語源の探求2

語根の意味を知ろう(2)

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語源を知ると効率よく単語を脳みそにインプットできるうえ、簡単に取り出すことができるようになります。それだけではありません。未知の単語でも、語源の知識を使うことで、類推できる場合があります。ではどれ位語源の知識が必要でしょうか。多ければ多いほどいいでしょうか。単に語源と言っても、ラテン語、ギリシャ語、古英語、古イタリア語、現代イタリア語、古フランス語、現代フランス語、古スペイン語、現代スペイン語などから入ってきた言葉が山のようにあります。また、元々ラテン語だったものが、直接英語に入ってきたり、フランス語、イタリア語を経由し、若干変形してから、英語に入ってきているようなものもあります。こだわり過ぎると、単に英単語を覚えるよりも、語源の知識を覚える方が手間がかかるというようなことになってしまいます。





 語源は、語根、接頭辞、接尾辞に分類できますが、ここでは「語根の意味を知ろう(1)」に引き続いて、「語根」について書いています。「語根の意味を知ろう(1)」では、たくさんの単語の元になっている語根や、重要単語の元になっている語根を集めています。この「語根の意味を知ろう(1)」に収容しきれなかった語根を「2」に集めています。

 ここでは、どのような語根について説明すべきか迷うところですが、次のような基準で語根を選択しました。①派生語はいくつかあるが、使用頻度の高い派生語が殆どないという場合は除外しました。②派生語が殆どないもの。語源に対して、派生語が1つあるいは2つ位しかないものも除外しました。語源の意味を知るより、単語そのものの意味を直接覚えた方がいいと考えたからです。

 ②の例としては、「ease」などがあります。disease=「dis」+「ease」(安楽)->(安楽でない)->「病気」などがあります。しかし、余り重要な派生語がありません。「pand」(広げる)なども、このような例です。expand=「ex」+「pand」で、「広がる」という意味になりますが、他に重要な派生語が見当たりません。他にも、「meddle」なんかがあります。meddle=「かき混ぜる」って覚えても、そこから先があまり広がりません。



ABC



altは「高い」

 altは高いを意味します。「アルト」(alto)は女性の音域の中では最も低音域です。では「アルト」は低いという意味でしょうか?いえ、アルトは「高い」という意味です。男性の高音域は「テナー」と思っている人も多いと思いますが、その上に「counter-tenor」という音域があります。これを男性アルトといいます。男性アルトと言った場合は、アルトは一番高い音ということになります。高い音を出す楽器としては、クラリネットなどがあります。クラリネットが出す音域は4つに分かれていて、最も高い音域をアルティッシモ(altissimo)と言います。楽器にはアルトサックス(alto saxophone)なんていうのもありますね。飛行機などについている高度計はaltimeterです。altimeterが飛行機がどれくらいの高度(altitude)を飛んでいるか表示してくれます。教会の祭壇(altar)は高いところにあります。


≪覚えてね≫
altitude=「alti」(高い)+「tude」(~の状態)=「高さ」。exalt=「ex」(上に)+「alt」(高い)->(高める、持ち上げる)->「昇進させる」。exaltation=「exalt(a)」+「tion」=「昇進」




archは「一番の」「支配する」

 archは「一番の」という意味と、「支配する」という意味があります。archangel=「大天使」、archbishop=「大司教」などは、「第一の、主な」という意味で使っています。無政府主義などのanarchism=「an」+「arch」+「ism」などの「arch」は「支配」という意味で使っています。


≪覚えてね≫
anarchy=「an」(~のいない)+「archy」(指導者)=「無政府状態」。anarchist=「anarch」+「ist」=「無政府主義者」。anarchism=「anarch」+「ism」=「無政府主義」。monarch=「mono」(単独の)+「arch」(支配者)=「専制君主」。monarchy=「monarch」+「y」=「君主制」。




≪読んでね≫
 archives->(政府)->(公式記録)->「公文書」「公文書館」。archには「第一の」という意味もあります。archtype=「arch」(基本の)+「type」=「基本となる原型」「他のものの手本」。archangel=「大天使」。archbishop=「大司教」。archpriest=「主席司祭」。archipelago=「arch」(第一の)+「pelago」(海)->(第一の海)->「エーゲ海」(古代ローマ人にとってエーゲ海が第一の海だった)。Arch Enemy=「大敵」(Satanの婉曲語)。archfiend=「大魔王」。archrival=「最大のライバル」。autarchy=「aut(o)」+「archy」=「専制政治」。oligarch=「寡頭政治の独裁者(の一人)」。architect=「arch」(第一の)+「tect」(大工)=「建築家」。archtecture=「建築」。「第一の」という意味から「古い」という意味も出てきます。archaeology=「考古学」。archaic=「古風な」。Archaic smile=「古代ギリシャのアルカイク美術の彫像に見られる表情。顔の感情表現を極力抑えながら、口元にだけは微笑みの形を伴っているのが特徴」


≪注意してね≫
 archには「弓」という意味もありますが、語源的には全く異なります。arch=「弓」。archer=「弓の射手」。




artは「技術」

 artは「技術」「手わざ」という意味です。手先でうまく作ったものですので、人工品(artifact)、artificial(人造の)、器用さ(artifice)などの言葉が派生しています。また、芸術という意味もあります。art=「芸術」。artist=「芸術家」。artistic=「芸術の」。artistry=「芸術家としての手腕」。artless=「自然のままの」。arty=「芸術家気取りで」。


≪読んでね≫
 artには「2つのものをつなぐ」という意味もあります。article=「品物」「(新聞・雑誌などの)論説、記事」。articulate=「articulu」(つなぐ)+「ate」->(関係、語、音などを)つなぐ)->「音をはっきりと発音する」「関節でつなぐ」。




auct(aug)は「増大する」

 インターネットオークションはインターネット上で行う競売です。オークションに出品されたものに対して、競争で値を付けて、一番高値を付けた人が買取することができます。オークションでは買値がどんどん吊り上がっていきます。オークションは英語ではauctionと書きますが、語根の「auct」は「増大する」という意味を持っています。「aug」という語根も、「増大する」という意味があります。


≪覚えてね≫
auction=「auct」+「ion」=「競売」「せり売り」。augment=「aug」+「ment」=「増大する」「増加する」。author=「著者」「創造者」「立案者」。authority=「author」+「ity」=「権威」。authoritative=「authority」+「ative」=「権威のある」。authorize=「author(ity)」+「ize」=「権威を与える」。authorization=「author」+「ize」+「ation」=「公認」。




≪読んでね≫
 auct(aug)の元になっているラテン語はaugereで、「増える」とか「生み出す」という意味を持っています。このaugereの過去分詞auctusから派生したauctorがフランス語を経由して英語に入ってきたのがauthorで、「ことを大きくする人」「創始者」などの意味を持っています。

※augの入った言葉にinaugurate=「就任する」、がありますが、これは占いをするという意味のラテン語が元で、語源的には違っているようです。ローマ時代は、公式な行事を始めるにあたって鳥の飛び方を見て占っていたようです。inaugurate=「in」(ある人に対して)+「augur」(前兆)+「ate」->(ある人の前兆を占う)->「就任する」。

 競売は「きょうばい」と読んだり、「けいばい」と呼んだりします。ネットオークションなどの一般的な場合は、「きょうばい」を使い、法律用語としては「けいばい」を使います。ローンの支払いができなくて、裁判所で担保物件の売却処分をするのが「けいばい」です。


≪時間があったら読んでね≫
 augustは(大きくなった)->「立派な」「威厳のある」「堂々とした」となったようです。街の名前になっている場合もあります(ゴルフで有名なオーガスタ「Augusta」)し、人の名前になっている場合もあります。人の名前で有名な例は、ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥス(Augustus)ではないでしょうか。ちゃっかり、暦の中にも入り込んでいます。アウグストゥスの父親(養父※当時は有力者にはたくさんの養子がいたようです)はあの有名なシーザー(ユリウス・シーザー:英語読みでは「Julius Caesar」)でユリウス暦という暦を作りました。その際に、自分と息子の名前を、無理やりねじ込んだために、その後の9月から12月までの月の名前が2つずつずれてしまったという逸話が残っています。

 シーザの暦の逸話は少し違うようです。シーザが作ったユリウス暦は太陽暦です。ユリウス暦は1年を12か月、365日とし、4年に1度のうるう年を作り、うるう年の2月28日の後に1日(29日)を追加することにしました。今の暦とほとんど変わりません。

 ユリウス暦以前の暦は太陰暦でしたので、暦と実際の季節(あるいは現在の太陽暦)とずれてしまいます。古代ローマの暦は最初は1年10ヵ月だったようです。そして今の3月に当たる月が一年の始まりで、今の12月に該当する月が年の終わりでした。そして、年の前半にはギリシャやローマの神々の名前が、後半にはラテン語の数字に該当する名前が付けられていました。その後、1年は12か月とされ、JanuaryとFebruaryが追加されました。その後、1年の始まりはJanuaryがふさわしということになります。実際の理由はよく分かりません。戦争によるものか、それとも太陰暦によるずれを修正するためでしょうか。本当の理由はよく分かりませんが、Januaryの元になった。「Januarius」(ヤヌス神)は門や、入り口の神だから1年の始まりとしてふさわしいということになったようです。しかし、1年の始まりをJanuaryにすると、後半のラテン語の数字に基づいた名前が2つずつずれてしまいます。September=7月、October=8月、November=9月、December=10月が、それぞれ2つずつずれて、September=9月、October=10月、November=11月、December=12月ということになってしまいました。シーザーがユリウス暦を作ったときには、既に2つずつずれた状態だったようですので、シーザが無理やり自分と息子のアウグストゥスの名前を7月と8月として、強引に割り込ませたためにずれてしまったということではないようです。シーザは、7月と8月の名前を自分と息子のアウグストゥスの名前に変えてしまっただけです。

 アウグストゥスの後の皇帝も、月に自分の名前を付けようとしましたが、長続きせず、その皇帝の死後ほどなくして、元に戻され、結局、シーザとアウグストゥスの名前だけが、現在も残っています。なお、現在使われている暦は、1582年にローマカトリックの教皇グレゴリウス13世によって作られたグレゴリウス暦です。ユリウス暦とあまり変わりませんが、うるう年のルールがより細かくなっています。現在のルールはうるう年を400年に97回とするために、100で割り切れ、400では割り切れない年は平年とすることになっています。




audは「聞く」

 オーディオという言葉は殆ど日本語化していると言っていいでしょう。オーディオは「音の」とか「音声の」という意味で、英語では「audio」です。これはラテン語のaudire(聞こえる)が語源となっています。aud(聞く)という語根は、監査(audit)という言葉も作っています。会計監査官は、帳簿係に根掘り葉掘り聞きだして、記載事項の正否を判断したためだと思います。


≪覚えてね≫
audio=「音声の」。audible=「audi」+「ble」=「聞くことができる」。inaudible=「in」+「audible」=「聞き取れない」。audience=「audi」+「ence」=「聴衆」。audit=「会計監査」。



≪読んでね≫
 audiometer=「audio」+「meter」=「聴力計」。audition=「audit」+「ion」=「聴力」「試聴」(歌手・俳優などのオーディション、レコードの試聴)。auditory=「audit」+「ory」=「聴覚の」「聴衆席」。auditorium=「audit(ory)」+「orium」(~のための場所)=「講堂」。auditor=「audit」+「or」=「会計検査官」。audit corporation=監査法人。auditee=「監査を受ける人、企業」。




batは「棒、棒でたたく」

 batは「こん棒」で、「打つ」が原義です。野球や卓球、テニスなどのラケットもbatです。batを持って、それを振り回したりするのは「batter」で、これを持って振り回したりする人も表します。砲列や砲兵中隊などは「battery」と呼ばれます。また、1組の装置や、人や物が勢ぞろいした様子もbatteryです。野球で、投手と捕手の組み合わせもこう呼ばれます。大軍勢はbattalion=battali(大軍勢)+「on」=「大隊」。戦闘はbattle=「戦闘」。battleship=戦艦。beat=「(人・物などを)連打する」も同語源の語です。


≪覚えてね≫
combat=「com」(一緒に)+「bat」=「戦闘」。abate=「a」(~を)+「bate」->(打ち倒す)->「痛みなどをやわらげる」。debate=「de」(強意)+「bate」->「討論する」。




bellは「戦争」

 battleは戦争の中の個々の「戦闘」を表しますが、bellは戦争と意味します。


≪覚えてね≫
rebel=「re」(反抗して)+「bel」(戦争を起こす)=「反逆者」。rebellion=「rebel」+「ion」=「(自国政府に対する)反乱」。


≪読んでね≫
 bellicose=「belli」+「cose」(~のような)=「好戦的な」。belligerent=「belli」+「gerent」(~に行く)=「交戦中の」。




candは「白熱する」

 「cand」が「白熱する」だと分かれば、キャンドル(candle)を思い浮かべる人も多いでしょう。シャンデリア(chandelier)はどうでしょうか?「h」が入っていますが・・・。candleの語源となっているラテン語はcandela(あかり、たいまつ->「光輝くもの」)です。そして、chandelierの語源はラテン語の「candelabrum」で「ろうそく立て」です。全く同じ語源だと分かります。ラテン語の「candela」から炭鉱などで使われたカンテラ(※炭坑節に出てきます)を思い浮かべる人もいるかもしれませんね。カンテラはラテン語のcandelaがオランダ語に入って「kandelaar」となったものです。「cand」を語根として使っている単語には、ろうそくなどの照明関係以外に「候補者」(candidate)などもあります。これは、古代ローマで、公職の立候補者が、自分の「潔白」の印として白衣を着て選挙活動をしたことに由来しているようです。cand(ラテン語は「candor」)は白熱するの意味から転じて「白い」という意味もあります。


≪覚えてね≫
candle=「cand」+「le」(小さい)->(白熱するかわいいもの)->「ろうそく」。candidate=「白衣を着て選挙運動をしたローマ時代の例から->候補者」。candidacy=「立候補者(資格、期間)」。chandelier=「シャンデリア」。


