでね≫
 rimple=「しわを寄せる、折り目を付ける」。rumple=(rimpleからの変形)。


≪注意してね≫
 「ple」「ply」でも、「折る」という意味でない場合も多くあります。例えば、「p」で終わっている語に副詞語尾の「ly」がついている場合があります。例えば、「deeply」や「sharply」などがその例です。多分これらについては、間違うことはないでしょう。

 「p」で終わっている語に、動作の反復を表す「le」がついている場合があります。例としては、crimple=「crimp」(ひだ、折り目)+「le」(繰り返し)=「ちぢらせる」。crumple=「crump」(丸まる)+「le」(動作の反復)=「しわくちゃにする」。ripple=「rip」(引き裂く)+「le」->(矢継ぎ早に引き裂く)->(矢継ぎ早に引き裂く様が、さざ波に似ているところから)->「さざ波」。stipple(※オランダ語のstippelen(stippen))=「stip」(小斑点)+「le」(反復する)->「点描する」。「topple」=「top」(頂上に上る)+「le」(反復を表す)=「ぐらつく、よろけて倒れる」。「trample」=「tramp」(踏みつける)+「le」(反復を表す)->「踏みつける」などがあります。

 指小辞としての「le」が付いている「dimple」=「dimp(deepの鼻音化)」+「le」(指小辞)->(ちょっとしたくぼみ)->「えくぼ」。「steeple」=「steep」(急斜面)+「le」(指小辞)->「教会などの)尖塔(せんとう)」などがあります。

 それから、「manciple」、「participle」などの類推から「le」を付けている「principle」などがあります。更に、「example」、「sample」などの「ample」(取る)から作られている語もあります。その他には、「people」、「purple」、「temple」、「couple」、「cripple」、「disciple」などがあります。



portは元々は「水路」で、ここから「港」や「運ぶ」が派生


 「port」は元々は「水路」で、水路で運ぶことから「運ぶ」や、「港」という意味が出てきています。港から「入口」や「門」のような意味も出てきます。インターネットのWebページでは「portal」サイトなどというものもあります。これは、いろいろのWebサイトへの入り口(玄関)のような役割を果たしているサイトのことです。


≪覚えてね≫
portから出来ている単語でよく使われるものには、export、import、report、support、transport、airport、porter、portable、opportunityなどがあります。

export=「ex」(外へ)+「port」(運ぶ)=「輸出する」
import=「im」(中に)+「port」->「輸入する」⇒輸入しなくてはならないほどのものは、重要な(important)もの
report=「re」(後ろに)+「port」で「(ニュースなどを)呼び戻す」->「報告書」、あるいは「報告する」
support=「sup」(~の方へ)+「port」=「(人・物が倒れないように)支える」
transport=「trans」(越えて、別の場所へ)+「port」=「(人・車などを)(大量に)別の場所へ輸送する」

airport=空港です。
空港には「荷物の運搬をする人」(porter)がたくさん働いています。
「持ち運びに便利な」という形容詞が「portable」です。

opportunityは「(重要なことをする)機会」という意味ですが、opportunityはopportune+ityでopportune=「op」(~に向かって)+「portune」(港)->港に向かって風が吹く->「好都合な」となります。

rapport=「re」+「ap」(~に)+「port」(運ぶ)->(持ち帰る)->「(お互いに理解し合った)親密な関係」「(心が通じ合った)信頼関係」



≪読んでね≫
 deport=「de」(分離)+「port」->「(政府が)(外国人・囚人などを)(強制的に)国外追放する」となります。purport=「pur」(前へ)+「port」->「(発言・文書などの)趣旨」です。passport=「pass」(通過)+「port」(港)->「旅券、パスポート」です。sport=「dis」(離れて)+「port」->(気持ちを別のところに運び去る)->「スポーツ」(fishingやhuntingなどの勝敗を争わないものを含みます)(※先頭の「di」は消滅)です。teleport=「tele」(遠くに)+「port」->「(超心理学)物を念力で動かす」、「通信衛星と結ぶ地上通信センター」などの意味になります。

 江戸時代は文化や経済の中心が関西でした。そして、天子様(天皇)のいる京都が日本の中心とみられていました。従って京都に行くのは「上る」で、京都から地方に行くのは「下る」ということになります。文化や経済の中心であった関西地方では上質なものができますので、上質なものは地方に下っていきます。これを「くだりもの」といったようです。しかし、京・大阪以外の地方(江戸を含めて)で生産されたものは、下りようがありません。また、地方で出来たものは粗悪品が多かったので、「くだらない」もの=「粗悪品」となったようです。つまり、くだりものは「上質なもの」、くだらないものは「上質ではないもの」ということになります。これは、importantと同じ考え方です。上質なものは、輸入され、上質でないものは輸入されないということです。輸入されるような上質なものは「重要な」ものということになります。

※もちろん、関西地方でも粗悪品は生産されたでしょう。そのような「粗悪品」は、下ることができません。これが、くだらないの語源だという説もあるでしょう。あるいは、昔は文化の進んでいた「百済」が関係しているという説もあるようです。しかし、このページはimpotantという言葉の意味を読者の記憶に刻み込むことが主な目的で、「くだらない」の語源を探すことではありませんので、この位にしておきます。

※ただし、これは地産地消が基本であった時代のことです。importantという言葉ができた時代は、そうだったといっていいと思います。今のグローバル経済の時代には、「下らない」ものでも、安ければimportされますので、今の時代に言葉を作るとするとimpotant=「重要な」とはならなかったかも知れません。



poseは「置く」

 写真を撮るために「ポーズ」(pose)をとるという言葉がありますが、これは写真写りがいいように「姿勢」を決めることです。この「pose」は「位置を決める」とか「置く」という意味があり、様々な重要単語の元になっています。


≪覚えてね≫
poseを使った語には、compose、dispose、expose、impose、interpose、oppose、propose、purpose、supposeなどがあります。

compose=「com」(一緒に)+「pose」=「組み立てる」
conponent=「con」一緒に)+「pos」(->pon)(置く)+「ent」(状態を表す形容詞語尾)=「構成している」
dispose=「dis」(分離して)+「pose」=「(人や物)を(適切な位置に)配置する」
expose=「ex」(外へ)+「pose」=「外に置く、(人や物)を(風雨・危険・批評など)に晒す」
impose=「im」(上に)+「pose」(置く)=「(人に)(義務・仕事・罰金・税)などを課す」
interpose=「inter」(間に)+「pose」->(間に置く)->「挿入する」「意義を差し挟む」
oppose=「op」(反対に)+「pose」=「反対する」
propose=「pro」(前に)+「pose」=「(積極的に)提案する」
purpose=「pur」(前に)+「pose」=「目的、意図」
suppose=「sup(sub)」(下に)+「pose」->(問題・話題などを討論の下に置く)->「~だと思う」



pressは「押し付ける」

 「press」は「しっかりと押し付ける」という意味です。名詞として使えば「圧縮」という意味になりますが、「活字を押し付け」れば、「印刷」となります。ここから、「新聞」や、「雑誌」、「定期刊行物」などの意味も出てきます。さらに、「報道機関」、「報道記者」などの意味も出てきます。


≪覚えてね≫
impress=「im」(上に)+「press」->「(人に)感銘を与える」
compress=「com」(強意)+「press」=「(空気・ガスなどを)圧縮する」
depress=「de」(下に)+「press」->「意気消沈させる」
express=「ex」(外へ)+「press」->(中にあるものを外に押し出す)->「表現する」
oppress=「op」(~に向かって)+「press」->「(不当に、残酷に)押し付ける、服従させる」
suppress=「sup(sub)」(下へ)+「press」->「(政府・人などが)(反乱・暴動などを)鎮圧する、抑圧する」



≪読んでね≫
 expressは「(至急便で、速達便で)手紙を送る」という意味もあり、ここから名詞として「特急」という意味も出てきます。empressはemperor(皇帝)の女性形のemper(or)+「ess」で、「押し付ける」の「press」とは関係ありません。



prove(probe)は「調べる」

 医科とか歯科で使用する探り針を「プローブ」(probe)と言います。あるいは「ゾンデ」(sonde:ドイツ語から)という場合もあります。また、宇宙探査で、探査対象に接触あるいは進入などをする無人の子機を「プローブ」ということもあります。「probe」は「調べる」という意味です。また、綴りが「prove」となることもあります。


≪覚えてね≫
prove=「証明する」
approve=「ap」(~に対して)+「prove」->(~に対してその良さを証明する)->「賛成する」
disapprove=「dis」+「approve」=「否決する」
reprove=「re」(反対して)+「prove」=「叱る」
probe(=prove)=「調べる」
probable=「prob」(証明する)+「able」=「ありそうな、ほとんど確実な」
proof=proveの名詞形



puteは「計算する」

 コンピュータ(computer)は電子計算機などと呼ばれます。つまり、計算する機械です。「computer」は「compute」+[er」で、「pute」は「計算する」を意味します。


≪覚えてね≫
compute=「com」(~と一緒に)+「pute」=「計算する」
computer=「compute」+「er」->(計算する機械)->「計算機」
dispute=「dis」(反対)+「pute」(考える)->(反対した考え方をする)->「討論する」「議論する」(->discuss)
repute=「re」(反復)+「pute」=「評判」(=reputation)




≪読んでね≫
 他にもdepute=「de」(強意+「pute」=->(適任・不適任をしっかり考える)->(適任者を任命する)->「代理人に任命する」。impute=「im」(~の中に)+「pute」->(罪などを考慮する)->「失敗などを人のせいにする」などがあります。



quire(quest)は「求める」

 皆さんが中学1年で英語を学び始めると直ぐに出会う記号が「?」ですね。これは、ご存知の「クエスチョンマーク」で、英語では「question mark」です。「question」は「quest」+「ion」で、「quest」は「質問する」とか、「探し求める」という意味です。ラジオ番組などへの要望は「request」ですね。「quire」も同じような語源の語根で、「求める」という意味です。


≪覚えてね≫
acquire=「ac」(~を)+「quire」(探し求める)=「(評判などを)長期間努力して得る」「取得する」
inquire=「in」+「quire」=「尋ねる」
require=「re」+「quire」=「要求する」
quest(query<-質問)=「探し求めること、探索」(※DRAGON QUEST)
question=「quest」+「ion」=「質問」
conquest=「con」+「quest」=「制服」
request=「re」+「quest」=「頼む」
requisite=「re」+「quisite」=「必要な」
exquisite=「ex」+「quisite」=「この上なく素晴らしい」
acquisition=「取得」
conquer=「征服する」







rectは「まっすぐに導く」

 正しいということを「コレクト」(correct)と言いますが、このcorrectは「cor」+「rect」と分解することができます。「rect」は「まっすぐに導く」という意味があります。「cor」は「一緒に」ですから、「欠点がなく正しい」という意味になります。


≪覚えてね≫
correct=「cor」(一緒に)+「rect」(まっすぐに導く)=「(誤り・欠点がなく)正しい」
direct=「di」(分離)+「rect」->(まっすぐに導く)->「指導する」「直接の」
erect=「e」(外へ)+「rect」->(内部から外へ導かれた)->(まっすぐに建てる)->「(姿勢などが)直立した」
rectangle=「rect」+「angle」(角)=「長方形」



≪読んでね≫
 rectify=「rect」+「ify」=「訂正する」。rectitude=「正直、清廉」。rectum=「直腸」。rectus=「直筋」



ruptは「破壊する」

 破産のことを「bankrupt」といいます。「bank」は「長椅子や、テーブル」を意味します。ここから、「両替屋のテーブル」や「店」という意味が派生しました。「bankrupt」は「bank」+「rupt」と分解することができます。「rupt」は「壊す」という意味があります。支払い不能になった金融業者の台が壊されたというのが語源となっています。


≪覚えてね≫
abrupt=「ab」(~から離れる)+「rupt」(破れた)->(突然破裂した)->「急な、不意の」
corrupt=「cor」(一緒に)+「rupt」(壊れる、折れる)=「(道徳的に)堕落した」
disrupt=「dis」(分離)+「rupt」=「分裂させる、崩壊させる」
erupt=「e」(外へ)+「rupt」=「(火山などが)爆発する」
interrupt=「inter」(~の間)+「rupt」->(間に入って破壊する)->「(人の仕事の)邪魔をする、(人の話の)腰を折る」
irrupt=「ir」(中に)+「rupt」->「侵入する」
rupture=「rupt」+「ure」=「破壊」



scribeは「書く」

 ADSLは「非対称デジタル加入者線」で、英語では「Asymmetric Digital Subscriber Line」です。「subscriber」は契約者です。subscriber=「subscribe」+「er」(人)で、「subscribe」は「契約する」という意味になります。


≪覚えてね≫
ascribe=「a」(~へ)+「scribe」->(~へ書いて・・・のせいにする)->「(原因を)・・・に帰する」
describe=「de」(下へ)+「scribe」(書く)->(書き留める)->「描写する」
inscribe=「in」(中へ)+「scribe」=「(名前・文字などを)(石や金属板、紙などに)記入する、刻む」
prescribe=「pre」(前もって)+「scribe」=「(当局などが)(人に)><規則などを>指示する、命令する」
subscribe=「sub」(下に)+「書く」=「(寄付帳に書き込む?)->寄付する」「署名する」



≪読んでね≫
 circumscribe=「circum」(周囲に)+「scribe」->(周囲に線を引く)->「制限する」。conscribe=「制限する」。proscribe=「(危険・有害だとして)法律で禁止する」。superscribe=「super」+「scribe」=「上段に書く」。transcribe=「trans」(~の向こう側に)+「scribe」=「書き写す」。



secu(sequ、su)は「続く」

 コンピュータの処理ではシーケンシャル(sequential)という言葉がよく使われます。これは、情報の世界では、データを並んでいる順に連続的に処理することを言います。例えば、磁気テープに書かれているデータを読む場合にはシーケンシャルにしなくてはなりません。「sequential」という言葉は、「sequence」という名詞の形容詞形です。sequenceは「sequ」+「ence」と分解でき、「ence」は名詞語尾で、語根の「sequ」は「後について来る」という意味になります。


≪覚えてね≫
sequence=「sequ」(後に続いて来る)+「ence」(名詞語尾)=「続いて起こること」「連続」
sequent=「sequ」+「ent」(形容詞語尾)=「続いて起こる」
consequent=「con」(一緒に)+「sequent」=「結果として起こる」「当然の」
subsequent=「sub」(副、従)+「sequent」=「続いて起こる」

「sequ」が「secu」と変形することもあります。
consecution=「con」+「secu」+「tion」(名詞語尾)=「(出来事などの)連続」「連鎖」
persecute=「per」(徹底的に)+「secute」(後を追う、追跡する)=「迫害する」
prosecute=「pro」(前方へ)+「secute」=「(研究・調査などを)遂行する」「(罪人などを)起訴する」(※prosecutorは検察官)

「ex」が接頭辞として付くときは、「s」が「x」に吸収されます(「x」の中に「s」の音が入っている)。
execute=「ex」(外へ)+「secute」=->(外までついていく)->(最後までやる)->「実行する」
executive=「ex」+「secute」+「ive」=「(組織などで意思決定をする)幹部」

「sequ」(secu)は「sue」に変形することもあります。
sue=「訴える」
pursue=「pur」(前方へ)+「sue」(ついていく、追跡する)=「追跡する」

これが名詞になると、pursuit=「追跡」と、「suit」となります。何と、洋服などの「スーツ」も「追いかける」に関係しています。(前後が続くように適合させる)->(上着と、ズボンをよく似合うように合わせる(適合性を追求しているわけですね)->「一揃いの衣服」。上下がぴったり合っていると、似合うということになります。

suitable=「suit」(適する)+「able」=「~するにふさわしい」

secondは「1」に続く「2」を表します。



serveは「保つ」

 「serve」から出来ている言葉は、「サービス」(service)、「サーバ」(server)、「コンサーバァティブ」(conservative)などがあります。「サービス」「service」や「サーバ」(server)は「serve」から来ています。「serve」は「人に仕える」という意味のラテン語が元になっています。ここから、deserveやdessertなどが生まれています。「コンサーバァティブ」(conservative)は「保守的な」という意味です。conservative=「conserve」+「tive」と分解されます。conserveは「con」+「serve」(保つ)となります。


≪覚えてね≫
conserve=「con」(一緒に)+「serve」(保つ)=「保存する」
preserve=「pre」(前もって)+「serve」(保つ)=「保持する」「保護する」reserve=「re」(後ろに)+「serve」=「取っておく」
observe=「ob」(~に向かって)+「serve」(観察の目を保つ、ずっと観察する)=「観察する」



≪注意してね≫
 「serve」には「仕える」という意味もあります。service=「serv」+「ice」=「サービス業務」。server=「serve」+「re」=「奉仕する人」「(コンピュータ)ネットワークで特定の情報・サービスを提供する側の機器」。deserve=「de」(完全に)+「serve」(奉仕する)-.>「(賞賛・注目などに)値する」。



sideは「座る」

 大統領は「プレシデント」(president)といいます。これは「preside」という語から出来ていて、presideは「pre」+「side」と分解できます。この「side」は「座る」という意味です。従って、「人の前に座る」という意味から、「議長を務める」とか「統括する」という意味になります。