≪読んでね≫
 candor=「白さ」「誠実さ」。candid=「白い」「誠実な」。candescent=「白熱の※あまり使われない」->通常は「incandescent」。incandescent=「in」(強意)+「candesc」(白くなる)+「ent」->「白熱している」。incandescent lamp=「白熱電球」。

 candleの「le」は指小辞といって小さいものを指すときに使う接尾語です。例)icicle=「ice」+「cle」=「つらら」。partcle=「part」(部分)+「cle」=「分子」「微粒子」。sparkle=「spark」(火花)+「cle」=「火の粉」。bottle=「butt」(大樽)+「le」=「びん」。bundle=「bund(<-bind(束ねる)」+「le」=「包み、束」。modelやnavelなどのように、「el」となることもあります。小さいを表す「指小辞」には「let」という場合もあります(「et」や「ette」などの場合もあります。例)toilet。pocket=「pock」(バッグ)+「et」=ポケット。cigarette=「cigar」(葉巻たばこ)+「ette」=「紙巻きたばこ」。booklet=「book」+「let」=「小冊子」。pamphlet=「仮綴じの小冊子」。leaflet=「リーフレット」。




cantは「歌う」

 cantは「歌う」という意味ですから、音楽用語がいくつも派生しています。カンタータ(cantata)や、カンタービレ(cantabile)、chant(聖火)、chanter(聖歌隊のリーダー)などがあります。


≪覚えてね≫
accent=「ac」+「cent」(->cant)(歌、音調)->(話し言葉に付けられた曲)=「アクセント」。enchant=「en」+「chant」->(歌って心の中に呪文をかける)=「うっとりさせる」「喜ばせる」。


≪読んでね≫
 cantは、「歌う」という意味のラテン語canereの反復形cantareがフランス語chanterを経て、英語に入ってきています。フランス語では「ch」となっていますので、シャンソン(chanson)も同じ仲間だと分かります。




carは「車」

 carはラテン語のcarrusが元になった語ですが、この語がノルマン系フランス語を経て、あるいはスペイン語を経由して英語に入ってきたり、あるいはフランス語を経由して、carがcharに変化して、英語に入ってきたりと、様々な経路で英語に入ってきています。


≪覚えてね≫
car=「乗用車」。carry=「車で運ぶ」。carriage=「carr」+「age」=「乗り物」。carrier=「carry」+「er」=「運ぶ人」。cargo=「船荷」「積荷」。cart=「荷車」。chariot=「(歴史)戦闘・競技・凱旋などで用いられた)2輪戦車」。discharge=「(荷物を)おろす」。chargeはいろいろありますので、例文で覚えてください。


例文1) They charged me ten dallars for parking.=駐車料金として私に10ドル請求した。
例文2) The restaurant does not charge for delivery.=出前料金を請求しない。
例文3) charge the meal up to the company's account=食事代を会社のつけにする。
例文4) They charged him with driving without a license=無免所運転のかどで告発した。
例文5) charge someone for planting the bomb=爆弾を仕掛けた罪で起訴する。
例文6) He charged the minister with lying about the economy.=大臣に経済に関してうそを言うように命令する。
例文7) I charge you not to forget it.=それを忘れるなよ。
例文8) He charged through the door to my mother's office.=ドアから母の事務所に突進してきた。


≪読んでね≫
 日本語では、「乗用車」「トラック」「バス」「トレーラー」などを一括して、「自動車」あるいは「車」と言います。場合によっては二輪車も「車」と呼んだりします。英語では、トラックは「truck」、バスは「bus」、トレーラーは「trailer」です。あらゆる「車」を意味する語は英語では「vehicle」といいます。ただし、vehicleは列車も含みます。英語で「car」と言えば、一般的には乗用車を指します。




cas(cid、cad)は「落ちる」

 Webの記述言語にCSSというものがあります。Webページは基本的にはHTMLという言語で書きますが、見栄えに関することはCSSで書くというのが最近の傾向です。CSSとはCascading Style Sheetsの略です。「cascade」は段階的に続く小さな滝を意味します。cascadeは「cas」+「cade」と分解でき、「cas」は「落ちる」を表し、「-cade」は名詞に付けて、「行進」「行列」などを表します。つまり、小さな滝が連なっているさまを表現しています。


≪覚えてね≫
case->(落ちてくるものが原義)->「場合」。cascade=「cas」+「cade」=「小さな滝の連続」。casual=「casu」(->case)+「la」->(突然落ちてきた)->「偶然の」「行き当たりばったりの」。occasion=「oc」(ob->~に向かって)+「cas」+「ion」->(自分の方に落ちてきた)->「好機」。accident=「ac」(~に)+「cid」(落ちてくる、倒れてくる)+「ent」->(降りかかてくる)->「事故」。incident=「in」(~に)+「cid」+「ent」->(偶然降りかかってくる)->「小事件」。coincident=「co」+「incident」=「同時に起きる」


≪読んでね≫
 西洋のことは「The Occident」といいます。この語には、語根として「cid」が入っていますが、これは太陽が「落ちる」という意味です。

 音楽用語に「カデンツァ」(cadenza)という言葉があります。これは、曲の終了の前に、独奏者(独唱者)が演奏技巧を十分に発揮できるように挿入された装飾的な部分です。楽曲の終了直前の音の調子が「落ちる」部分という意味です。この「cadenza」はイタリア語(ドイツ語も同じ)ですが、ラテン語の「cadere」が元になっています。英語は「cadence」です。「文末などで調子を落とすこと」とか「楽曲の終わり」などを意味します。芸術至上主義文学の一分野に、退廃(decadence)主義文学という一派がありますが、この一派はデカダンス派(decadent)と呼ばれます。decadent=「de」(down)+「cade」(落ちる)+「ent」=「退廃的な」。decadence=「de」(down)+「cade」(落ちる)+「ence」=「退廃的な」。




causは「原因」

 causは「原因」を表します。becauseは「こういうわけがあって」と説明するときに使います。


≪覚えてね≫
cause=「原因」。because=「なぜなら~だから」。accuse=「ac」+「cuse」->(~に原因を求める)->(~に弁明を求める)=「(~の理由で・・・を法廷に)訴える」「(
~の理由で・・・を)非難する」。accusation=「accuse」+「ation」=「避難」。excuse=「ex」(~から離れる)+「cuse」(責任)=「許す、容赦する」。




citは「叫ぶ」

 テレビでボクシングのテレビ中継を見ていると興奮して大声で叫んでいる人がいます。まさに「エキサイティング」です。exciteは「ex」+「cite」で、「外に」「cite」するです。「cite」は「繰り返して叫ぶ」というラテン語の「citare」が語源です。


≪覚えてね≫
cite=「引用する」。excite=「ex」(外へ)+「cite」(呼び出す->感情を呼び出す)=「興奮させる」。incite=「in」+「cite」->(中に呼びかける)->(中に刺激を与える)->「励ます、刺激する」。recite=「re」+「cite」(呼び出す)=「(観衆などに向かって)(詩などを)暗唱する」。solicit=「soli」(完全に)+「cit」(動かされた)->(不安になる、嘆願する)->「懇願する」。




clarは「明るい」

 clarは「明るい」という意味の語根で、ラテン語の「clarus」が元になっています。clearも「clarus」が語源です。「障害になるものや、遮るものがなくなる」->「明るく」なりますので、clearで「片づける」という意味になります。


≪覚えてね≫
clarify=「clari」(->clear)+「fy」=「(意味などを)明らかにする」。clarity=「clari」+「ty」=「鮮明さ」。declare=「de」(完全に)+「clare」(明らかにする)=「宣言する」。declaration=「declare」+「ation」=「宣言」。the Declaration of Independence=「(米)独立宣言」。clear=「澄んだ」「汚れのない」。clearance=「clear」+「ance」=「取り除くこと」。clearance sale=「在庫一斉セール」


≪読んでね≫
 clarを語根とする楽器もいくつかあります。クラリネット(clarinet)は明るくて軽い音を出します。クラリオン(clarion)は中世に使われたトランペットの一種で、甲高い音を出します。明るいという意味ですので、当然女性の名前としてもふさわしいと考えられているのでしょう。「Clarissa」などが女性名としてよく使われます。




coverは「覆う」

 coverは「覆う」の意味です。覆っている範囲は、coverageで携帯電話や、無線LANの受信範囲、受信地域などの意味があります。ニュースなどの報道、取材範囲などを意味することもあります。保険などの補償範囲などもcoverageです。今まで人々に知られていなかったこと(つまり、coverされていたこと)を明らかにすること(覆いを取り払うこと)は、「暴露する」(uncover)となります。誰も知らなかったことを明らかにするのは、「発見する」(discover)です。覆いが外されてしまうと、ものが痛みますので、再度覆いをかぶせる(recover)と、回復させることができます。健康回復などの意味も出てきます。undercoverはカバーの下で、秘密裏に何かをするという意味になりますので、「隠密の」「スパイの」という意味になります。




cosmは「秩序」

 宇宙はコスモス(cosmos)と言いますが、この言葉は「秩序、調和、宇宙」を表すギリシャ語の「kosmos」に由来しています。ギリシャ人は宇宙を「秩序や調和」として捉えていたということですね。


≪覚えてね≫
cosmos=「(秩序ある体系としての)宇宙」。cosmic==「cosm」+「ic」=「宇宙の」。cosmology=「cosmo」+「logy」(~学)=「宇宙論」。cosmopolite=「cosmo」(世界)+「plite」(市民)=「(動植物)普遍種」。cosmoplitan=「cosmoplite」+「an」=「(多くの国の様々な階級・文化の)人からなる」「(国家の立場にとらわれない)世界主義的な」。cosmonaut=「(ロシアの)宇宙飛行士」(※米国では、astronaut)。cosmography=「宇宙形状論」「宇宙図」。


≪時間があったら読んでね≫
 草花の「コスモス」も「秩序と調和のとれた世界」の花という願いを込めて命名されたということです。化粧品の「cosmetic」も顔に調和をもたらすものという意味があります。すっぴんでは調和の取れていなかった顔が、口紅を塗り、眉を整え、皮膚にクリームなどを塗り込むことで、調和が生まれ、美しくなると、信じて、(乗せられて?)ということでしょうか?




cre(cres)は「生じる」

 何年か前(2014年)に英国のオックスフォード大学の先生が今後コンピュータやロボットに取って代わられる仕事は何かという衝撃的な論文を発表しています。この論文では、仕事を702に分類し、それぞれについて、コンピュータやロボットに取って代わられる確率を計算しています。コンピュータやロボットは芸術的なこと、クリエイティブなことが大の苦手です。そこで、残る仕事は、その仕事が「クリエイティブ」であるかどうかです。コンピュータやロボットにできることはみんな彼らに任せて、私たち人間はより創造的なことに没頭できるということですね。ところで、クリエイティブは英語では、「creative」と書きます。ものを作り出す人は「creator」です。人間を作ったのは「the Creator」で創造主、つまり神だということになります。これらの単語で使われている語根の「cre」は「生じる」とか「作る」という意味を持っています。


≪覚えてね≫
create=「cre」(作る)+「ate」=「創造する」。creation=「cre(ate)」+「tion」=「創造」。creative=「create」+[ive」=「創造的な」。creativity=「create」+「ive」+「ty」=「創造力」「独創性」。creator=「create」+「or」=「創案者」。これを固有名詞にすると、the Creator=「創造主、神」。神によって創造されたものがcreature=「create」+「ure」->(創造されたもの)->「生き物、動物」となります。


≪読んでね≫
 レクリエーションは殆ど日本語になっていますが、英語では「recreation」です。これは、「recreate」の名詞名です。recreateは「re」(再び)+「create」(創造する)で、再び創造的なことができるように(一時的に)「気晴らしをさせる」「鋭気を養わせる」という意味になります。
 では、コンクリートはどうでしょうか。英語では「concrete」と書きます。これは、concrete=「con」(一緒に)+「cre(a)te」(生じる->成長する)->「具体的な」「コンクリート製の」です。コンクリートは、セメントと砂利と、水が一緒になって固まったものです。
 他にもincrease(増加する)やdecrease(減少する)、crescent(三日月)にも「cre」が入っていることに気が付くでしょう。increase=「in」(~の中に)+「crease」(成長する)=「(数・量・大きさなどが)増す」。decrease=「de」(下へ)+「crease」(成長する、増える)->(成長が下がる)->「(数・量などが)減る」。三日月(crescent)は日増しに成長することから来ています。


≪時間があったら読んでみてね≫
 ローマ人はヴェスビオス山の火山灰と、石灰、砕石、砂利などが混じったものが水中で固まり、硬度を増すことを知っていたようです。このことを利用して、コロッセオや、水道橋などの巨大構造物を作っていました。建設の際には型枠なども使っていたようで、構造物の壁にはその形跡が残っているようです。




credは「信頼する」

 最近は買い物はインターネットで済ませるという人が増えています。特に、本や電化製品などにその傾向にあるようです。その際に便利なのがクレジットカードです。英語ではcredit cardです。creditの「cred」は「信頼する」という意味を持っています。語源はラテン語の「creditum」で「他人に任せたもの」という意味です。クレジットカードで買い物ができるのは、「後で支払ってくれる」と信頼されているからです。この信頼性のない人にはクレジットカードは作れません。


≪覚えてね≫
credit=「信用」。creditor=「credit」+「or」=「債権者」。discredit=「dis」+「credit」=「信頼しない」。credible=「cred」(信用する)+「ible」=「信用できる」。incredible=「in」(否定)+「credible」=「信用できない」。credulous=「credu」+「lous」=「信用しやすい」。creed(cred)=「信条」「(宗教の)教義」。




crimは「判断する」

 crimは判断するという意味です。crime(罪)はラテン語のcrimen(非難、判決)から派生しています。法律に違反しているか「判断して」、罪(crime)を科すべきか判断します。法律に違反した人は、犯罪者(criminal)となります。美術・音楽・文芸などについて批判する(criticise、criticize)人は、批評家(critic)と呼ばれます。判断の基準は、criterionといいます。日本語では基準とか、標準などと言われます。分離して判断するとdiscriminate=「dis」(分離)+「crimin」(判断する)+「ate」=「差別する」となります。


≪覚えてね≫
critic=「批評する人」。crisis->(決定・結論・病気の転換点->よーく考えるべき分岐点)->「危機」。discriminate=「dis」+「crimin」+「ate」->(切り離して、区別する)->「区別する」。discrimination=「discriminate」+「ion」=「差別」。criterion=「判断の手段」。criticize=「critic」+「ize」=「批評する」。




cultは「耕す」

 cultは「耕す」という意味があります。耕すのは畑だけではありません。頭を耕す場合もあります。頭を耕すと、文化や教養人が生まれます。


≪覚えてね≫
cultivate=「cultiv」+「ate」=「(土地を)耕す」「教化する」。cultivation=「cultivate」+「ion」=「耕作」「教化」。cultivator=「耕作者」「養成する人」。cultivated=「耕作された」「洗練された」。頭や考え方を耕すと、文化になります。culture=「栽培」「教養」「文化」。cultural=「栽培上の」「文化的な」「教養的な」。cultured=「栽培された」「教養のある」。


≪注意してね≫
 cultには「崇拝」という意味もあります。カルト教団などという場合のcultはこちらの意味です。一般的に「カルト」は確立された既存の宗教や宗派以外の比較的小さな宗派や教団を指します。




curは「注意する」

 curは「注意する」という意味の語根です。注意するから、「世話をする」という意味も出てきます。手の手入れをするのがmanicureです。


≪覚えてね≫
cure=「治療する」(=care)。curable==「cur」+「able」=「治療できる」。incurable=「in」+「curable」=「不治の」。curious=「cur」(=care)+「ious」=「珍しい」(->珍しいものには、人は注意を払うので)。curiosity=「好奇心」。curio=「(curiosityの短縮形)->骨董品」。accurate=「ac」+「cur」+「ate」->(物事に注意していれば間違いがない)->「正確な」。procure=「pro」+「cure」->(前もって注意する)->「(苦労して)手に入れる」。secure=「se」(ない)+「cure」(心配)=「安全な」。security=「se」+「cur」+「ity」=「安全」。careful=「care」+「ful」=「注意深い」。careless=「care」+「less」=「不注意な」。carelessness=「careless」+「ness」=「不注意」「気楽さ」。




DEF




debは「借金する」

 debは「借金をする」という意味です。負債(debt)のある人(debtor)は、必ず借金を返さなくてはならない(due)という義務(duty)を持っています。


≪覚えてね≫
debt=「de」(悪化・避難)+「bt」(持っている)->(借金を持つようになる)->「借金」。indebted=「in」+「debted」(debt)->(借金の中にいる)->「負債がある」。due->(他人の物を所有しているが原義)->「当然支払われるべき」。duty=「du」(due)+「ty」=「義務」。




docは「教える」

 docは「教える」という意味の語根です。docと言えば、ドクター(doctor)ですね。病気の原因や治療法を教える人ですので、「doc」(教える)+「or」(人)となります。ここから、中世のころには「博士」に当たる人の称号としても使われるようになっています。


≪覚えてね≫
doctor=「doct」+「or」=「医者」「博士」。doctorate=「博士号」。doctrine=「doctr」(教える)+「ine」=「教義」。docile=「doc」+「ile」(~に適した)->(教えやすい)->「素直な」。document=「docu」+「ment」(もの)->(教え示すもの)->「文書」「記録」。documentary=「document」+「ary」=「文書の」。




domは「家」「支配」

 domeは「家」を意味するラテン語「domus」から派生したもので、domestic=「家庭の」、domicile=「住居」などの言葉が生まれました。また、昔の家には家長がいて(今はいない?)家を支配していましたので、「支配」(ラテン語では「dominus」)という意味が生まれ、ここからdominate=「統治する」、dominant=「支配的な」という言葉が生まれています。また、支配している人の支配権の及ぶ範囲という意味でdominion=「支配権」「支配領域」という言葉が出てきます。


≪覚えてね≫
domestic=「domest」(家族、家庭)+「ic」=「家庭の」。domicile=「domi」+「cile」=「居住地」。dominate=「domin」(家->支配)+「ate」=「支配する」「統治する」。dominant=「domin」+「ant」=「支配的な」。dominion=「domin」(支配)+「ion」=「支配権」「支配領域」。predominant=「pre」(前もって)+「domin」(支配する)+「ant」=「卓越した」「有力な」。




equは「等しい」

 equは「等しい」という意味の語根です。数学のequal(左辺と右辺が等しい)や、赤道のequator(北極と南極からの距離が等しい地点)などが直ぐに頭に思い浮かぶのではないでしょうか。昼と夜の時間が同じ春分の日(the vernal equinox)(※vernal=春)や秋分の日(the autumnal equinox)にも「equ」が使われています。


≪覚えてね≫
equal=「等しい」。equality=「equal」+「ity」=「等しいこと」。equate=「equ」+「ate」=「等しくする」。equation=「equate」+「ion」=「方程式」。equator->(北極からの距離と、南極からに距離が等しい)=「赤道」。adequate=「ad」(~に)+「equate」=「十分な量の」「(仕事などに)適した」。inadequate=「in」+「adequate」=「不適切な」。equivalent=「equi」+「valent」(価値のある)=「同等の」


≪読んでね≫
 equanimity=「equ」+「anim」(->anima=精神)+「ity」=「心の平静さ」。equanimous=「心の平静な」。equinox=「equi」+「noc」(=night)->(夜が昼と等しい)=「昼と夜が等しい日」。equidistant=「equi」+「distant」=「等距離の」。equidistance=「equi」+「distance」=「等距離」。equilateral=「equi」+「lateral」(横の、側面の)=「等辺の」。an equilateral triangle=「正三角形」。equilibrium=「equi」+「librium」(->balance)=「平均」「つり合い」。equity=「公平」。equivocal=「equi」+「vocal」(声)=「二つの意味にとれる」「意味が不明な」。




experは「試みる」

 実験は英語では、「experiment」です。「exper」は「実験する」という意味があります。いろいろのことをやってみると「経験」として蓄積されてきます。そして、経験を積むと、「エキスパート」(expert)になります。


≪覚えてね≫
experience=「ex」(強意)+「peri」(試みる)+「ence」->(完全にやってみること)->「経験」。experiment=「exper(i)」(試みる)+「ment」->(試してみること)->「実験」。expert->(いろいろの経験を積み重ねて)->「専門家」。




facil(facul)は「容易な」

 最近、会社名の前後に「ファシリティーズ」と付けている会社が増えているような気がします。不動産や建物の施設管理をしている会社が多いようですね。英語は「facility」で、「容易さ」や「器用さ」などを表す言葉ですが、「便宜」などから転じて、「設備」や「建物」などの意味もあります。日本中に不動産や建物などを持っている大きな会社が分社化するときに、今まで自社内で不動産や建物、設備関係の仕事をしている部門を、「~ファシリティーズ」という名前で子会社化したところが多いような気がします。語源的にはfacultyやdifficultなども同じ仲間です。


≪覚えてね≫
facile=「容易な」。facility=「facil」(容易な)+「ity」=「容易さ」->「才能」->「便宜」->「建物、設備、施設など」。facilは「facul」と同語源です。faculty=[facul(<-facil)」+「ty」=「才能」「機能」->「大学の学部」「(大学の)教授団)。difficulty=「dif」(奪う)+「ficulty(<-faculty)」(容易さ、可能性)=「(~することの)難しさ」。difficult=「難しい」(※difficultyの形容詞化<-difficultyが先に出来たようです)


≪読んでね≫
 似たような言葉に、efficient、sufficient、magnificentなどがあります。efficient=「ef」(完全に)+「ficient」(作り上げる)=「有能な」で、語根として使われている「ficient」は「作り上げる」という意味がありますので、factoryなんかと近い言葉ということになります。sufficientは「suffice」+「ent」=「十分な」となります。sufficeは「sub」(下に)+「fice」(置く)-.(代理する)->「十分である」となります。magnificentも似たような発想で、「magni」+「ficent」->(立派に作られた)->「最高の、偉大な」->「豪華な」->「壮大な」「堂々とした」となります。あまり深く追求していくと混乱しそうですね。語源について詳しく知るには、もっとラテン語を勉強しなくてはなりません。しかし、語源は、英単語を「簡単にマスターするため」です。そのために、ラテン語を勉強しなくてはいけないとなると、まさに「本末転倒」ということになります。混乱する前に止めておくことにしましょう。




famは「言う」

 fameは名声とか、評判のことですが、語根の「fam」は「言う」という意味を持っています。人々が「言う」ので、有名になるわけですね。


≪覚えてね≫
fame=「名声」(ラテン語の「fama」から)。defame=「de」(<-離す)+「fame」=「中傷する」。famous=「fame」+「ous」=「有名な」。infamous=「in」(否定)+「famous」=「不名誉な」。infamy=「infam(ous)」+「y」=「悪評」。infant=「in」(否定)+「fan(<-fam)」(言う)=>(言うことができない)->「幼児」。


≪読んでね≫
 infancy=「infant」+「cy」=「幼年時代」。infantry=「infant」+「ry」->(少年兵)->(まだ訓練をあまり受けていないので、騎馬兵などは務まらない)->(徒歩で戦闘に参加)->「歩兵」。defamatory=「de」+「fama」+「tory」=「中傷的な」。


≪暇があったら読んでね≫
 インターネットが普及し、多くの人がSNSを使うようになると、いろいろの情報がネット上に流布されることになります。インターネットが普及する以前は、情報は、新聞、雑誌、本、ラジオ、テレビなどによって世の中に広まっていました。このような情報伝達手段では、情報が世の中に出ていく前に誰かが、取捨選択するという作業を行っていました。しかし、インターネットが普及すると、誰にも管理(干渉)されずに、生の情報が世の中に出ていくことになります。そのことが様々な問題を引き起こしていますが、特に有名人は大変なようですね。こういうのを有名税(price of fame、penalty of fame)と言うらしいですね。有名人ゆえの苦労は「fame backfire」というようです。場合によっては、一般人でも個人情報(personal information)がネットに晒されてしまうこともあります。皆さんもSNS等を使うときは、個人情報には注意を払っていただきたいと思います(protection of personal information)。でも、「Fame is but the breath of the people.」(名声は人の一時の噂」という「ことわざ」もあります。




fendは「打つ」

 ディフェンス(defence)やオフェンス(offence)という言葉は、スポーツの世界では既に一般化しています。動詞形は「defend」、「offend」です。語根は「fend」で意味は「打つ」です。


≪覚えてね≫
defend=「de」(分離)+「fend」(打つ)->(打って遠ざける)->「防御する」。defence(se)=「de」(分離)+「fense」(打つこと)->(打って遠ざけること)->「防御」。offend=「of」(~に向かって)+「fend」=「(無礼などのために)(人の気持ちを)害する」。offence(se)=「of」+「fense」=「違反」「無礼」「攻撃」。fence=(※defenceの頭音消失形)->「囲い」「柵」。fencing=「垣根」「フェンシング」。


≪暇があったら読んでね≫
 「fend」が「打つ」だというと、車好きの人は「エッー」と思うかも知れませんね。車のフェンダー(fender)と言えば、タイヤの部分を保護している覆いの部分です。タイヤが回転すると、石や泥、水などがはねてきて、運転者(乗員)、あるいは歩行者にぶつかる可能性がありますが、これを防ぐ働きをしているのがフェンダーです。では、このfenderが何を攻撃しているのでしょうか。もし災難が降りかかってきたら、相手を打って(身を挺して)車を守るということでしょうか。イメージとしては、「defender」でしょうか?でもこう考えると、機関車・電車の前の方についている緩衝装置の方がぴったりの気がします。アメリカでは、機関車や電車、車などの緩衝装置、排障器、バンパーなどもfenderというようです。今の車の泥除けは、あまり目立ちませんが、クラッシックカーの泥除けはとても大きくて、車の前の方にまで出っ張っていて自己主張している感じがします。クラシックカーの車の前方は、このフェンダーと、ラジエタしかないというのが多いような気がします。ですから、昔はバンパー≒フェンダーだったのでしょうか?(車のことはあまり詳しくないのでよく分かりません)。




figは「形作る」

 「fig」と言えばすぐに思い浮かぶのは「フィギュアスケート」(figure skating)ではないでしょうか。現在はフィギュアスケートの競技は「ショートプログラム」と「フリースケーティング」の2つの競技種目の合計点で、競われます。以前は、「コンパルソリー」(compulsory figures=「義務的な」figures)と「フリー」の2種目で競われていました。コンパルソリーは日本では「規定」種目と呼ばれていたような気がします。丸や八の字などの図形をスケートの刃を使って描き、その際の図の美しさや、姿勢や、次の図形に移動する際の動作なども採点基準になっていたようです。figureの語根「fig」は「形作る」という意味があります。


≪覚えてください≫
figure=「fig」(feign)+「ure」=「形」「人物」「数字」。feign=「偽造する」。feint->(feignの過去分詞)->「(スポーツ)フェイント攻撃、(軍事)陽動作成」「見せかけの」。fiction=「fic」(形作る)+「tion」=「小説」「作り話」。


≪読んでね≫
 figurate=「(音楽)装飾音の」「特有の型を持つ」。figuration=「成形」「形態」「外観」。figurative=「比喩的な」。figment=「fig」+「ment」=「作り事」。




firmは「一定の」

 firmは「一定の」「決まった」という意味です。外部の圧力で簡単に変形しないという意味があります。


≪覚えてね≫
affirm=「af」(強意)+「firm」=「確実なものにする」。confirm=「com」(強意)+「firm」(固い)=「確認する」。infirm=「in」(否定)+「firm」=「(人・からだなどが)弱い」「根拠が弱い」。