≪覚えてね≫
preside=「pre」(前に)+「side」(座る)->(前に座る)->「議長を務める」「統括する」「最高の位置を占める」
president=「pre」+「side」+「ent」->(人の前に座る人)->(統括する人)->「大統領」
reside=「re」(後ろに)+「side」->(後ろに座る)->「住む、居住する」
resident=「re」+「side」+「ent」=「居住者」
subside=「sub」(下に)+「side」=「平常の状態に戻る」
subsidy=「sub」+「sid」+「y」=「補助金」
subsidize=「subsid(y)」+「ize」=「補助金を支給する」
subsidiary=「補助金の」



≪読んでね≫
 「side」は「座る」ではなく、「側」という意味もあります。実は、「side」を「側」という意味で使っている単語の方が圧倒的に多くあります。いちいち上げればきりがないのですが、代表的なものだけ上げると、「aside」、「beside」、「frontside」、「inside」、「offside」、「outside」、「reverside」、「roadside」などがあります。



signは「印をつける」

 「デザイン」(design)や「サイン」(sign)には「sign」という語根が使われています。この「sign」は「印をつける」という意味があります。デザインも最初は「印をつける」程度だったのでしょうね。


≪覚えてね≫
sign->(印をつける)->「符号、記号」「表れ」
signal=「sign」+「al」->(信号の)->「信号」
signalize=「signal」+「ise」->「目立たせる」「~するように合図する」
signify=「sign」+「ify」(~にする)->「(合図・言動で)示す」
signature=「signat」(署名する<-sign)+「ure」(名詞語尾)=「署名」
significance=「signific」(意味のある)+「ant」(~の性質のある)->(意味ありげな)->「重要な」
significance=「signific」+「ance」(名詞語尾)=「意義」「重要性」
assign=「as」(~に)+「sign」=「(物・事を)割り当てる」
resign=「re」(否定)+「sign」=「(地位・職などを)(通例途中で)辞職する」
design=「de」(下に)+sign(印をつける)->(下地を描く)->「デザインする」「設計する」「デザイン、図案」
designate=「de」(強意)+「sign」+「ate」->(目立つように印をつける)->「(事・物・場所・地位などを)示す」



≪読んでね≫
 cosign=「co」(一緒に)+「sign」->「連帯保証人する」。preassign=「pre」+「assign」=「前もって割り当てる」。predesign=「pre」+「design」=「前もって設計する」。redesign=「re」+「design」=再設計する。



sistは「立つ」

 「sess」は「座る」ですが、「sist」は「立つ」です。


≪覚えてね≫
「sist」から出来ている頻出単語には、assist、consist、exist、insist、persist、resistなどがあります。

assist=「as」(~に)+「sist」->「(人を)補助的に助ける」
consist=「con」(共に)+「sist」->「~から成り立つ」
exist=「ex」(外へ)+「sist」->(外に出て立つ)->「存在する」
insist=「in」(中に)+「sist」->(固執する)->「強く要求する、強調する、(どうしてもと)言い張る」
persist=「per」(一貫して)+「sist」->(一貫して立ち続ける)->「固執する、辛抱強く~し続ける」
resist=「re」(逆らって)+「sist」=「抵抗する」



≪読んでね≫
 使用頻度はあまり高くはありませんが、desist、subsistなんていう単語もあります。desist=「de」(否定)+「sist」->(立つのを止める)->「~するのを止める、思いとどまる」。subsist=「sub」(下に)+「sist」->(あるものの下に立つ)->(停止する)->(とどまる)->「生存する、生き残る(survive)」。


≪注意してね≫
 「s」で終わっている単語に、「~する人」という意味の名詞語尾「-ist」が付くと、sistというつながりができてしまいますが、これは「sist」=「立つ」とは違いますので、注意してください。例えば、「class」(等級)に「-ist」が付くと、「classist」(階級主義者、差別主義者)となります。この他に、「contrabass」に「-ist」を付けて、「contrabassist」などがあります。また、「fantasy」(空想)に「-ist」を付ける際に、「y」が落とされて、「fantasist」(空想家)となる場合もあります。



spectは「見る」

 「spect」は「見る」という意味です。警察小説などでよく出てくる「inspector」(米では「警視正」、英では「警部補」)には「spect」が入っています。inspect=「in」(中を)+「spect」->(中を見る)->「調査する」となり、人を表す語尾である「or」が付いて、「調査する人」になります。名刺を表す名詞語尾(ion)が付くと、inspectionで「調査」となります。

 specは「special」のように「特別の」という場合もあります。これは、ラテン語のspeciesから派生したspecialisがフランス語のespecialを経て、中期英語に入ってきたものです。ラテン語のspeciesは「種類、見た目」を表しますが、これを更に辿ると、ラテン語のspecereにまで辿り着きます。この「specere」は「to look at」という意味ですので、見るという意味の語根と、特別のという語根は全く元が同じだということが分かります。


≪覚えてね≫
「spect」を語根として使っている単語はいろいろあります。

expect=「ex」(外を)+「spect」->(何かを求めて)外を見る->「予測する、期待する」
inspect=「in」(中を)+「spect」->「調査する」
prospect=「pro」(前を)+「spect」->「(成功などの)可能性」
respect=「re」(振り返って)+「spect」->(人としての価値を認める)->「尊敬する」
spectator=「spectat」(じっと見る)+「or」(人)->「見物人」
suspect=「sus」(<-sub、下から)+「spect」->(下から疑いを持って見上げる)->「怪しいと思う」
suspicion=「suspic」(suspect)+「ion」=「疑い」
spectacle=「spect」+「acle」=「見世物、スペクタクル」。これは、映画の宣伝などでよく使われています。
perspective->(光学の芸術)->「遠近画法」「遠近画」
speculate=「specu」+「late」->(よく見る、調査する)->「投機する」

特別なという意味では、・・・
special=「特別の」
speciality=「専門」
specialist=「専門家」
specialize=「special」+「ize」=「専門にする」「研究する」
species->(形、外観、種、種類)->「種」「人類」「形式」
specific=「speci(es)」+「fic」->(明確な外観にする)->「明確にする」
specious=「speci」+「ous」=「もっともらしい」
specify=「specific」+「ify」=「明細に記述する」
especial=「e」+「speci」(種)+「al」=「特別の」
especially=「e」+「speci」+「ally」=「特別に」



≪読んでね≫
 「spectacle」の形容詞形が「spectacular」(壮観な)です。「spect」が付いた単語を調べてみると、いろいろの単語が出てきます。aspect=「a」(~を)+「spect」->(外観上の特徴を見る)->「外観」。circumspect=「circum」(周囲の)+「spect」->(周囲を見る)->「用心深い」。introspect=[intro」+「spect」=「内省する、反省する」。retrospect=「retro」(さかのぼって)+「spect」=「回想」。speculate->(観察した、調査した)->「思惑買いをする、投機する」。spy(スパイ)も同じ語源の単語のようです。despise=「de」(悪意)+「spise」(->spy)=「見下す」。conspicuous=「con」(強意)+「spicu」(見える)+「ous」=「人目を引く」。specimen=「speci」+「men」=「標本」。specter(亡霊)、spectral(幽霊のような)->(ぼんやりした)->(物理・光学)「スペクトルの」(spectral line=スペクトル線)、spectroscope(分光器)、spectrum(スペクトル)なんていう単語もあります。



spireは「息をする」

 スピリット(spirit)という言葉は既に日本語化してると言っていいかもしれません。このスピリットという言葉は「精神」や「心」という意味で使われますが、元々は「spire」(息をする:ラテン語のspiritus)から来ています。「呼吸」->「貴重なもの」->「生命、勇気」->「精神」となります。


≪覚えてね≫
日本語としてよく使うのは「インスピレーション(絵画・音楽・文学における)霊感」(inspiration)ではないでしょうか。
inspiration=「inspire」(息をする)+「ation」
conspire=「con」(一緒に)+「spire」->(一緒に息をする)->「共謀する」
aspire=「a」(~に向かって)+「spire」->(心が弾む)->「(人・物・事を)熱望する」

perspire=「per」(~を通して)+「spire」->(皮膚を通して呼吸する)->「汗をかく」となり、名詞形はperspirationとなります。発明王エジソンは、このinspirationとperspirationという言葉を使って、次のような有名な言葉を残しています。"Genius is one percent inspiration, ninety-nine percent perspiration." 日本語にすると、「天才とは1パーセントのひらめきと、99パーセントの努力である」ということでしょうか。