≪読んでね≫
 farmもfirmと関係しています。税や地代などの定期的に支払う「一定額」をfirmと言いますが、やがてfirmがfarmと変形し、一定額で貸す「土地」を意味するようになりました。また、farmerは小作料を取り立てる者を意味していましたが、やがて農場を経営する者を指す言葉に変わってきます。




found(fund)は「基礎を築く」

 「found」から出来た言葉に「foundation」という名詞があります。これは男性と女性で思い浮かべるイメージが違うかも知れませんね。女性なら「ファンデーション」です。これは、お化粧をするときに、下地用に塗るクリームや乳液のことで英語では、「foundation cream」です。男性は、建築関係の人なら、基礎工事、教育関係の人なら、基本教育のコースのこと、一般企業にお勤めの方なら、基金や、財団などを思い浮かべるかもしれません。SFファンなら「アシモフ」の小説を思い浮かべることでしょう。founationの語根は「found」で、元になったラテン語は「fundare」(基礎を築く)です。ラテン語では「fund」ですので、英語の語根として使う場合も、「fund」になることがあります。


≪覚えてね≫
found=「創立する」。foundation=「found」+「ation」=「創立」「財団」「基礎、土台」「(美術)絵の具の下塗り」(※化粧用の下塗りクリーム->foundation cream)。profound=「pro」(前に)+「found」(基礎->底)->(底へ達するまでに時間がかかる)->「深い」。foundは「fund」となることもあります。fund=「基金」「財源」「公債」。fundamental=「funda->found」(基礎をつくる)+「ment」(~すること)+「al」(~の性質の)=「基本的な」。fundamentalism=「fundamental」+「ism」=「根本原理主義」。fundamentalist=[fundamental」+「ist」=「根本(原理)主義者」。


≪読んでね≫
 創立するという意味では「establish」という言葉もありますが、この「establish」は「found」の意味と、更に「永続性」も含んでいる言葉です。


≪暇なときに読んでね≫
 GOOGLEで「ファンデーション」と引くと、検索結果の上位100位くらいまでは、全部化粧品の「ファンデーション」でした。「ファウンデーション」と「ウ」を挿入して検索すると、「アイザック・アシモフ」の小説のファウンデーションシリーズ「ファウンデーションの彼方へ」「ファウンデーションと地球」「ファウンデーションと帝国」などがずらっと並び、そこに基礎工法や、国際交流基金、大学の進学準備コース(留学生の用のコース)などが続きます。日本では、「ファンデーション」と「ファウンデーション」を明確に使い分けているようです。




fractは「壊れる」

 fractは「壊れる」「ちぎれた」「裂けた」という意味です。英語に入ってきた経緯が異なるため、形が少し違っていますがfragも、語源的には全く同じです。


≪覚えてね≫
fraction=「一部」。fractionate=「fract」+「ion」+「ate」=「細分化する」。fractionize=「細分する」。fractional=「小部分の」。fracture=「fract」(壊れた)+「ure」(結果)=「骨折」。fractured=「骨が折れた」。fractious=「fract」+「ious」=「(老人・子供などが)怒りっぽい」。fractus=「(気象)片積雲」。fractcumulus=「fract」+「cumulus」(積雲)=「片積雲」。fractstratus=「fract」+「stratus」(層雲)=「片層雲」。infraction=「(法律)違反」「(医学)不完全骨折」。refraction=「(物理)屈折」。subfraction=「小分派組織」。fragment=「frag」(壊す)+「ment」=「破片」。defragment=「(情報科学)デフラグする※データが断片化されたデイスクを整理する」。fragmentate=「破片にする」。fragmentation=「分裂」「断片化」。fragmentize=「破片にする」。fragile=「frag」(壊す)+「ile」(~できる)=「壊れやすい」。frangible=「壊れやすい※使用に耐えない」。frail->(壊れやすい)->=「(体・人が)(体質的に・老齢で)弱い」。


≪読んでね≫
 fractionの語源はラテン語のfrangereで、「壊れたもの」が原義です。このfrangereの名詞形fractioがフランス語を経由して、英語に入ってきました。ここから派生しているのがfractious、fracture、fractional、fractionateなどです。frangereがフランス語経由で、英語に入ってきたのがfragmentやfragile、frangibleなどです。




fuseは「溶ける、注ぐ」

 電気製品に大電流が流れると発火する危険があります。また、電子基板などは大量の電流が流れることで回路が壊れてしまうことなどもあります。そこで利用されるのがヒューズ(fuse)です。電気こたつなどの電熱器では、機器が設定以上の温度になると、フューズが溶けて切断されるようになっています。fuseは「溶ける」という意味があります。最近は「フュージョン」(fusion)という言葉が音楽用語としてよく使われます。これは、ジャズを基調に、ロックやラテン音楽や、R&B、電子音楽などを融合させた音楽のジャンルを指します。


≪覚えてね≫
fuse=。fusion=。confuse=「con」(一緒に)+「fuse」->(一緒に流し込むと)->「混同する」「困惑する」。diffuse=「dif」(分離)+「fuse」(溶ける、注ぐ)->(拡散する)->「広がる」「発散する」「普及する」。effuse=「ef(->ex)」(外に)+「fuse」(溶ける)=「発散する」(※「f」の前なので、「ex」の「x」が「f」に変化しました)。infuse=「in」(中に)+「fuse」=「注ぐ」「(思想・信念・活力などを)吹き込む」。refuse=「re」(再び)+「fuse」->(注がれたものを、注ぎ返す)->「拒絶する」。



GHI




genは「生まれる」

 ジェネレーションギャップという言葉がよく使われます。これは世代の差で、価値観が違うことから生じる断絶というような意味でしょうか。自分が若い時によく使っていた言葉(流行語)が、今の若い人に全く通じないとか、洋服の着こなしの感覚が全く違うなどということがあげられると思います。自分にとってスーパースターだった人のことを、若い人が全然知らないなんて言うこともありますよね。generation gapのgenerationは、generateの名詞形です。この中の「gen」という語根には、「生まれる」という意味があります。女性の権利拡張などの話の時によく出てくる、「ジェンダー」(gender)などにも、「gen」が入っています。「天才」(genuis)も「gen」を元にしてできた語なんですね。生まれながらの才能の持ち主ってことですかね。


≪覚えてね≫
generate=「gener」(生む、生み出す)+「ate」(~させる)=「発生させる」。generator=「generate」+「or」=「発電機」。generation=「genera(te)」+「tion」->(生みだすこと)->(生みだされたもの)->「同世代の人々」「世代」。general=「gener」+「al」(~に関する)->(「種族」の全体に関する)->「(部分ではなく)全体的な」->(同じ種族の全体の統率者)->「将軍」。gender->(生む)->(種族、種類、性)->「(社会的・文化的役割としての)性、ジェンダー」「(名詞・代名詞などの)性の(区別)」(※生物学的な「性」は「sex」)。

 gentle->(同じ種族の、生まれの良い)->(性質の良い)->「優しい」。gentleman=「生まれの良い人」「生まれながらの人品を備えている人」。genius->(生まれながらにして才能を持っている人)->「天才」。ingenious=「in」(中に)+[geni」(生まれながらの才能)+「ous」->(才能に富む)->「巧妙な、工夫に富む」。


≪読んでね≫
 酸素(oxygen)や水素(hydrogen)にも「gen」が入っています。oxygen=「oxy」(酸)+「gen」->(酸の元になるもの)->「酸素」(※これはフランスの化学者ラボアジェの誤解に基づく造語)。hydorgen=「hydro」(水の)+「gen」=「水素」


≪注意してね≫
 genuine=「本物の」「心からの」という単語がありますが、これなども(生まれたままの)から「純血な」「純粋な」となったようにも思えますが、これは「genu」(ひざ)から来ているようです。子供は母親から生まれてきますので、間違いようがありませんが、父親ははたして誰なんでしょうか?男女関係がオープンな時代で、しかもDNA検査なんていう手段もない時には誰が父親なのかは分かりません。そこで、生まれた子供を膝の上に置いて「認知する」と、それ以降、その子との間に父子関係が発生したということのようです。


≪時間があったら読んでね≫
 世代は子供が親と入れ替わる位の年数のことですので、普通は30~35年位の年数を表します。年齢が30歳以上違うと、「世代が違う」という言い方をします。何々世代という場合は、もっと短く区切っていることもあります。「焼け跡世代」「全共闘世代」「団塊の世代」なんて言いますね。最近では「ゆとり世代」「脱ゆとり世代」なんていう言い方もあります。ところで、野球ファンがよく使う「松坂世代」「ハンカチ世代」「大谷世代」なんていう言い方は、同級生だけです。これって間違った使い方なんでしょうか?

 日本人は、ジェントルマンを「gentle」な「man」という意味で使っているようですが、少し違うみたいですね。でも、本来の意味で使うと、どうでしょうか?生まれながらの違い、つまり本人にはどうにもならないことによって、人を区別することになりますので、現在の「人権感覚」から言うと、「区別」ではなく、「差別になってしまうかも知れません」ね。

 酸素に「oxygen」という名前を与えたのはかの有名なフランスの化学者のラボアジェ(A.L.Lavoisier)さんです。「近代化学の父」と言われるほどの偉大な化学者で、質量保存の法則を発見した人でもあります。このラボアジェさん、今では誤解と分かっているのですが、「全ての酸の形成には酸素が必要」と考えていたそうです。そこで、酸素を生み出すという意味を込めてoxygen(=「oxy」(酸)+「gen」)と名付けたようです。


≪長嶋茂雄は世代を超えたスーパースター≫
 私にとってのスーパースターは断然「長嶋茂雄」さんですが、今でも20~60代のプロ野球ファンに「史上ナンバーワンのスーパースターは誰かと」アンケートをとると、何とあの「イチロー選手」を抑えて、長嶋さんが断トツのトップだそうです。すごいとしか言いようがありませんね。「世代を越えて」(beyond generations)ずっとスーパースターであり続けることは、さぞかし大変なことでしょうね。長嶋さんは、今年(2017年)で、81歳だそうです。何時までも頑張って、2020年のオリンピックの最終聖火ランナー期待しています(?????)。その時には私も国立競技場に出かけなくてはと思っています。でも、入場券をゲットするのが難しそー???!!!




habは「持つ」

 habは「持つ」という意味を持っています。havと同じ語源です。hibになっている場合もあります。


≪読んでね≫
 habit->(持つようになる)->「習慣」。habitual=「habit」+「ual」=「習慣の」。exhibit=「ex」+「hibit」->(外へ持っている)->(差し出す)->「展示する」。inhibit=「in」(否定)+「hibit」=「抑制する」。prohibit=「pro」(前もって)+「hibit」(保持する)=->(前もって触れないように保管しておく)->「禁止する」。


≪注意してね≫
 habitには「住む」という意味もあります。inhabit=「in」(中に)+「habit」=「(人間・動物の集団が)(ある場所に)住んでいる、居住する」。inhabitable=「inhabit」+「able」=「居住に適した」。inhabitant=「inhabit」+「ant」(~する人)=「居住者」。inhabitation=「居住」。

・local inhabitant tax=住民税
・original inhabitants=先住民
・native inhabitants=先住民
・present inhabitants=現住民
・oldest inhabitant=最古の住民
・habitable planet=居住可能な惑星
・habitat distribution=生息分布



here(hes)は「くっつく」

 「here」という語根は「粘りつく」という意味を持ちます。ラテン語は、haerereです。ここから、adhereとか、cohere、inhereなどの言葉が派生しています。「ためらう」を意味する「hesitate」はラテン語のhaesitatが元になっていますが、この語は、haerereが元になっています。hesitate->(口の中がねばねばして口ごもる)->(ちゅうちょする)->「ためらう」ということでしょうか。



≪覚えてね≫
adhere=「ad」+「here」=「粘着する」「固執する」。「粘着する」という意味の場合の形容詞は=adhesive、名詞は=adhesion。「固執する」の意味の場合の形容詞は=adherent、名詞はadherence。cohere=「co」+「here」=「密着する」。coherent=「co」+「here」+「ent」(性質、状態を表す)=「密着の」。coherence=「(文書などの)首尾一貫性」。cohesion=「粘着性」。inhere=「in」(中に)+「here」->(中に本来含まれているもの)->「(性質・属性・権利などが)本来備わっている、付随している」。hesitate=「口ごもる」。hesitation=「躊躇」


≪興味があったら読んでね≫
 物理学にはコヒーレンス(coherence)という概念があります。これは、波の持つ性質の1つで、位相のそろい具合のことです。同じ光源から発してそれぞれ別の経路を辿った光が同一箇所に到達した場合、位相が微妙にずれ、光の強度が強まったり、弱まったりします(干渉縞の発生)。



JKL




join(junc)は「つなぐ」

 「join」はラテン語ではjungereと言います。「2つ以上のものを直に結合する」というのが元の意味です。日常会話でもよく使います。"Want to join us for lunch?"(お昼一緒に食べない?)とか、"Why don't you come here to join us?"(こっちに来て加わったら?)なんていう言い方をします。


≪覚えてね≫
join=「つなぐ」「取り付ける」「参加する」。joiner=「join」+「er」=「結合する人」「指物師、建具屋」。joint=「関節」「継ぎ目」「枝の付け根」。junction=「junc」(結合する)+「tion」=「連結」「結合点」。juncture=「junc」+「ture」=「接続」「(重要な)時期」。conjunction=「con」+「junc(t)」+「tion」=「結合」「接続詞」。conjuncture=「con」+「juncture」=「(危険をはらむ事情の)絡み合い」「危機」。subjunctive=「sub」+「junct」(結合する)+「ive」(~の性質の)->「仮定法の」。subjunctive mood=「仮定法」。subjunction=「追加、増補」


≪読んでね≫
 adjoin=「ad」+「join」=「隣接する」。adjunct=「不可物」「補助役」「修飾語」。disjunct=「dis」+「junct」=「分離した」。disjunction=「dis」+「junction」=「分離」



jurは「法」

 jurは「法」を意味します。また、まっとうな国では「法」は「正義」でもあります。法律に関わる裁判官や弁護士などの専門職や、法学者などはjurist=「jur」+「ist」と呼ばれます。国家が保持する司法権、裁判権はjurisdictionです。裁判では何が本当で、何が間違っているか判断(judge)されます。判決に適さない場合は、調停(adjustment)に付される場合もあります。弁護士や裁判官には誰でもなれるとなると、不正の温床になりかねませんので、厳密な試験(bar examination)が必要です。こうして法治国家(country ruled by law)の正義(justice)は、保持されることになります。


≪覚えてね≫
jurist=「jur」(法律)+「ist」=「法学者、裁判官、弁護士」。juristic=「jur」+「ist」+「ic」=「法学の」。jurisdiction=「juris」(法)+「diction」(話すこと)=「司法権」。injury=「in」(否定)+「jur」-.(正しくない状態にすること)->「負傷」「障害」。injure->(injuryからの派生)->「傷つける」。just=「(人・行為・判断などが)適切な」(jurと同語源)。adjust=「ad」+「just」->(~にぴったりと合わせる)。unjust=「un」+「just」=「適切でない」。justice=「just」+「ice」=「公平、正義」。justify=「just」+「fy」=「正当化する」。judge=「ju」+「dge」(言う)=「裁判官」。misjudge=「mis」+「judge」=「誤審する」。judicable=「jud」+「icable」=「裁定可能な」。judicious=「judici」+「ous」=「判断力の確かな」。prejudice=「pre」+「judice」->(前もって判断する)->「(根拠のない)偏見」。prejudicial=「prejudice」+「ial」=「偏見を抱かせる」「~に不利になる」。



≪読んでね≫
 jurやjudは女性の名前にもぴったりです。女性の名前としては、judithが使われます。Judithの愛称は「Judy」です。日本では女優のジュディオング(英語名はJudy Ongg)さんが有名ですね。



laborは「働く、疲れる」

 誰かと協同して何かを製作することをコラボレーションと言います。英語ではcollaborationです。これは、「col」+「labora(te)」+「tion」と分解できます。このうちの「laborate」は「働く」という意味で、語根は「labor」です。また、働くと疲れるので、「疲れる」という意味もあります。


≪覚えてね≫
labour(labor)=「働く」。labourer(laborer)=「労働者」。laborious=「labori」(働く->疲れる->骨の折れる)+「ous」(~に富む)=「(仕事などが)(時間がかかって)骨の折れる」。laboratory=「laborat」(働く)+「ory」=「実験室」。elaborate=「e」(強意)+「labor」+「ate」->(精いっぱい努力した)->「精巧な、ち密な」。collaborate=「col」(一緒に)+「laborate」(働く)=「協力する」。collaboration=「col」(共同の)+「labor」+「ation」=「共同制作」



lapsは「落ちる」

 lapsは「落ちる」とか、「滑る」という意味です。物が落ちると「崩壊」になり、時間が滑ると「時間の経過」となります。筆やペンが少し滑ると、「ちょっとした間違い」ということになります。


≪覚えてね≫
lapse->(筆がちょっと滑る)->「些細な間違い」。lapsed=「(主義・習慣などを)捨てる」「(法律などが)失効する」。lapsus=「失策」「ちょっとした失敗」。lapsus calami=「書き間違い」。lapsus linguae=「言い間違い」。collapse=「col」(一緒に)+「lapse」(落ちる)=「(建物・足場・屋根などが)崩壊する」。elapse=「e」(外へ)+「lapse」(落ちる、滑る)->(滑るように時が過ぎる)=「時が経つ」。relapse=「re」(元へ)+「lapse」(下落する)=「(人が元の悪習などに)再び陥る」。



≪読んでね≫
 lapsは、ラテン語のlabiの過去分詞のlapsusが英語に入ってきたものです。



legは「選ぶ」

 「lect」は「集める」ですが、似たような語根に「leg」があります。「leg」は「lig」になることもあります。「リーグ戦」なんて言う場合のleagueも集めるに関係していると思います。元のラテン語は「ligare」(結合する)です。


≪覚えてね≫
college=「col」(共に)+「lege」(選ぶ)->(仲間に選ばれた人が原義)->「大学」。elegant=「el」(外へ)+「legant」(選ぶ)->(選び出された)->「(洗練されて)上品な」。legion=「leg」+「ion」=「大軍」。「lig」となることもあります。eligible=「eligi」(選択する)+「ible」=「(職務・地位などに)選ばれるにふさわしい」。diligent=「di」(分離)+「ligent」=「(特定のことに)勤勉な」。intelligent=「inte(r)」(~の間)+「lig」(集める)+「ent」->(集められた多くのものの間から選び出す能力を持つ)->「知性の高い」。「league」は「結合する」の意味があります。league=「同盟」「(スポーツ)競技連盟」。colleague=「col」(共に)+「league」(代表者を選ぶ)=「(専門職・公職にある人の)同僚」



≪読んでね≫
 「leg」に関しては微妙なものがいくつかあります。例えば、legendは(集められた話->伝説)かと思っていましたが、ラテン語の「legere」(読む)から派生しているようです。legendary=「legend」+「ary」=「伝説上の」。legible=「読みやすい」も同じですね。legacy=「遺産」は誤用で、もともとは「legateship」=「使節」「特使」、「delegated」=「代表として送り出された」です。
 「leg」は「法律」(=law)ですので、legality、legalize、ligitimate、legitimacyなども法律に関係する言葉ということになります。それから、「leg」=「脚」の場合もありますので、注意してください。



levは「上げる」

 都心には高層ビルが立ち並んでいます。以前は高層ビルと言えば商業ビルと決まっていましたが、最近では住居用のビルでも高層化が進んでいます。住居用のビル、いわゆるマンションでも、20階建て、30階建てなんていうのもあります。こうなると、エレベータ(elevator)が必須になります。ところでこの「エレベータ」ですが、建物が高層化され、どうにもこうにもならなくなって、誰か偉い人が必要に迫られて発明したと思っていました。つまり、建物の高層化と関係している、だから最近のこと(何十年か前のこと?)だと思っていました。しかし、調べてみると、エレベータの歴史はびっくりするほど古く、あのアルキメデスさんが既に原理を発見し、ロープと滑車を使ったものが実際の建築現場で使用されていたというから驚きですね。elevatorは「elevate」+「or」(する人、するもの)です。この「elevate」の中の語幹の「lev」は「上げる」という意味を持っています。


≪覚えてね≫
elevate=「e」(外へ)+「lev」(上げる)+「ate」=「上げる」。elevator=「elevate」+「or」=昇降機」。relevant=「re」+「levant」->(問題を再び持ち上げる)->「(当面の問題と)(密接な)関係のある」。lever=「持ち上げる」「てこ」。levarage=「lever」+「age」=「てこの作用」。relieve=「re」(再び)+「lieve<-left」(持ち上げる)->(沈んだ気持ちを再び持ち上げる)->「(苦痛・心配などを)取り除く、軽減する」。relief=「(心配・苦痛などの)除去」。


≪読んでね≫
 levity=「lev」+「ity」->(心が浮き立っていると)->(ついつい軽率なことをしてしまう)->「軽率」。



≪時間があったら読んでね≫
 エレベータが古い歴史を持ってるなら、エスカレータも古いのでしょうか?いえいえこちらは19世紀になってからの発明品です。はしごを表す「scala」とelevatorをくっつけて、「e」+「scala」+「tor」としたようです。



liberは「自由」

 liberは「自由」を意味するラテン語の「liber」がそのまま英語に入ってきています。liberal=「自由な」。liberalism=「自由主義」。アメリカ合衆国にいた奴隷が解放(liberate)されて、アフリカに帰り創った国が(Liberia=自由の国)です。liberate(解放する)の名詞形は「liberation」ですが、奴隷解放という場合は、「emancipation」を使うのが一般的です(emancipation of slaves)。


≪覚えてね≫
liberal=「自由な」。liberalism=「自由主義」。liberate=「liber」+「ate」=「解放する」。liberation=「liber」+「ation」=「解放」。deliver=「de」(分離)+「liver」(->liber)->(手元から自由にする)->「配達する」。delivery=「deliver」+「y」=「配達」。



limitは「限界」

 limitは「越えられないぎりぎりの限界、限度」を意味します。limit=「限度」。limitation=「制限」。limitless=「無限の」。delimit=「de」(強意)+「limit」=「限界を定める」。eliminate=「e」(ex)+「limin」(敷居)+「ate」->(敷居から外に出す)->「除去する」。


≪覚えてね≫
eliminate=「e」(ex)+「limin」(敷居)+「ate」->(敷居から外に出す)->「除去する」。elimination=「eliminate」+「ion」=「除去」「予選」。elimination tournament=「勝ち抜き競技会」。



locは「場所」

 locは場所を意味するラテン語のlocusが語源です。local=「loc(us)」+「al」=「その土地と関係のある」。locate=「配置する」。location=「位置」。locomotion=「loco」+「motion」=「運動」「移動」。locomotive=「loco」(場所->場所から場所へ)+「motive」(動く)=「機関車」。allocate=「al」+「locate」=「~を(事・物のために)取っておく、割り当てる」。collocate=「co」+「locate」=「並べる、配置する」。



loquは「話す」

 口語をspoken languageと言いますが、少し難しい言い方では、colloquial languageと言います。口語英語はcolloquial English、口語日本語は、colloquial Japaneseです。口語の話し方は、colloquial speech、口語体はcolloquial style、colloquial form、口語調はcolloquial flavor、口語表現はcolloquial expressionとなります。語根として使われている「loqu」は「話す」という意味です。


≪覚えてね≫
colloquial=「col」(一緒に)+「loqu」+「ial」=「口語の」。eloquent=「e」+「loqu」+「ent」=「雄弁な」。eloquence=「eloquen(t)」+「ce」=雄弁。



≪読んでね≫
 colloquize=「対話する」。colloquy=「会談」。colloquist=「対話者」。colloquially=「口語的に」。soliloqu=「」。loquの語源はラテン語のloquiですが、現在分詞形のlocutioが英語に入って、「locu」に変化して、これを語根としたものは、次の通りです。locution=「言い回し」「話しぶり」。elocution=「演説法」。elocutionist=「雄弁家」。



ludは「演じる」

 イルージョン(illusion)は薬物中毒者が見る幻覚という意味もありますし、絵画的な手法を指している場合もあります。美術の世界で使う場合は、2次元のものをあたかも3次元のものであるかのように奥行きを感じさせる技法を言います。物理的にはあくまで2次元なので、3次元的に思わせるのは一種の錯覚に陥らせているのだということから、このような手法をillusionと呼ぶようです。また、演芸の世界では、大掛かりな仕掛けをして、観客を幻想の世界に誘うマジックの手法をillusionと言ったりしました。このような人をillusionistなどといいます。


≪覚えてね≫
illusion=「illude」+「sion」->(「だまされること」が原義)->(実際にいないものと演じる)->(実際にいないものと戯れる)->「幻想」。prelude=「pre」(前に)+「lude」=「前置き」「導入部」「前奏曲」



≪読んでね≫
 illude=「il」(~に、atあるいはonの意味)+「lude」(演じる)->「だます、欺く」。allude=「al」(~と)+「lude」->(友人と遊びながら冗談に言う)->「(聞き手が多分知っていると思われることを)それとなく言う、ほのめかす」。delude=「de」(悪化)+「lude」->(良くない遊びをする)->「人の心を惑わせる、欺く」。elude=「e」(外へ)+「lude」->(遊びに出る)->「(巧みに身をかわして)~を逃れる」「(法律・義務・支払いなどを)回避する」。interlude=「inter」(~の間)+「lude」(演じる、劇)=「合い間、合い間の出来事」「幕あい」。postlude=「後奏曲」「最後の章」。ludicrous=「ludicr」(遊び)+「ous」=「嘲笑を誘う」。



lutは「汚す、洗う」

 lutは「洗う」という意味のラテン語の「luere」が語源です。ablution=「ab」+「lution」=「(宗教的な清めのために)手や体を洗うこと」。pollute=「pol」+「lute」(泥)=「泥で汚す」「汚染する」。deluge=「de」(分離)+「ludge」(洗う)->(洗い流す)->「大洪水」。delugeはラテン語のdiluere(洗う)から派生したdiluvium(大洪水)がフランス語delugeを経由して、英語に入ってきました。


≪覚えてね≫
pollute=「汚染する」。pollution=「汚染」。pollution disease=「公害病」。public pollution=「公害」。pollution-free=「無公害の」。pollution case=「公害訴訟」



ly(loy、leagu)は「結びつける」

 allyの「ly」、alloyの「loy」、leaguなどはラテン語のligareが語源となっています。ally、alloyなどはフランス語経由で英語に入り、leaguはイタリア語経由で、フランス語に入り、その後に英語に入ってきていますが、語源は同じです。従って、leagueとallianceはしばしば同盟、連合の意味で同じ使い方をされています。


 ally=「al」(~に)+「ly」(結びつける->ligare)=「同盟する」。alliance=「同盟」。alloy=「合金にする」。coalition=「co」+「ali」+「tion」=「連合」。League of Arab States=「アラブ連盟」。League of Nations=「国際連盟」(国際連合の前身)。


 似たような語にfederがあります。federal=「feder」(同盟)+「al」(~の)=「連邦の」。federate=「feder」(同盟)+「ate」=「連合体にする」。federation=「federate」+「ion」=「連盟」。federalism=「federal」+「ism」=「連邦主義」。federalist=「federal」+「ist」=「連邦主義者」。federalize=「federal」+「ize」=「連邦化する」。confederate=「con」+「federate」=「con」(一緒に)+「federate」=「同盟の」。confederation=「con」+「federation」=「連邦」。