≪読んでね≫
 これ以外には、respire=「re」+「spire」=「一息入れる」。suspire=「su」+「spire」=「ため息をつく」。transpire=「tran」(貫いて)+「spire」=「(植物・体など)が(水分を)発散する」などがあります。



spondは「約束する」「保証する」

 コンピュータやインターネットでは、「レスポンス」という言葉をよく使います。英語では「response」と書きます。このレスポンスは「返事」のことで、「respond」という動詞の名詞に当たります。respondは「re」+「spond」で、「spond」は「約束する」という意味です。


≪覚えてね≫
sponsor=「spons」(約束する->保証する)+「or」(~する人)=「保証人」(※sponsion=「保証人になること」)
respond=「re」(~し返す)+「spond」(約束する)=「~に答える」「応答する」
response=「応答」
responsible=「response」+「ible」->(責任をもって応答する)->「責任のある」
correspond=「cor」(共に)+「re」+「spond」=「応答し合う」=「一致する」
correspondence=「correspond」+「ence」=「一致すること」
correspondent=「correspond」+「ent」=「文通する人」「新聞・雑誌・テレビなどの)通信者(->reporter)」
despond=「de」(離れる)+「spond」(約束)->(約束が離れていく)->「失望する」



staは「立つ」

 「sta」(=stand)は「立つ」という意味です。「distant」(遠い)、「constant」(不変の)などの単語も「sta」から出来ています。


≪覚えてね≫
stand=「立つ」
understand=「under」(下に立つ)+「stand」->(下に立つ)->(あることの近くにいる)->(あることについての知識を持っている)->「理解する」
withstand=「with」(逆らって)+「stand」=「(攻撃・困難・誘惑など)によく耐える」
standard=「stand」+「ard」(点、場所)=「基準、標準」

constant=「con」(強意)+「stant」(立っている)=「(状況・質などが)不変の」
distant=「dis」(離れて)+「stant」(立っている)=「遠い」
distance=「distant」+「ance」=「距離」
stance=「位置」instant=「in」(近くに)+「stant」(立つ)->「即時の」「即時」
circumstance=「circum」(周りに)+「stance」=「周囲の事情」「環境」


state=「状態」
status->「立っている状態」(=state)=「地位、身分」
estate=「e」+「state」->(状態・状況)->(財産)->「地所」
statue->(立てられたもの)->「像」
stature->(直立している姿勢)->「身長」
statute=「法令」
station=「stat」+「tion」->(立つ場所)->「駅」
stationer->(行商ではなく、一定の場所で商売をした本屋)(※「教会の近くで商売をすることを許された」というのが原義)->「文具商」
stationary=「station」+「ary」=「文房具」

stable->(立っている)->「安定した」
stage->(立っている場所が原義)->「舞台」
stay=「立っている」
static=「静止した状態の」
ecstasy=「ec」(外に)+「stansy」(置く)->(意識の外に置く)->「無我夢中」「歓喜」「恍惚」



≪注意してね≫
 「st」で終わっている語に、人を表す「ant」が付いている場合も「stant」という綴りが生まれてしまいますが、これは「立つ」という意味とは無関係ですので、注意してください。例)protestant=「protest」+「ant」。resistant=「resist」+「ant」。assistant=「assist」。contestant=「contest」+「ant」など。

 似たような語にstagnate、stagnantがあります。これは「流れがよどんでいる」というのが元々の意味です。流れがよどんでいるので、「不活発な」とか、「停滞している」という意味になります。stagflation(景気停滞)はstagnation(不景気)とinflation(物価暴騰)の合成語です。



stick(sting、stinct)は「突き刺す」

 何かを貼り付ける場合は、「糊」を使いますが、昔はチューブに入った糊を指に付けてぬっていました。指が汚れるので私は苦手だったことを覚えています。今はいいものが出ていますね。ステック糊は便利ですね。最近はテープのりもあります。ステック糊は口紅みたいにステック状になっていて、ねじ式にノリの部分を出し入れすることができます。ステック(stick)状になっているので、ステック糊なんでしょうね。でも、「stick」には粘着するという意味もあります。stickは「突き刺す」という意味と、突き刺すとき棒切れを使うところから、「棒切れ」という意味もあります。「突き刺して」くっつけるので、ノリなどで「粘着する」という意味も出てきます。sting、stinctなども同語源の言葉です。


≪覚えてね≫
stick->(刺すもの)->「棒切れ」
sticker->(突き刺す)->(突き刺して、くっつける)->「ステッカー」「ノリ付きラベル」「粘り強い人」
stingも同じように使います。
sting=「とがった武器で刺す」
distinguish=「dis」(分離)+「stingu」(突き刺す)+「ish」->(ピンを指して印をつけ、他と区別する)=「見分ける」
stinctも同様です。
distinct(※「distinguish」の過去分詞に相当する語が元になっています)=「全く異なった」
instinct=「in」(中に)+「stinct」->(心に刺す)->(強く勧める)->「衝動、本能」


・sticker price=(自動車などのメーカー表示価格)(メーカー希望小売価格)
・sticking plaster=絆創膏
・stick-in-the-mud=時代遅れな人



≪読んでね≫
 stickle=「stick」+「le」=「小さいことについてくどくど言う」(※「le」は指小辞の場合、「~する人」の場合、「反復」を表す場合があります)。sticker=「やかましい人」。sticky=「ネバネバの」。stickは「stig」となることもあります。instigate=「in」+「stig」+「ate」->(中に入ってちくちく刺す)->「けしかける」「扇動する」。stigma->(針で刺して入れ墨する)->「汚名」。stigmatic=「stigma」+「tic」=「不名誉な」。stigmatize=「stigma」+「tize」=「汚名を着せる」。

※)distinguish=「dis」+「stingu」+「ish」なのだから、extinguish=「ex」+「stingu」+「ish」かなと思ったのですが、資料を調べると、extinguish=「ex」+「tingu」(消す)+「ish」=「火などを消す」となっています。ただし、ラテン語はdistinguish -> (L) distinguere、extinguish -> (L) ex(s)tinguereなので、たぶん「extinguish」は「突き刺して消す」ということだと思います。



stituteは「組み立てる」

 「sist」と似た意味の語根に、「stitute」があります。「stitute」は「組み立てる」という意味になります。instituteは「設立する」という意味です。名詞としては、「学会、協会、(工科)大学」などの意味で使われます。このinstituteは大学の名前の中に入っていることが多いですね。代表的な大学としてはMIT(Massachusetts Institute of Technology、マサチューセッツ工科大学)でしょうか。日本の工科系大学でも、MITに倣って「institute」を使っているところが多いんじゃないでしょうか(例:東京工業大学=Tokyo Institute of Technology、千葉工業大学=Chiba Institute of Technology、金沢工業大学=Kanazawa Institute of Technology、名古屋工業大学=Nagoya Institute of Technology)。


≪覚えてね≫
「stitute」から出来ている重要単語には、constitute、institute、prostitute、substituteなどがあります。

constitute=「con」(一緒に)+「stitute」=「構成する、~の一部となる」
institute=「in」(中に)+「stitute」=(中に組み立てる)->「設立する、制定する」
prositute=「pro」(人前に)+「stitute」->(人前に売り物をおく)->「売春婦」
substitute=「sub」(副、代わりに)+「stitute」->「~の代わりに用いる」「代理人」
constituency=「con」+「stitu」(建立する)+「ency」=「選挙区」(=electric district=precinct)



≪読んでね≫
 重要単語以外では、destituteがあります。destitute=「de」(否定)+「stitute」->(建てない)->(食べ物・住居もなく)極貧の」という意味になります。



structは「建てる」

 ゴルフのインストラクタとか、パソコン教室のインストラクタという言葉はよく使うと思います。インストラクタ(instructor)とは、指導者のことです。instructは「in」(中に)+「struct」で、「建てる」という意味になります。「心の中に築く」から「教える」となります。これに、「人を表す「or」がついて、「指導者」です。


≪覚えてね≫
instruct=「in」(中に)+「struct」->(心の中に築く)->「教える」
construct=「con」(一緒に)+「struct」(積み上げる)=「(家・橋などを)建設する」
destroy=destruct(破壊する)
destruction=destruct(=destroy)+「ion」=「破壊」
obstruct=「ob」(反対して)+「struct」=「妨害する」
structure=「struct」(建てる)+「ure」(名詞語尾)=「構造」「建物」