MNO


magn(maj、max)は「大なる」

 ラテン語では大きいを意味する語は「magnus」(偉大な、大きな)で、その比較級が「major」、最大級が「max」です。地震の大きさを示すマグニチュードや、野球の名ジャーリーグなどの言葉もここから来ています。


≪覚えてね≫
magnitude=「magni」(大きな)+「tude」(性質・状態の名詞語尾)=「大きいこと」「重要性」「(天文)光度」「(地震)地震の大きさを示すスケール」。magnify=「magni」+「fy」(~にする)=「拡大する」「誇張して言う」。magnificent=「magni」+「ficent」=「正々堂々とした」。major=(ラテン語magnusの比較級)=「より大きな方の」「主要な」。majority=「major」+「ity」=「大多数」。majority decision=「多数決」。majority rule=「多数決原理」。majority verdict=「過半数評決」。major league=「大リーグ」。maxim=(ラテン語magnusの最上級)=「金言」「処世法」。maximal=「最高の」。maximum=「最大限」「(数学)最大、極大」。



≪読んでね≫
 magnanimous=「magn」+「animous」=「(敵などに対して)度量の大きな、寛大な」。magnate=「magn」+「ate」(人物)=「有力者」「大物」。magniloquence=「magn(i)」+「loqu」(話す)+「ence」=「大言壮語」「誇張」。



manは「手」

 manは「手」を意味しています。manicure=「mani」(手)+「cure」(手入れする)で、手の手入れをするという意味から、「つめや手の手入れをする」「マニキュアをする」という意味になりました。pedicure=「pedi」(足)+「cure」=「足の手入れ」という言葉もあります。マニュアルは日本語では「手引書」と言いますが、英語では、manual=「manu」(手の)+「al」(~に関する)ですから、そっくりですね。江戸時代に代官などの下役として農政を担当した役人を手代と言います。また転じて、商家の従業員の地位を表す言葉ともなっています。商家では、番頭と丁稚の中間に位する使用人を表しました。主人から、委任された範囲内で、営業上の代理権を持つ使用人ということになります。英語にすると、managerあるいはassistant managerとなります。manager=「man」(手)+「age」(行為)+「er」となりますので、英語と日本語の発想がまったく一致しているということになります。


≪覚えてね≫
manage=「man」(手)+「age」(行為)->(巧みに手を使う、馬を御するが原義)->「(事業などを)所有者に代わって経営する」「(扱いにくい人を)うまく取り扱う」。manager=「manage」+「er」=「管理者」。manual=「manu」(手)+「al」(に関する)=「手の」「手引書」。manufacture=「manu」+「fact」(作る)+「ure」(動作過程を表す語尾)=「製造業」。manufactory=「工場」(※古い言い方->現在はfactory)。manuscript=「manu」+「script」(書いたもの)->(手で書いたもの)->「手書きの原稿」。manner=「man」+「ner」=「手法」「方法」「行儀」。manifest=「man」(手)+「fest」(つかまれた)->(手でつかんでいるので、触って確かめることができる)->「明白な」。manifesto=「声明」。maintain=「main」(手)+「tain」(保持する)=「(ある状態を)保持する」。maintenance=「maintain」+「ance」(行為・性質)=「維持」。manipulation=「mani」(手)+「pul」(満たす)+「tion」->(手を使って何かをする)->「巧みな操作」。manipulate=manipulationからの派生語。mandate=「man」(手)+「date」(与える)=「命令」「指令」



≪注意してね≫
 似たような言葉でmanifoldという言葉がありますが、こちらはmanifold=「mani」(たくさん)+「fold」(折りたたむ)->(たくさん折りたたまれた)->「雑多で多岐にわたる」となります。



mand(mend)は「命ずる、託す」

 コンピュータを使っていると「コマンド」という言葉に出くわすことがあると思います。コマンドは英語では「command」と書き、利用者がコンピュータに与える「命令」や「指示」のことを指します。commandに使われている、「mand」という語根は、「命じる」とか、「指示する」という意味を持っています。


≪覚えてね≫
command=「com」(強意)+「mand」(任せる、命令する)=「命令する」。commander=「command」+「er」=「命令する人->指揮官」。demand=「de」(強意)+「mand」->(沈黙・服従などをはっきりと命ずる)->「(権利として、権威をもって)要求する」。remand=「re」(back)+「mand」->(元に戻すように要求する)->「(事件を)原審に差し戻す」「送り返す」「再拘留する」。「mand」は「mend」となることがあります。「mand」はラテン語の「mandare」から来ていて、「mend」は「mandare」の過去分詞形(mendare)から来ています。意味的には「委託する」となります。commend=「co」(強意)+「mend」(委ねる)=「賞賛する」「推挙する」(※recommendの方が普通です)。recommend=「re」+「commend」(勧める)=「推奨する」。


≪読んでね≫
 mandateに関しては、commandなどと同様に、ラテン語の「mandare」の過去分詞形を語源とする文献と、フランス語起源で、mandate=「man」(手)+「date」(与える)だとする文献があります。あるいは、両方を併記している文献もあります。mandatory=「mandate」+「ory」(~の性質のある)=「命令の」「(国が)統治を委任された->委任統治国」



measは「測る」

 measは「測る」を意味しています。measurable=「測定できる」、immeasurable=「計り知れない」「広大な」、measurement=「測定」「寸法」となります。immense=「im」(否定)+「mense」(測る)->(測れないほど大きい)->「巨大な」となります。


≪読んでね≫
 measureはラテン語のmetiri(測定する)を語源としています。似たような語にmeterがありますが、こちらはギリシャ語のmetronに由来するフランス語のmetreが英語に入ってmeterとなっています。

 immenseは測れないという意味のラテン語immensus(in+metiri)の過去分詞がフランス語を経て、英語に入ってきたものです。



medは「直す」

 医療のことをメディカルケア(medical care)といいます。これを省略して、「Medicare」と固有名詞の形にして言うとアメリカの保険制度のことを指します。オバマ政権の時に話題になったので、ご存知の方も多いと思いますが、アメリカには日本のような、全国民が加入する公的保険制度(国民皆保険制度)がありません。「Medicare」は、高齢者や障害者向けの公的保険制度のことであり、連邦政府が管理しています。アメリカの公的保険制度としては、この他に、貧困者向けの「Medicaid」(<-medical aidの省略形:メディケイド)があります。medicalの語根として使われている「med」はラテン語で医師を表す「medicus」から来ています。


≪覚えてね≫
medical=「med(i)」(医療)+「al」=「医療の」。medicable=「medic」+「able」=「治療可能な」。medic=「医学生」「医療従事者」。paramedic=「para」+「medic」=救急救命士。medicalize=「medic(a)」+「lize」(lise)=「医学的な見地から分析する」。medicate=「medic」+「ate」=「投薬する」。medicative=「medic」+「ative」=「薬効のある」。medication=「薬剤」。medicine=「medi」+「cine」=「医薬」「医学(※内科)」。medicinal=「medicine」+「al」=「薬の」。remedy=「re」(再び)+「medy」(直す)=「治療(法)」「医薬品」


・medical care=医療
・medical certificate=診断書
・medical clinic=医院
・medical ethics=医学倫理
・medical examination=健康診断
・medical history=病歴
・medical insurance=医療保険
・medical relief=医療補助
・medical technologist=臨床検査技師
・paramedic=救急救命士


≪読んでね≫
 medicが「medico」に変形することがありますが、ここからmedicopsychology=「medico」+「psychology」=「医学的心理学」。medicolegal=「medico」+「legal」=「法医学」などの言葉ができてきます。
 「medy」の入った言葉としては、comedyなどという単語もあります。「お笑いは薬になる」っていう研究結果もありますが、古代の人もそのことを知っていたのでしょうか。いや、そうではなくて、comedy=「com」(お祭り騒ぎ)+「edy」(歌手)=「喜劇」ということのようです。残念でした。それから、mediには中間という意味もあります。もしかしたら、医者は病気と、患者さんの間に入って、いろいろしてくれた人という意味でしょうか????(何の根拠もない説です)。



medi(mid)は「中間」

 「medi」は語根の意味としては、「中間」ですが、中間と言っても、何かと何かの中間で、仲介役のような働きをするという場合や、大きさなどが中程度という場合などもあります。位置的に、あるいは時間的に中間にあるというような場合もあります。ラテン語の中間を表す語は「medium」で、これが複数形になると「media」となります。media=「マスメディア」「マスコミ」「新聞・テレビ・ラジオ等の情報媒体」のことを言いますが、コンピュータの分野では、情報を保存する手段としての磁気ディスクや光ディスク、さらに情報を頒布する手段としての、通信回線あるいは、LANケーブルのようなものまで指すことがあります。また、「mid」の形で使われる場合もあります。



≪覚えてね≫
medium=「中間」。mediate=「medi」+「ate」=「紛争などを調停する」。mediation=「medi(ate)」+「ation」=「調停」。mediator=「mediate」+「or」=「調停者」。immediate=「im」(否定)+「mediate」->(中間のない)->「即時の」。intermediate=「inter」+「mediate」=「中間の」。

 medieval=「medi」+「(a)ev」(時代)+「al」=「中世の」。mediterranean=「medi」+「terrane」(terra=大地)+「ne」=「大地の中間にある」(固有名詞としえては地中海)。

 mediが「mid」となることもあります。middle=「mid」+「le」(~になる傾向のある)=「中間の」。midland=「mid」+「land」=「内陸部」。midnight=「mid」+「night」=「真夜中」。amid=「a」+「mid」=「~の中に」。


・medieval history=中世史
・mediterranean climate=地中海性気候
・medium-range ballistic missile(MRBM)=準中距離弾道弾(弾道ミサイル)
・medium-rare=(ステーキが)ミディアムとレアの中間の
・medium-sized=中型の
・mediacracy=マスメディアが支配する社会体制



≪読んでね≫
 mediocre=「medi」+「ocre」(岩だらけの山)->(中くらいの高さの)->「並みの、二流の」。mediocrity=「medi(o)」+「crity」=「平凡」「平凡な人」。mediocracy=「medi(o)」+「cracy」=「凡人政治」「凡人が評価される制度(組織)」。middlebrow=「middle」+「brow」=「(教養・趣味などが)そこそこの(人)」(※highbrow、lowbrow->browは「まゆ毛」)


≪注意してね≫
 「medi」が入っていても、meditate=「medit」(考える)+「ate」=「もくろむ、企てる」「熟考する」。meditation=「瞑想」「沈思黙考」という場合もありますので、注意してください。



mentは「精神」

 mentは「精神」を意味します。mentalは「精神の」です。mental breakdown=「神経衰弱」。mental fatigue=「意気消沈」「スランプ」。mentalism=「唯心論」。mentality=「知性」。心を運ぶとvehement=「vehe」(運ぶ)+「ment」=「感情などが激しい」となります。



migrは「移住する」

 migrは「住まいを移動する」という意味です。migrate=「移住する」。migration=「migrate」+「ion」=「移住」。migratory=「migrate」+「ory」=「移住性の」。migratory bird=「渡り鳥」。移住には外国に出ていく場合と、入ってくる場合があります。日本を基準にすれば、外国に移住するのがemigrateで、外国から日本に入ってくるのがimmigrateです。


≪覚えてね≫
migration=「migrate」+「ion」=「移住」。emigrate=「e」+「migrate」=「自国から他国へ移住する」。emigrant=「e」+「migrant」=「自国から他国への移住者」。emigration=「e」+「migrate」+「ion」=「自国から他国への移住」。immigrate=「im」+「migrate」=「外国人が移住する」。immigrant=「外国からの移住者」。immigration=「外国からの移住」。



minentは「突き出す」

 minentは「突き出す」とか、「立つ」という意味の語根です。ラテン語minereの現在分詞minensが英語に入ってきたようです。


≪覚えてね≫
imminent=「im」(上に)+「minent」(突き出している)=「(危険などが)今にも起こりそうな、差し迫った」。eminent=「e」(外に)+「minent」(突き出している)=「著名な」「卓越した」。prominent=「pro」(前方へ)+「minent」=「突き出た」「目立った」。prominence=「pro」+「min(ent)」+「ence」=「太陽の紅炎」。preeminent=「pre」(前に)+「e」(外に)+「minent」(突き出している)=「極めて優秀な」「ひどく目立つ」。supereminent=「super」+「e」+「minent」=「抜群の」「傑出した」。



mirは「驚嘆する」

 mirは「驚嘆する」という意味です。mirrorは「鏡に映った自分の姿を不思議に思う」が元々の意味です。mirageは「鏡に映して自分を見る」が原義です。


≪覚えてね≫
mirror=「鏡」。miracle=「mir」+「acle」=「不思議なもの」。miraculous=「miracul」+「ous」=「奇跡的な」。mirage=「蜃気楼」「幻想」。admire=「ad」(~に)+「mire」(感嘆する)=「感心する」。marvel=「mar」(->mir)+「vel」->(不思議な)->「(信じられないほど)驚くべきこと」。marvelous=「marvel」+「ous」=「驚くべき」「素晴らしい」。



monは「思い出させる」「警告する」

 monは「警告する」という意味のラテン語の「monit」から来ている場合と、思い出させるという意味の「monu」から来ている場合があります。


≪覚えてね≫
monitor=「monit」(警告する)+「or」=「監視装置(人)」「チェックする」。monument=「monu」(思い出させる)+「ment」->(思い出させるもの)->「記念品」。admonish=「ad」(~に)+「monish」(警戒する)=「(上司あるいは年上の人が)忠告する」。summon=「sum」(ひそかに)+「mon」(注意する)=「呼び出す」。monster=「monst」+「er」->(神聖な兆しが原義※神が人に警告を発するために放った怪物)->「怪物」。