TUV



tailは「切る」

 洋服の仕立て屋さんのことは「テーラー」(tailor)と言います。「tailor」は「tail」+「or」と分割できます。「tail」は「切る」という意味があります。


≪覚えてね≫
curtail=「cur」(縮める※フランス語courtault(縮めた)から)+「tail」(切る)->「短縮する」
detail=「de」(強意)+「tail」(切る)->(細かく切断する)->「細部」「詳細な記述」
retail=「re」(再び)+「tail」->(再び切る)->(切り売りする)->「小売する」
小売業者は「retailer」
洋服仕立て屋さんは「tailor」

 ジンなどの強い酒をベースとした食前酒をカクテル(cocktail)と言いますが、これはどういう所から来ているのでしょうか。19世紀の初め米国では尻尾を短く切られた雑種の馬のことを「雄鶏のような尻尾」ということで、cocktailと呼んでいたようです。ここからcocktail=「雑種」という意味が出てきたようです。

tainは「保つ」

 皆さんは、「コンテナ」という言葉は普通に日本語として使っているのではないでしょうか。「コンテナ」は物を入れる容器の意味で使われます。綴りは「container」で「con」+「tain」+「er」となります。「tain」は「保つ」とか、「所有する」という意味になります。他には「エンターテインメント」(entertainment)などが、日本語化している言葉として有名だと思います。entertainment=「enter」+「tain」+「ment」(名詞語尾)となります。


≪覚えてね≫
tainを使った単語にはcontain、abstain、detain、entertain、maintain、obtain、retain、sustainなどがあります。

contain=「con」(一緒に)+「tain」(保つ)->「(容器などが)(物を)含む」
abstain=「abs」(~から)+「tain」->(快楽・行楽を)離して保持する)->「慎む、控える」
detain=「de」(分離)+「tain」->(離しておく)->「引き留める、留置する」
entertain=「enter」(~の中に)+「tain」->(家の中に保つ)->(招待する)->「楽しませる、愉快な気持ちにさせる」
名詞形は、「entertainment」となります。
「人を楽しませる人、芸能人」が「entertainer」です。
maintain=「main」(手)+「tain」->(手で所有する)->「(ある状態・行為などを)維持する」

mainは「manu」の変形です。
manuは「マニュアル<-manual(手を使う、手引書)」、「マニュアル車」、「マニキュア(手の手入れ)<-manicure」などの言葉を作ります。

obtain=「ob」(~に向かって)+「tain」->(自分に向かって保持する)->「獲得する」
retain=「re」(後ろに)+「tain」->(後ろに保管する)->「保持する」
sustain=「sus(sub)」(下から)+「tain」=「(建築物を)支える」



≪読んでね≫
 「tain」=「保持する」から出来た言葉は他に、pertain=「per」(完全に)+「tain」->「(法律的に)付属物などとして~に付随する、付き物である、~にふさわしい」。substain=「sustain」+「abstain」の合成語で、「(社会の持続可能性を実現する方法として)大規模社会から自治・自足の小規模社会に戻ること」を意味します。


≪注意してね≫
 「tain」でも、「保つ」という意味ではない場合がありますので、注意してください。attain=「at」(~に)+「tain」(触る)->(~に到達する)->「(目的・望みなどを)達成する」。captain、chieftainという場合もあります。これはラテン語のcapit(頭)->(長、チーフ)から来ています。cape=岬、capital=首都なども同系の言葉です(ラテン語のcaput=「岬、頭」)。stainは「汚れ」で、もともとは「distain=汚す」の頭音が消滅したものです。destain=「(顕微鏡観察の標本)を部分的に脱色する」という意味です。tearstainは「涙がこぼれた跡」のことです。これ以外にも、地形についての言葉として、mountain=mont(山)+「ain」->「山」。fountain=「泉」(ラテン語のfontanusから)などがあります。困ったことにまだあります。「確かに!」などと相槌を打つ場合に使う「certainly」です。certainly=「certain」+「ly」となります。certainはラテン語の「certus」(ふるい分ける、分離する」がもともとの意味です。これから、ascertain=「as」(~へ)+「certain」(確かに)=「(調査・観察などで)確かめる」、certificate=「certi」(確かに)+「ficate」(~にする)=「証明書」、certify=「certi」+「fy」=「(物・事を)(文書で)証明する」などが派生します。更に、カーテン(curtain)などもあります。大変ですね。混同しないようによく理解しておいてください。



tectは「おおう」

 「プロテクト」という言葉はよく使われます。英語では「protect」と書きます。このprotectは「pro」と「tect」と分解でき、「tect」は「おおう」という意味を持っています。


≪覚えてね≫
protect=「pro」(前を)+「tect」(覆う)=「保護する」
detect=「de」(分離)+「tect」->(覆いを取り除く)->「(人の悪事とか秘密を)見抜く」



tendは「伸ばす」

 以前は旅客機の客室乗務員は、男性が「スチューワード(steward)」、女性が「スチュワーデス(stewardess)」と呼ばれていましたが、性別を問わない言い方が推奨されるようになり、日本では、最近、キャビン(cabin=「客室」)アテンダント(attendant)とかCAなどと呼ばれることが多くなっています(※この言い方は英語表現としても正しい言い方です)。しかし、英語圏では使われる頻度はあまり多くないようです。英語では標準的には、フライト(flight)アテンダント(attendant)とか、キャビン(cabin)クルー(crew)と呼ばれています。機長・副操縦士・航空機関士・航空通信士などが、コックピット(cockpit)クルー(crew)と呼ばれますが、これに対して、客室乗務員はキャビンクルーと呼ばれます。attendant=「attend」(出席する、付き添う)+「ant」->「付き添いの、出席の」となります。attend=「at」(~に)+「tend」(足を向ける、心を伸ばす)->「(入学式などに)出席する」「人に仕える、面倒を見る」となります。つまり、「tend」は「伸ばす」という意味になります。

 tendの語源はラテン語の「tendere」です。これが「tendentia」(->傾向)と変化して、英語に入ってくると、tendencyとなります。tendereの過去分詞「tensus」が初期英語に入ってきて「tense」という語が生まれました。意味は「神経がピンと張った、緊張した」ですが、元々の意味は「綱や筋肉が張った」です。これから、「tenseness」や「tension」などの言葉が生まれています。過去分詞の女性形tentaが英語に入るとtent(例:extent)となります。テント(tent)なども、綱をピンと張ることから来ています。


≪覚えてね≫
「tend」から出来ている単語はびっくりするほどたくさんあります。一緒に(con)手を伸ばし合うと、競争する(contend)することになります。強く(dis)伸ばすと、膨張する(distend)となります。外へ(ex)伸ばすと延長する(extend)となります。心を向けると世話をする(attend)ことになります。心の中に(in)伸ばすと、自分の気持ちをどこかに方向づけることになります。これは、「~するつもりである」(intend)となります。

tend=(~の方へ手を、心を伸ばす)->「傾向がある、世話をする」
tendance=「世話」
tender=「看護人」「差し出す」⇒伸びた若芽は柔らかい・・・優しい
tendency=「傾向」

contend=「con」(一緒に)+「tend」->(一緒に伸ばし合う)->(共に引っ張り合う)=「競争する」
contender=競争相手」
contention=「競争」
contentious=「議論好きの」。

distend=「dis」(強意)+「tend」(伸びる、広がる)->(どんどん広がる)->「(内部圧力によって)膨らませる」
distention(distension)=「膨張」
distensible=「膨張性の」

extend=「ex」(外に)+「tend」=「延長する」
extended=「延長した」
extender=「増量剤」
extensible=「伸縮性のある」
extensive=「広範囲の」
extension=「伸長」
extensional=「外延的な」
extent=「広さ」


attend=「at」(~に)+「tend」->「(足を)伸ばす、(心を)向ける」->(学校・儀式・会合などに)(通例義務的に)出席する
attendant=「お供」「列席者」
attendance=「付き添い」「出席」
attention=「注意」
attentive=「注意深い」


intend=「in」(~の中に)+[tend」->(の中に)手足をいっぱいに伸ばす->(中に手を伸ばす)->「意図する、~するつもりである」
intended=「故意の」
intendance=「監督」
intendant=「監督者」
superintend->(上から心を伸ばした)->「監督する」
superintendant=「監督者」


pretend=「pre」(前に)+「tend」->(人前に口実を差し出す)->「~の振りをする」
pretended=「うわべだけの」
pretender=「ふりをする人」
pretending=「うわべを飾る」
pretense(ce)=「見せかけ」
pretentious=「うぬぼれた」
pretension=「仰々しさ」


intent=「(法)~する意思」
intention=「意思」
intentional=「意図的な」

※intentとintentionを比較すると、intentの方が堅い言い方です(法律用語)。
※intentionは意思で、intensionは強さ、強度です。
※contentはcontainと同語源の言葉で、tendとは関係ありません。

tense=「(筋肉・繊維などが)ピンと張った」「(神経・感情などが)緊張した」
tensible=「引き伸ばすことができる」
tensile=「張力の」
tension=「ピンと張った状態」「緊張」
tent=「テント」
tone=「音色」tendon=「腱」Achilles tendos=「アキレス腱」

intense=「激しい」
intensive=「激しい」
intensibly=「徹底的に」
intension=「強さ」「強度」
intensify=「強める」
ntensity=「激しい」



≪読んでね≫
 portend=「por」(前方に)+「tend」->(観点を前方に伸ばしてみる)->「~の前兆となる」なんていう単語もあります。伸ばした状態はtenseとなります。「筋肉・繊維などがピンと張った状態」です。ostensible=「os」(眼前に)+「tense」+「able」->(目の前に、これ見よがしにピンと張った)->「見栄を張った」「見せかけの」。日本語でも「見栄」を「張る」と言いますが、英語でも、「tend」が使われているのは驚きですね。ostensibleの語源は、「ostendere」で意味は「見せる」です。ostentatious=「けばけばしい」。ostentation=「誇示」。

 tenderについては、複数の資料で、(伸びる)->(細くなる)->(柔らかくなる)->「優しい」としていました。


●interは「相互関係」?いや「土の中」?

 interは「in」と「ter」に分けられます。「in」は「~の中へ」で、「ter」は土地を意味します。従って、「inter」で「埋葬する」という意味になります。


≪覚えてね≫
terは土地ですから、territoryは領土(ラテン語では「territorium」は市街地周辺の土地)、territorializeは「領土にする」、territorialは「領土の」という意味になります。これ以外にも覚えておくべき単語としては、terrestrialは「地球の」、terrainは「(自然現象・軍事上から見た)地域、地形など」があります。

territory:領土
・territorialize:領土にする
・territorial:領土の
・territorial air:領空
・territorial Army:義勇軍(陸軍?)
・territorial court:準州裁判所
・territorial imperative:縄張り意識
・territorial integrity:領土保全
・territorial waters:領海
・terrestrial:地球の
・terrestrial magnetism:地磁気
・terrestrial telescope:地上望遠鏡
・terrain:(自然現象・軍事上から見た)地域、地形など

・mountainous terrain:山がちな地形



≪読んでね≫
 terraは「土」、「大地」を表します。terraceは傾斜面の大地や、河岸段丘を表します。これを建築様式に使ったのが、庭に張り出した屋根なしの舗装された空間です。フランス語から来ているのがterrasse(カフェなどのテラス)です。terracottaは建築装飾などに使う「茶褐色の素焼きの陶器」のことを指します。terraformは主にSFで使われる言葉で「(惑星を)地球と同じ環境にする」という意味になります。terraqueous = terr + aqueous(水の) = 「水陸両用の」となります。terrariumは陸生の小動物を飼育するための飼育器です。植物栽培用の球形のガラス器などもterrariumといいます。ニキビ薬などで有名なテラマイシン(terramycin)軟膏は抗生物質から作られていますが、抗生物質を生産するのは全て、土壌を住みかとする土壌微生物だそうです。つまり、元々は土(terr)から生まれた薬というような意味合いの命名なのではないかと思います。mycinという語尾もバクテリア由来の物質という意味を表しています。例えば、ストレプトマイシン(streptomycin)などがあります。terra rossa(テラロッサ)は、地中海性気候の石灰岩に生じる赤みがかった土のことです(イタリア語では「red earth」)。terrestrial guidanceは地球基準誘導(航空・宇宙工学;地球の重力・磁力を基準に飛行機・ミサイル・ロケットなどを誘導するシステム)のことです。terrestrial magnetismは地磁気、terrestrial telescopeは地球望遠鏡、extraterrestrial=extra(外の)+terrestrial->「地球圏外の」、「SFでは地球外生物」、mediterranean sea=medi+terrane(大地)+an(~の)->「陸地に囲まれた海」のこと、固有名詞の「the Mediterranean Sea」はヨーロッパ地中海のこと、terricolousは「陸生の」、犬のテリア(terrier)は「土に穴を掘る犬」です。主として、地中に生息する小動物を狩るために改良された品種です。terrigenous=terri+genousでgenは「生まれる」を意味します。従って、「陸から生まれた」という意味になります。海底の堆積物が陸源性であるときに使います。

≪注意してね≫
 ter(3)、terra(1兆)、あるいはterror(恐怖)、term(学期)由来の単語もありますので注意してください。tercentenary(300年記念)



testは「証言する」

 「テスト」は「調べる」とか「検査する」という意味ですが、これが語根として使われる場合は、「証言する」という意味で使われることが多いようです。


≪覚えてね≫
attest=「at」(~に対して)+「test」(証人である)=「証言する」
contest=「con」(一緒に)+「test」(証言する)=「競争」「論争」
protest=「pro」(人前で)+「test」->(人前で証言する)->「抗議する」「~と表明する」
testify=「test」+「ify」=「証言する」
testament=「遺言」



≪読んでね≫
 detest=「de」(非難)+「test」(証人に呼ぶ)->(悪意を持って証人に呼ぶ)->(呼びたくない)->「~を憎む」。obtest=「~するように懇願する」。



tractは「引っ張る」

 最近の日本の農業ではトラクターが大活躍して農家の人の手間を省いているようです。トラクター(tractor)はそれ自体は推進力を持たない装置をけん引する機械です。つまり、基本的な機能は「引っ張る」(tract)ということです。トラック(truck)もそうかなと思うかも知れませんが、こちらは小車輪を意味する「truckle」から来ているようです。


≪覚えてね≫
abstract=「abs」(~から離す)+「tract」->(具体的なものから引き抜いた)->「抽象的な」(※「具体的な」は「concrete」)。attract=「at」(~の方へ)+「tract」=「(人・物などが)(注意などを)引く」。これが形容詞になるとattractive=「魅力的な」。名詞になるとattraction=「呼び物」となります。

contract=「con」(一緒に)+「tract」(引き合う)=「契約する」
subcontract=「sub」+「contract」=「下請け契約をする」
distract=「dis」(分離)+「tract」=「(人・気持ち・注意などを)~からそらす」
extract=「ex」(外へ)+「tract」->(引き出す)->「引用する、抜粋する」
retract=「re」(後ろに)+「tract」=「ひっこめる」
subtract=「sub」(分割)+「tract」=「~から引く」

名詞形になるとsubtraction=「引き算」となります。



≪読んでね≫
 detract=「de」(分離)+「tract」->(引き離す)->「(注意などを)そらす」。protract=「pro」(前へ)=「(故意に、不必要に)引き延ばす」。


≪注意してね≫
 tractは「treat」となることもあります。retreat=「re」(後ろへ)+「treat」(引く)->「退却」。ただし、treatは「取り扱う」ということもありますので、注意してください。treat=「扱う」。treatment=「treat」(扱う)+「ment」=「取り扱い」。treaty=「treat」(取り扱う、論じる、協議する)+「y」(結果を表す名詞語尾)=「条約」。



vent(vene)は「来る」「行く」

 皆さんよくご存じの「アドベンチャー」は「adventure」と書きます。この「adventure」は「ad(o)」(~に)+「vent」+「ure」と分解できます。ここで使われている「vent」は「行く」とか「来る」という意味があります。


≪覚えてね≫
Advent=「ad」(~へ)+「vent」->(~へ神が来る)->「キリストの降臨」
adventure=「ad」(~に)+「vent」->(ある事が~に向かっていく)->「冒険」「予期せぬ出来事」
circumvent=「circum」(~の周囲に)+「vent」=「迂回する」
convent=「con」(一緒に)+「vent」->(一緒に行く)->「修道会」
event=「e」(外に)+「vent」=「(重要な)出来事」
invent=「in」(上に)+「vent」->(上に出てくる)->「発明する、創造する」

inventは(昔は)「~偶然見つける」という意味でも使っていたようです。
inventory=「invent」(偶然見つけた)+「ory」->(死亡後に偶然発見された財産目録)->「目録」「棚卸表」
prevent=「pre」(前に)+「vent」=「(人が~するのを)妨げる」
venture=「vent」+「ure」=「冒険」