 




mortは「死」

 mortは「死」を意味する語根で、ラテン語のmors(死)が語源となっています。


≪覚えてね≫
mortal=「mort」+「al」=「死ぬ運命にある」。mortality=「mortal」+「ity」(性質)=「死ぬ運命」。mortify=「mort」+「ity」=「恥をかかせる」「(肉欲・感情などを)禁欲や苦情で抑える」。immortal=「im」+「mortal」=「不死の」。mortgage=「mort」(死んでいる->実行力のない)+「gage」(誓約)->「抵当」。



≪読んでね≫
 mortician=「mort」+「ician」=「葬儀屋」。mortuary=「mort」+「uary」=「死体仮置き場」。エドガーアランポーの短編推理小説に「モルグ街の殺人事件」がありますが、原題は「The Murders in the Rue Morgue」で、モルグは「死体安置所」を意味します。身元確認・解剖・埋葬許可などの手続きが済むまでの死体安置所、あるいは病院などの死体安置室を意味します。イギリスでは主としてmortuaryが、米国では主としてmorgueが使用されるようです。

 似たような語源のものに、morbid=「morb」(病気)+「id」(状態を表す形容詞語尾)=「病的な」。murder->(殺すという意味の古英語morthorから)->「殺人」



mountは「山」

 mountは「山」、「山に登る」の意味です。


≪覚えてね≫
mount=「山」「山に登る」。mountain=「山」。dismount=「dis」+「mount」=「降りる」(※馬・自転車・オートバイなどから降りる)。amount=「a」(~へ)+「mount」->(~へ登る)->「物が総計~に達する」「結局好ましくないことになる」。paramount=「par」(~を通って)+「mount」=「最高の」。promontory=「pro」(前に)+「mont」(山に)+「ory」(場所)->(前に山のように突き出したところ)->「岬」。surmount=「sur」(~の上に)+「mount」=「(困難・障害に)打ち勝つ」。



≪読んでね≫
 moundは、墓や防壁のように盛り土したところという意味で、比喩的にうず高く山のように盛り上げたものをいいますが、語源的にはよく分かっていません。



nau(nav)は「船」

 アメリカ合衆国海軍の世界最初の原子力潜水艦は「ノーチラス」(Nautilus)と名付けられました。この「nautilus」はオームガイを表します。nautilusの「nau」は船を表します。この「nau」は「nav」にも変わります。海軍の「navy」やナビゲーションシステムの「navigation」なども「nav」から作られた単語です。


≪覚えてね≫
nausea=「nau」+「sea」=「船酔い」。nautical=「nau」+「tical」=「海の」「航海の」。nautical mile=「海里」。aeronautical=「aero」(空気の、空の)+「nautical」(航海の)=「航空の」。aeronautics=「航空術」。navy=「nav」+「y」=「海軍」。naval=「nav」+「al」=「海軍の」。navigate=「navi」+「gate」(操縦する)=「(船・飛行機を)操縦する」。navigator=「navigate」+「or」=「航海士」。navigation=「navigate」+「ion」=「航海」。



≪読んでね≫
 ノーチラス号という名前は、アメリカ合衆国海軍が世界で最初に建設した「原子力潜水艦」の名前です。この名前は、ジュールベルの有名なSF海洋小説「海底二万マイル」から来ています。この小説は、ネモ船長という謎の人物によって率いられたノーチラス号の冒険譚です。ところが、この「ノーチラス号」という名前にはさらに元があります。アメリカ合衆国のロバートフルトンという発明家がいまして、この人が1800年に、世界で最初に設計した潜水艦の名前がノーチラス号です。このロバートフルトンについては高校の世界史で勉強した人がいるかもしれませんね。ハドソン川に蒸気船を浮かべて航行実験を行い、実用化に成功した人物です。



negは「否定する」

 negは「否定」を意味します。否定的な人、消極的な人をネガティブ(negative)な人と言ったりします。


≪覚えてね≫
negate=「neg」+「ate」=「無効にする」。negative=「neg」+「ative」=「否定の」。neglect=「neg」(~しない)+「lect」(集める)->(集めない)->「おろそかにする」。negligence=「neglig(ent)」+「ence」=「不注意」。negotiate=「neg」+「oti」(ひま)+「ate」->(一息入れる暇がない)->「交渉する」。



≪読んでね≫
 女性の「ネグリジェ」は、英語ではnegligeeです。これはneglectと同語源で、「身なりを構わない状態」->「くつろいだ部屋着」と転じたようです。日本では女性用の寝巻を指すようですが、英米では寝巻の上にはおる薄手の部屋着を指すようです。



nomは「名前」

 nomは「名前」を意味します。名前を意味する語は、ラテン語系のnomだけでなく、ギリシャ語系のonymや、インド・ヨーロッパ系言語の祖語にまで遡ることができるnameなどがあります。ただし、読んだ時の語感が共通していますので、更に元を辿ると同じかも知れません。


≪覚えてね≫
nominal=「nomin」+「al」(~の)=「名ばかりの」「有名無実の」。nominate=「nomin」+「ate」->(名前を明らかにする)->「指名する」。denominate=「de」+「nominate」=「命名する」。anonym=「an」(無)+「onym」=「偽名、匿名」(->pseudonym)。anonymity=「an」+「onym」+「ity」=「匿名、匿名性」。anonymous=「an」+「onym」+「ous」=「匿名の」。homonym=「hom」+「onym」=「同形同音異義語」(例:bear=くま、bear=耐える)。antonym=「ant」+「onym」=「反対語」。synonym=「syn」(同じ、似た)+「onym」=「同義語、類義語」。



≪読んでね≫
 nomはラテン語から、onymはギリシャ語からラテン語を経由して、英語に入ってきたようですが、nameはインドヨーロッパ系言語の祖語にまで遡ることがことができるようです。nomについては、名詞はラテン語のnomenが、動詞の「名付ける」はラテン語のnominareの過去分詞が英語に入ってきています。「名前」とか、「名付ける」という語は言語にとっては基本中の基本の語ですので、さまざまな経緯で英語の中に入ってきています。

 デノミネーションは「命名する」という意味ですが、「(金銭などを)(ある貨幣単位で)表示する」という意味もあります。金銭の呼び方を変えると、貨幣価値の切り下げや切り上げができます。今日ではこちらの意味で使うことが多くなっています。



notは「注目する」「記録する」

 note=「印をつける」「書き留める」の意味です。notable=「note」+「able」=「注目に値する」。notice=「not(e)」(知っている)+「ice」(状態・行為)=「注目」「通報」。notorious=「noto」+「rious」=「よく知られた」「悪名高い」(※infamous)。annotate=「an」+「not」+「ate」=「本に注釈をつける」。denote=「de」(強意)+「note」=「記号などではっきり示す」。



nounceは「報じる」

 nounceは「報じる」という意味です。ラテン語のnuntiareから来ています。アナウンス(announce)や、アナウンサー(anouncer)などの語根となっています。


≪覚えてね≫
announce=「an」(~に)+「nounce」=「公表する」「知らせる」。announcer=「announce」+「er」=「アナウンサー」。denounce=「de」(非難)+「nounce」(知らせる)->(悪意を込めて知らせる)->「非難する」。pronounce=「pro」+「nounce」=「(単語などを)発音する」。renounce=「re」(反対)+「nounce」->(離れて報告しない、放棄する)->「断念する、放棄する」。



≪読んでね≫
 ラテン語のnuntiareは過去分詞形になるとnuntiatusとなります。これを語根として使ったのが、enunciate=「e」+「nunci」+「ate」=「(理論・主義などを)明確に宣言する」です。



novは「新しい」

 「nov」は「新しい」という意味の語根です。文学の形式には、随筆とか、評論とか、伝奇、空想、史書、詩、戯曲などがありますが、novelは、これらとは、内容や形式で異なるもので、今までにない奇抜なものという意味です。日本では、坪内逍遥がこれに「小説」という名前を与えました。


≪読んでね≫
 novel=「小説」。novelty=「新しさ」「目新しいもの」。innovate=「in」+「nov」+「ate」->(刷新する)->「導入する」。innovation=「革新」。renovate=「re」+「novate」(新しくする)=「(古い建物・絵画などを)修復する」「革新する」「刷新する」。renovation=「修理」「革新」「刷新」。novice=「nov」+「ice」=「初心者」。


≪時間があったら読んでね≫
 nova(ノバ)は天文では、新星を意味します。爆発により急激に光度を増し、数週間から数年で元の光度に戻ります。似たような言葉に超新星(supernova)があります。こちらは、大質量の恒星がその一生を終える際に起こす大規模な爆発現象のことです。両者は名前は似ていますが、発生原理や光が増す原理は全く異なります。英語、日本語何れも新しく生まれるという意味の名前を与えられていますが、新しく星が生まれるわけではありません。



orderは「列」

 orderは「順序正しく一列に並んだもの」というのが元々の意味です。ラテン語のordoがフランス語のordreを経て、中期英語に入ってきました。「順序正しく並べられて」いますので、「順序」や「命令」の意味が出てきます。また、「階級」という意味も出てきます。


≪覚えてね≫
order=「順番」「整列」「順調」「規律」「社会階級」「聖職者の位階」。disorder=「dis」+「order」=「混乱状態」。ordinary=「ordin」+「ary」=「順序通りの」「通例の」。extraordinary=「extra」(~の範囲外の)+「ordinary」=「並みはずれた」。ordinace=「ordin」(命令する)+「ance」=「法令」「宗教儀式」。ordinate=「ordin」+「ate」=「(数学)縦座標」「規則正しく配列された」。ordination=「聖職者の叙任式」。co-ordinate=「(数学)座標」「調和よく組み合わされたもの」「同等のもの」。subordinate=「sub」(下に)+「ordinate」(命令する)->(下に位置するように命令する)->「副次的な」「下級の」。



≪注意してね≫
 芸能分野でよく使われるオーディションは「audition」(試聴)です。では、化粧水や、香水として使わるオーデコロンはどうでしょうか。フランス語では「eau de Cologne」(読みは、「オー・ドゥ・コローニュ」?)です。これをそのまま、日本語に訳すと「ケルン水」の意味です。ケルン(Cologne)はドイツの地名ですが、ローマ帝国の植民地(colony)ということから来ているようですね。ということで、オーデコロンはドイツ生まれの化粧水です。ドイツ語は「das Kölnishes Wasser」となります。


PQRS



parは「等しい」

 parは等しいを表すラテン語(par)が語源です。夫婦1組はpairと言いますし、同じようなものを並べて等しいかどうか判断することをcompareと言います。同じような階級の人はピア(peer)で、クライアントサーバシステムの対立概念である、P2Pは正確にはpeer to peerと言い、同等の端末同士の情報交換を表します。賛否同数でどうしようもない場合に、どちらかに決める(裁定する)人をumpireと言います。


≪覚えてね≫
compare=「com」+「pare」=「比較する」。pair->(ラテン語のparia->等しい)->「2つからなる1対の1組」。peer->(ラテン語のpar)->「貴族」「同等の人」。peerless=「無比の」「無類の」。umpire=「um」(->non->um)+「pire」(par)->(同等でない人)->(賛否同数の場合に裁定する人)->「アンパイア、審判、裁定人」。



≪読んでね≫
 pairと似たような語にcoupleがあります。共に、2つのものが一緒になったこと表しますが、結合力はpairの方がcoupleよりも強力です。pairは2つ揃って1組になるものですが、片方がなければ役に立たず、完全ではないものを指します。coupleはそれよりも結合力は弱く、1つでも機能を果たすことができます。例)a couple of books
 umpireはフランス語のnonper(同等でない人)が中期英語に入り、numpereになり、後に「n」が落ちて、umpireと変化したようです。



parar(pare、pair)は「用意する」

 prepareは「予め」(pre」、「準備する」(pare)という意味になります。paradeなども(人を喜ばすために準備中の集団)という意味です。


 ≪覚えてね≫
prepare=「pre」(予め)+「pare」(準備する)=「用意する」。preparatory=「prepare」+「ory」=「準備の」。repair=「re」(再び)+「pair」(用意する)=「修理する」。separate=「se」(離れて)+「parate」(準備する)->(別々に準備する)->「引き離す」。several=「se」+「veral」->「se」+「peral」->「(少ない感じで)いくつかの」。apparatus=「ap」+「para」+「tus」->(用意したもの)->「器具一式」「機械」。parade=「para」+「de」->(人に見せるために予め準備したもの)->「パレード」「示威運動」。



parlは「話をする」

 parlは「話をする」という意味です。民主主義の国では議会は「話をする」ところ?とされることが多いようです。議会はただ行政府の話を聞くだけの場所ではなく、議論するところです。議会政治の盛んなイギリスでは、国会をparliament=「parlia」(議論をすること)+「ment」(場所)=「議会」と言っています。parlorは以前は「居間」の意味で使われていましたが、最近は、「客間風の作りのお店」という意味で使われているようです。戦場で休戦条件などについて会談、交渉することをparley(やや古語)ということもあります。


≪読んでね≫
 国会の言い方はParliament(イギリス、カナダ、オーストラリア)以外に、Congress(米国、中米諸国)、Dietなどがあります。Congress=「con」(一緒に)+「gress」(行く、進む)=「(よく話し合って一緒に進んでいこうね」という感じですから、やはり話し合いの雰囲気が出ていますね。では、Dietはどうでしょうか。これは、神聖ローマ帝国で、議会を開催する日はお祭りのような日で、「集会に当てられた1日」、「帝国の日」のように言われていたことに起因しているようです。ドイツ語ではtagです。この意味の、ラテン語のdietaなどからの翻訳語のdietが英語訳として使われたようです。神聖ローマ帝国の流れを汲むドイツやオーストリア、スイス、ポーランドなどはこの言い方を英語訳として使っています。日本は後にドイツを統一することになるプロイセン王国の憲法を参考にして、憲法制度を作っていますので、英語の呼び方もDietとしたようです。Dietには話し合いの雰囲気が入っていませんね。やはり、行政府の代表者が話すことをただ聞いているだけということが多いのでしょうか?