「vent」が「vene」に変化することもあります。
convene=「con」(一緒に)+「vene」=「(会などを)招集する」
名詞形はconvention=「集会」
convenient=「con」(一緒に)+「veni」(vene)(行く)+ent->(一緒に行ける状態)->「便利な」
convenient store=「コンビニ」
conventional=「convention」+「nal」->「平凡な」
intervene=「inter」(~の間に)+「vene」(来る)->(~の間に来る)->「干渉する、不意に言葉を挟む」



≪読んでね≫
 「vent」には通気口という意味もあります。風が出たり入ったりするからでしょうか?venthole=「vent」+「hole」=「通気口」。ventiduct=「venti」+「duct」=「通気管」。ventilate=「venti」+「late」=「換気を行う」。ventilator=「換気装置」。ventilation=「換気」。conventは元々は「子供たちが勉強のためにカトリックの尼僧のところに集まったことから」修道院の意味が生まれました。従って、特に尼僧院(女子修道院)を意味します。avenue=「a」+「venue」->(あるところに来る道)->「並木道」。revenue=「re」+「venue」->(再び還流してくるお金)-.「(市や国の)歳入」


≪注意してね≫
 「vent」が付いていても「行く」や「来る」と関係ない単語もあります。「fervent」=「ferv」(沸騰している)+「ent」(性質、状態)=「熱烈な」。solvent=「solv」(支払う)+「ent」(性質、~するもの)=「支払い能力のある」。insolvent=「支払い能力のない」。nonsolvent=「支払い能力のない」。最後が「v」が終わっていて、それに「能力や、性質」を表す「ent」が付くと、「vent」になりますが、「行く」とか「来る」とは全く無関係です。



videは「見る」


 インターネットを利用するにはまず最初にISPとの間で、インターネット接続契約を結ばなくてはなりません。ISPは「internet」+「service」+「provider」(供給する)で、「インターネットサービスを提供してくれる」会社です。


≪覚えてね≫
provideは「提供する」という意味になりますが、これは語源から次のように考えることができます。

provide=「pro」(予め)+「vide」(見る)->(予め見る)->(予測して)予め与える->「準備する」「供給する」
evident=「e」(外に)+「vident」(見る)->外から見える->「明白な」
video=「vide」(re)(見る)+「o」(audioのまねで「o」を付加という説あり)
view=「見る」も語源的には全く同じです(※videもviewもラテン語のvidereが元になっています)。
interview=「inter」(相互に)+「view」=「面接する」
envyもラテン語のvidereが元になっています。
envy=「en」(~の中を)+「vy」(見る)->(中を見る)->(あるものの中を怪しんでみる)->「ねたみ」

videは「vise」にも変形します。
advise=「ad」+「vise」->「たびたび見る」->「忠告する」
revise=「re」(再び)+「vise」(見る)->「改訂する」
supervise=「super」(~の上を)+「vise」=「監督する」
vision=「vis」(見る)+「ion」(~こと、名詞語尾)
visa->(見られる記録)->「出入国査証、旅券などの裏書」
provisional=「前もって対策する」->「暫定的な」
visage=「顔つき」もvidereの過去分詞visumがフランス語を経由して英語に入ってきたものです。
envisage=「en」(中に入れる)+「visage」(顔)->(~の将来を・・・として心に描く)->「心に描く」=envision

viseが「vey」に変形することもあります。
survey=「sur」(上から)+「vey」(見る)->上から見るから->「(人・場所などを)ざーっとみる、概観する」

veyは「道=via」、「運ぶ」という意味もあります。

obvious=「ob」(~の上に)+「vi」(道=via)+「ous」->(道にいることが多い)->「目立つ」となり、convey=「con」(一緒に)+「vey」(道を進む)->「~から・・・(ひっきりなしに)運ぶ」という意味になります。

previous=「pre」(前の)+「vious」(道で)->「以前の」



≪読んでね≫
 trivial=tri(3つ)+vi(道)+al(~に特有の)はどうして「些細な」、とか「取るに足らない」意味になったのでしょうか。中世の大学では三教科(文法・論理・修辞)は下位科目で、交差点でも気楽に議論された「平凡な」ものであったから、「ごく普通の」という意味になったということです。



videには「分ける」という場合も

 ネットワークやインターネットでは分散処理という方法が採用されています。DNSによる名前解決や、ルーティングなどがその代表的な例です。これは、古代から様々な世界帝国が国家の統治のために採用してきた手法です。そこでは、「divide and conquer」(分断攻略)「devide and rule」(分割統治)が基本戦略として採用されています。「国内を分断」させること、「植民地」同士を敵対させることによって、支配者に対する反抗の力を弱めることができます。ここで、使われているdivideは「di」(分離)+「vide」(分ける)と分けることができます。


≪覚えてね≫
provideの「vide」は「見る」でしたが、「vide」には「分ける」という意味もあります。
divide=「di」(分離)+「vide」(分ける)->「区別する」、「分裂させる」となります。devise->分けるためには工夫が必要なので->「工夫する」となります。
deviceも同様で->「工夫」となります。
individual=「in」(否定)+「dividu」(分割できる)+「al」(性質)->(これ以上分割できないもの)という意味で->「個々の」となります。




view(vis、vide)は「見る」

 風景や眺めを表す言葉には「view」とか「vista」などがあります。「vision」という言葉もあります。viewはフランス語から、vistaはイタリア語から、visionはラテン語から来ています。


≪覚えてね≫
view=「眺め」
preview=「pre」+「view=「下調べ」「試写会」
interview=「inter」+「view」->(会見する)->「会見」
review=「re」(再び)+「view」=「再調査」「復習」
viewpoint=「view」+「point」=「視点」。

vision=「vis」+「ion」=「見ること」
「vista」->(見た、見たもの)->(眺め)
visit->(繰り返し見に行く)->「訪問する」
advise=「たびたび見に行く」->「忠告する」

「revise」、「evident」、「evidence」、「supervise」なども、「見る」に関係しています。



victは「勝つ」

 「ビクター」(victor)は勝利者を意味します。この語はラテン語のvincereから来ています。「vict」は「vinc」となることもあります。


≪覚えてね≫
victor=「vict」(勝利する)+「or」(~する人)=「勝利者」
victory=「victor」+「y」=「勝利」
convict=「con」(強意)+「vict」(打ち勝つ、征服する)=「(裁判所・法廷が)(人に)有罪判決を下す」
convince=「con」(完全に)+「vince」(征服する)=「確信させる」。



≪読んでね≫
 invincibleはinvincible=「in」(否定)+「vince(i)」(征服する)+「ble」(~できる)となり、「無敵の」という意味になります。世界帝国を築いたスペインには、かつて無敵艦隊と呼ばれる強力な艦隊があり、「Invincible armada」と呼ばれていました。しかし、この「Invincible armada」は、「アルマダの海戦」(Battle of Armada)でイギリスとオランダ(ネーデルランド)の連合軍によって破られてしまい、実際は「invincible」ではありませんでした。このInvincible Armada(The Invincible Armada)は、英国の歴史書の中では、揶揄的な表現として使われることが多いようです。



viveは「生きる」

 「リバイバル」は「revival」で「生き返らせること」、例えば、昔ヒットした映画を再上映することです。「サバイバル」は「survival」で「生き残ること」です。何れも「vival」という語が入っています。これは、「~vive」という語の名詞形です。


≪覚えてね≫
revive=「re」(再び)+「vive」(生きる)=「生き返る」
revival=「re」+「vival」=「生き返らせること」
vivid=「viv」(生きている)+「id」->(生き生きと)->「鮮やかな」
survive=「sur」(困難・自己・闘争などを越えて)+「vive」(生きる)->「(事故・危機・災害などを切り抜けて)生き残る」。survival=「survive」+「al」=「生き残ること」
vital=「vit」(生命)+「al」(~に関する)=「生命に関する」
vitality=「vital」+「ity」(性質・状態)=「生命力」
vitamin=「vit」(生命)+「amin」(化学物質アミン=amine)->「ビタミン」(※生命維持に必要な物質がこのアミノ酸に含まれていると考えられたための造語)。



volve(vert、verse)は「回転する」

 野球などでは守備位置を変えること、例えば今まで三塁を守っていた選手を、今年から一塁手として起用するなどという場合、「コンバート」(convert)と言ったりします。この中の「vert」は「回転する」という意味です。弾を込める銃創が回転式になっている拳銃をリボルバー式拳銃(回転式拳銃)と言いますが、綴りは「revolver」といいます。この中の「volve」も「回転」を意味します。更に宇宙を意味する「universe」の中の「verse」も「回転」とか、「向ける」の意味です。universityは宇宙のごとく、教員と学生が一体となって共同体を形成しているという意味です。


≪覚えてね≫
初めはvolve=「回転」から出来ている言葉を見ていきましょう。
evolve=「e」(外へ)+「volve」->(転がり出る)->(巻物が開く、展開する)->「(計画・論理などを)~から(徐々に)発展させる」
involve=「in」(中へ)+「volve」=「(議論・事件などに)巻き込む」
revolve=「re」(反復)+「volve」=「回転させる」
revolution=「revolu(revolve)」+「tion」=「革命」
revolt=「re」(後ろに)+「volt」=「(大勢の人が)~にそむく、反乱を起こす」

次は、「vert」を使っている例を見ていきましょう。
convert=「con」(強意)+「vert」->(ぐるぐる回る)->「転換する、変換する、改宗する」
divert=「di」(分離)+「vert」->(向きを変えて離れる)=「~をわきへそらす」

同じ語源の単語にdivorce=「di」(分離)+「vorce」(向きを変える)->(向きを変えて離れていく)->「離婚」があります。

revert=「re」(後ろに)+「vert」=「(前の状態・話題など)に戻る、病気が再発する」
「advertise」=「ad」(~に)+「vertise」=「大衆に(注意・情報を)向けるようにする」
advertisement=「広告」。

verseも「回転」を意味します。よく使われるのが「ユニバース」(universe)です。
universe=「uni」(一つに)+「verse」=「宇宙」
averse=「a」(~から)+「verse」(向きを変える、回転する)=「反対で、~を嫌って」
adverse=「ad」(~に)+「verse」(向けられた)->(逆方向に向けられた)->「~に反対の」「逆方向の」
converse=「con」(一緒に)+「verse」=->(一緒に回る)->「会話する」
controvert=「論争する」
controversy=「controvert」(controverse)+「y」=「論争」
diverse=[di」(分離)+「verse」=「異なった」
reverse=「re」(後ろに)+「verse」=「(物の)上下・左右・表裏・順序などを入れ替える、逆にする」

裏返して着ることができように裏地のデザインを考えてあるものは「reversible」です。化学などの「可逆的な」」反応なども「reversible」です。

transverse=「trans」(横切って)+「verse」=「斜めに横切った、横断の」
traverse=「tra」(横切って)+「verse」(回る、向かう)=「横切る、横断する」
aniversary=「anni」(年に)+「vers(e)」+「ary」=「毎年回ってくる」



≪読んでね≫
 使用頻度はあまり高くはありませんが、次のような単語もあります。circumvlove=「旋回させる」。convolve=「渦巻き状に巻く」。devolve=「de」(下に)+「vove」(まわる)->(下に転がり落ちる)->「(権利・権限・官職などを)委譲する」。intervolve=「互いに巻き付く」。
 「vert」から作られた単語は次の通りです。avert=「a」(から)+「vert」(回転する、向きを変える)=「(目・思考などを)そらす」。introvert=「(注意や関心を)内に向ける」。evert=「e」+「vert」=「まぶたなどを外にめくり返す」。extrovert=「extro」(外に向いた)+「vert」=「外向性の」(※introvertの逆)。invert=「in」+「vert」->(裏返しに入れる)->「逆さまにする、ひっくり返す」。pervert=「per」(破壊)+「vert」->(逆回転する)->「正道からそらす、堕落させる」。subvert=「(政府・体制を)転覆させる」
 「verse」から作られた言葉は、averse=「反対で」。inverse=「逆の」。perverse=「per」(破壊)+「verse」->(逆に回した)->「人の意見に逆らう」などとなります。

 vertex(頂点)は「上昇した物体が静止し、下向きに向きを変える点」を意味します。verticalは「頂点(vertx)」から下がる(あるいは天頂に向かって上がる)」の意味から、垂直を表すことになります。






WXYZ



wardは「見張りをする、番をする」

 現在は「キャビンアテンダント」とか「フライトアテンダント」などと呼ばれている、客室乗務員ですが、以前は「スチワーデス」とか「スチワード」などと呼ばれていました。「スチワード」は英語では、「steward」で、「ste」は「小屋」で、「ward」は「番人」です。つまり、スチワードは、「小屋の番人」、「スチワーデス」は、スチワードの女性形名詞です。


≪覚えてね≫
steward=「ste」(小屋)+「ward」=「(客船・旅客列車・旅客機の)給仕、ボーイ」
stewardess=「steward」+「ess」=「女性客室乗務員」
wardrobe=「ward」(保護する)+「robe」(衣服)->(衣服の番をしてくれるもの)->「洋服ダンス」
reward=「re」(後ろを)+「ward」(見守る)=「報酬」
award=「a」(強意)+「ward」(観察する)->(よく観察して、判定して、与える)->「(賞などを)授与する」
ward->(見張り、保護)->「(市町村の、選挙の)区」「病棟」「(刑務所の)監房」「後見人」

ware=「気を付ける」
aware=「a」(古英語の過去分詞辞)+「ware」(用心して)=「~に気が付いている」
beware=「be」(~になる)+「ware」=「~しないように用心する」
warn=「警告する、注意する」



≪読んでね≫
 以前は、女性の客室乗務員は「スチワーデス」、男性の客室乗務員は「スチワード」と呼ばれていましたが、いつのころからかCA(cabin attendant、キャビンアテンダント)と呼ばれるようになったようです。これは、性別を問わない言い方が推奨されるようになったことが原因だと思われます。米国では、「フライトアテンダント」(flight attendant)というのが、一般的なようです。
 ところで「steward」ですが、この単語は「ste」+「ward」(番人)と分解できます。この、「ste」は「stig」(古英語では豚小屋)に由来しています。つまり、元々は「豚小屋の番人」だったということになります。この言葉ができた当時は、豚は大切な財産であり、番人が必要だったということでしょう。もちろん、皮肉を込めて「お客を豚扱いしている」と言う人はいるでしょうが、あくまでこの言葉が生まれた当時は、(大切な財産である豚を扱うように)「何かを(例えばお客様を)大切に扱う人」という意味だったと答えるしかありません。


≪注意してね≫
 「ward」には「方向」という意味もあります。afterward->(後ろの方へ)->「その後」。backward=「後方へ」。forward=「前方へ」。toward=「~の方へ」。downward=「下の方へ」。upward=「上の方へ」。inward=「内側にある」。outward=「外へ向かう」。onward=「前方へ」。eastward=「東方へ」。westward=「西方へ」。awkward=「awk」(~から離れた)+「ward」(方向に)=「不器用な」。

 方向と関係ない語としては、cowardなどがあります。coward=「cow」(尾)+「ard」(大いに~する者)->(尻尾を巻いて逃げる動物)->「臆病者」






参考文献

ジーニアス英和大辞典 小西 友七、南出 康世 大修館書店
英単語記憶術  岩田 一男 光文社
英単語の力のつけ方 小川芳男 前田健三 有精堂
語源とイラストで一気に覚える英単語 清水健三 アスカ
語源耳 ホリム・ハン&松澤喜好 アスキー
連鎖式英単語事典 ホリム・ハン 三修社
英語語義語源辞典 小島義郎他 三省堂
ハンディ語源英和辞典 小川芳男編 有精堂
英語語義イメージ辞典 政村秀實 大修館書店
新ボキャビル特訓本(The English Journal 別冊) アルク

OXFORD Collocations Dictionary
LONGMAN Collocations Dictionary and Thesaurus
LONGMAN Essential Activator
英語コロケーション辞典 塚本倫久 小学館
Cassell's Latin Dictionary MACMILLAN

Eijiro Ⅳ

更新履歴

2017/05/05       作成開始日
頻繁に更新していますので、いちいち更新日は明記していません。








索  引
act
ali(alter)
apt
ceed(cede,cess)
ceive(cept)
cern
cide
cline
close
clude
cord(cor)
cracy
curr(cours)
cure
demo
dict
duc
es(est,ess)
fect(fact,feat)
fer
fess
fide
fine
flex(flect)
flict
flu
fold
form
fort
gest
gress
it
ject
lect
liter
merg
mit
mov(mob,mot)
pel(pul)
pend
pete
plete
plex
ply(ple)
port
pose
press
prove
pute
quire(quest)
rect
rupt
scribe
secu(sequ,su)
serve
side
sign
sist
spect
spire
spond
sta
stick(sting,stinct)
stitute
struct
tail
tain
tect
tend
ter
test
tract
vent(vene)
vict
vide(evident)
vide(divide)
view(vis,vide)
vive
volve(vert,verse)
ward




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