pastは「飼う」

 キリスト教のプロテスタントでは、教区の宗教的儀式を行う聖職者を牧師と言っています。キリスト教では、一般の信者を「迷える子羊」としていまですので、この子羊を導く聖職者が牧師(つまり羊飼い)ということになります。そして、プロテスタントの牧師は英語ではpastorです。pastとは「飼う」で、pastor=「past」+「or」(人)です。つまり、英語のpastorもそのまま、羊飼いということです。


≪読んでね≫
 pastor=「past」(えさを与える)+「or」(人)->(迷える子羊を導く人)->「牧師」。pastoral=「past」=「pastor」+「al」=「羊飼いの」「田園の」。the Pastoral Symphony=「田園交響曲」(ベートーベンの第六交響曲)。pasture=「牧草地」。repast=「re」+「past」->(原意は食事の後にまた軽食をとること)->「食事」。



prisは「捕える」

 「pris」は「捕まえる」という意味です。「prison」は「捕まえられた」人が入れられる所ということで「監獄」「刑務所」という意味になります。「刑務所」に入れられる人が「prisoner」です。エンタープライズ(enterprise)や、サプライズ(surprise)なども、「pris」からできた単語です。


≪覚えてね≫
enterprise=「enter」(~の中に)+「prise」(取る、つかむ)->(手の中でつかむ)->(管理する、企てる)->「(困難な、冒険的な)事業」。surprise=「sur」(上から)+「prise」->(上から捕まえる)->(不意をつく)->「(不意に)びっくりさせる」。comprise=「com」(一緒に)+「prise」(つかむ)->「包含する」。reprise=「re」(再び)+「prise」->(取り戻す)->「反復する」。apprise=「ap」+「prise」=「知らせる」。「prise」は古期フランス語では「prendre」で、ラテン語では、「prehendere」ですので、英語でも「prehend」となることもあります。comprehend=「com」(完全に)+「prehend」(つかむ)=「理解する」。prize=「賞」も「prise」から来ているようです。



≪注意してね≫
 「rise」の前に「p」がついている場合もありますので注意してください。例)uprise=「up」+「rise」(立つ)=「立ち上がる」。



privは「個人、自分のもの」

 インターネットが普及すると、ウィルスやシステムへの不正侵入などによって個人情報が漏えいするという事件が多くなってきています。プライバシーとは、個人情報よりも広い概念ですが、一般的には個人情報が洩れることによってプライバシー(privacy)が侵害されたと考えるようです。privacyの語根として使われる「priv」は「個人」を意味します。


≪覚えてね≫
private=「priv」+「ate」=「孤独な」。privacy=「(他人から干渉されない)自由な私生活」。deprive=「de」(完全に)+「prive」(自分のもの)->(完全に自分のものにする)->「奪う」。privilege=「privi(->private)」(個人に属する)+「lege」(法律)=「権利」。



≪読んでね≫
 proper->(自分自身の、独特な、特殊な)->「適切な」。appropiate=「ap」+「propri」+「ate」->(自分自身のものにする)->「適切な」


≪時間があったら読んでね≫
 プライバシー権は私生活上の事柄をみだりに公開されない権利ですが、法律的に「プライバシー法」のような具体的な法律はまだできていません。判例の積み重ねや、憲法の基本的人権の適用などによって、支えられている権利です。判例が根拠だと、同じような事案でないと適用は難しくなります。そこで、早い時期での「プライバシー法」の制定が待たれるところですが、法律を作るとなると、なかなか難しいようです。しかし、インターネットの普及によって、個人情報漏えい事件が頻発して、いよいよ待ったなしになりました。そこで、制定しやすいということでしょうか?プライバシー権の中の、個人情報の保護だけでもいいから、早く作ろうということになり、「個人情報保護法」が作られたようです。



punct(point)は「突き刺す」

 punctは「突き刺す」です。画鋲や、針、くぎなどのとがったものが「突き刺さる」という意味です。釘がタイヤに刺さるとパンク(puncture)が発生します。味覚や臭覚の細胞に刺さると、ピリッとした刺激(pungent)となり、良心に刺さると良心の痛み(compunction)となります。punctはラテン語起源ですが、プランス語起源のpointも同じ意味があります。


≪読んでね≫
 punctual=「punctu」(点)+「al」(~の性質の)->(点の性質を持つ)->(広がりのない)->(几帳面な)->「時間を守る」。pungent=「強く刺激する」。puncture=「とがったもので刺す」。compunction=「良心の痛み」。punctuate=「punctu」+「ate」=「句読点を付ける」。punctilious=「細心の」。指すという意味で、フランス語起源のpointを使う場合もあります。appoint=「a」+「point」=「~指名する」。appointee=「appoint」+「ee」=「任命された人」。appointor=「appoint」+「or」=「指名者」。appointment=「appoint」+「ment」=「指名」。disappoint=「dis」+「appoint」->(指名しない)->「失望させる」。

 穴あけ器のpunchはフランス語から英語に入ってきたpuncheonの短縮形です。拳骨を意味するパンチpunchも語源は同じです。



rapは「ひったくる」

 rapは「ひったくる」「強奪する」という意味です。「ひったくり」は素早く行う必要がありますので、「素早い」という意味も出てきます。ものを奪うこともありますが、心を奪うこともあります。


≪覚えてね≫
rape=「強奪する」「女性を犯す」。rapacious=「rapa」(rape)+「cious」=「強欲な」。素早いという意味ではrapid=「rap」+「id」=「速い、急な」。心を奪うという意味では、rapt=「心を奪われた」。rapture=「rapt」(うっとりしている)+「ure」(こと)=「歓喜」「うっとりしている状態」。enrapture=「en」+「rapture」=「うっとりさせる」。ravage=「rav」(奪う)+「age」=「荒廃」。raven=「rav」+「en」=「荒らしまわる」。ravish=「rav」+「ish」=「力づくで連れ去る」。



rectは「正しい」

 rectは「正しい、まっすぐな」という意味です。correct=「cor」(強意)+「rect」=「正しい」で、語源的には、「まっすぐにする」のラテン語corrigere=「con」(強意)+「rigere」(->regere)の過去分詞correctusが英語に入ってきたものです。


≪覚えてね≫
correct=「cor」(強意)+「rect」=「正しい」。correctly=「correct」+「ly」=「適切に」。direct=「di」+「rect」->(まっすくに導いていく)->「指導する」。directly=「direct」+「ly」=「直接に」。direction=「direct」+「ion」=「指導」「支配」。erect=「e」(外へ)+「rect」(導かれた)->(内部から外に導かれた)->「まっすぐに建てる」「直立した」。



 correctable=「訂正可能な」。correction=「訂正、修正」。correctitude=「(言動・作法などの)正しさ、適切さ」。corrective=「矯正的な」。rectangle=「rect」(まっすぐな)+「angle」->(まっすぐな角で直角?あるいは正しい角で直角か?)->「長方形」。rectify=「rect」+「ify」(作る)=「正しくする」「修正する」「改正する」。rectification=「改正」。rectitude=「公正」。rectum(straight intestine)->(まっすぐな腸)=「直腸」。



regは「統制する」

 rectは「正しい」という意味ですが、語源はラテン語の「regere」です。「王」も語源的には同じです。王の意味からregalisという語が派生し、英語に入ってregalとなっています。そして、「支配する」「規則的な」という意味も出てきます。


≪覚えてね≫
regimen->(支配する、統率する)->(健康のために生活を規制する)->「養生」「食事療法」。regime=「政治形態」「政権」。regiment=「(大佐を指揮官とする)連隊」。region->(支配地域)->「地方」。regal=「王の」。regular=「法にかなう」「規則的な」。regulate=「取り締る」。reign=「支配」。regnant=「(特に女王が)統治する」「(習慣などが)支配的な、影響力のある」。



rivは「流れ」

 rivは「流れ」を意味します。ライバル(rival)は「同じ川を利用する人」の意味です。同じ川を利用する人同士は、畑に水を引いたり、飲み水を汲んだりする際に争いが生じやすいものです。そこで、「競争相手」という意味が生まれました。


≪覚えてね≫
river=「川」。riverfront=「河岸地域」。riverhead=「水源」。riverside=「川岸」。rivulet=「rivul」(川)+「let」(指小辞)=「小川」。rival=「競争相手」。rivary=「競争関係」。derive=「de」(分離)+「rive」(川)->(川から水を引く)->「(利益・楽しみ・安心・知識などを)引き出す」。derivation=「由来」「起源」「派生語」「(化学)誘導体」。arrive=「ar」(~に)+「rive」->(水路で岸につく)->「到着する」。arriviste=「到着者」「私利私欲に満ちた)成り上がりもの、野心家」。



rolは「回転する」

 rolは車輪を意味するラテン語のrotaから来ていますので、rotate=「rot」(車輪)+「ate」=「回転する」と、roll=「転がる」は同語源ということになります。


≪覚えてね≫
roll=「転がる」。roller=「roll」+「er」=「転がす人」「ローラー」。role->(役者のセリフを書いた巻物)->「(劇などの)役」。control=「cont」(contra)+「roll」->(勝手に転がるのを止めるために、逆方向に転がす)->「制御する」。enrol->(巻物に記入する)->(名簿に記入する)->「登録する」。rotate=「rot」+「ate」=「回転する」「他のものの周りを回る」。rotary=「回転式の」。



sanは「健康な」

 健康になるためには長期的な療養が必要という患者さんが行くところが療養所です。結核療養所などがその代表でしょうか。療養所はサナトリウムと呼ばれているところが多いようです。英語ではsanatoriumです。「sanat」は治すの意味のラテン語sanareに由来しますが、このsanareの「san」(ラテン語はsanus)は「健康」という意味です。


≪覚えてね≫
sane=「人がまともで正気な」。sanity=「正気」。sanitary=「衛生的な」。sanitation=「公衆衛生」。sanitize=「無毒化する」。sanatorium=「療養所」。insane=「in」+「sane」=「正気でない」。insanity=「in」+「sanity」=「狂気」。insanitary=「in」+「sanitary」=「不潔な」。



≪読んでね≫
 sane=「人がまともで正気な」は、健康を意味するラテン語のsanusから来ています。insane=「in」+「sane」=「正気でない」。ラテン語がsanitasとなり、これがフランス語経由で英語に入ってきて、sanity=「正気」、sanitary=「衛生的な」、sanitation=「公衆衛生」、sanitize=「無毒化する」。insanity=「in」+「sanity」=「狂気」。insanitary=「in」+「sanitary」=「不潔な」が派生しています。

 挨拶などを意味するsaluteはラテン語のsalus(健康)から来ています。ラテン語のsalusは「他人の健康への願い」が原義のようで、ここから「挨拶」の意味が生まれています。salute=「挨拶する」。salutary->(健康に良い)->「有益な」。salubrious=「健康に良い」。

 Webサイトや掲示板などを、「荒らし」から守るために、Webページの入力フォームや、メールの入力フォーム、アンケートの入力フォーム、あるいはチャットの入力欄などから、HTMLタグや、「JAVA Scriptコード」「SQL構文」「OSコマンド」などを入力できないように対策することを、「無毒化」とか「無害化」といいますが、英語では、「sanitizing」といいます。



sanctは「神聖な」

 sanctは「神聖な」という意味です。鳥獣保護の区域のことをサンクチュアリ(sanctuary)と言いますが、sanctuary=「sanct(u)」+「ary」=「聖域」ということになり、「駆け込み寺」とか、「亡命者が逃げ込む場所」、「犯罪者が逃げ込む場所」、「教会の罪人庇護権」という意味が出てきて、ここから「鳥獣保護区域」という意味が出てきたのだと思います。


≪読んでね≫
 sacred=「神聖な」。sanctify=「sanct」(神聖)+「fy」=「神聖にする」。sanction=「sanct」+「ion」=「(公権力による法的)認可」。sanctitude=「sacnt」+「itude」=「神聖さ」。sanctity=「sanct」+「ity」=「神聖さ」。sanctuary=「sanct」+「uary」=「神殿の最も神聖な場所」。sanctum=「sanct」+「um」=「(寺院やモスク内の)聖所」。sanctimony=「sanct」+「imony」=「信心家ぶること」。sanctimonious=「sanct」+「mony」+「ous」=「信心深げな」。

 consecrate=「con」+「secrate」(->sacred)=「(生命などを)(主義・目的に)捧げる」。sacrifice=「sacri」(神聖な)+「fice」(~にする)=「神にいけにえを捧げる」。sacrilege=「sacr」+「lege」(盗む)->(教会荒らしや教会泥棒のような)->「神聖冒涜」「神聖侵害」。sacristy=「聖具室」。sacrosanct=「神聖で侵すことができない」。

 saint=「聖人」については、consecrateの語源となったラテン語のsancireの過去分詞のsanctusが、フランス語seintを経て、英語に入りsaintとなりました。



satは「満ちた」

 satは「満ちた」という意味です。空気中に存在できる水蒸気の量は温度によって異なります。温度が高くなると、たくさんの水蒸気を含むことができます。この温度ごとの、存在できる水蒸気量のことを飽和水蒸気量(saturated water vapor)と言います。この飽和水蒸気量を越えた水蒸気は、水蒸気としては存在できないので、水の状態となります。これが結露と呼ばれる現象です。多くの日本人を悩ませている、花粉症にも同じような原理が働いているようです。飽和状態に至るまでは、花粉症は発症しませんが、今まで吸い込んだ花粉の量が飽和状態を越えてしまうと、途端に花粉症が発症してしまうようです。


≪覚えてね≫
sate=「食欲や欲望を十分に満足させる」「飽き飽きさせる」。satiate=「食べ物や物事を必要以上に与えてうんざりさせる」(通例受け身で)。satisfy=「満足させる」(受身あるいは~oneself)。satisfaction=「満足」。satisfactory=「十分な」。dissatisfy=「不満にさせる」。dissatisfaction=「不満」。saturate->(大量の液体をしみこませる)(しばしば受身形)->「飽和状態にする」。saturation point=「飽和点」。



≪読んでね≫
 風刺や皮肉をsatireと言いますが、元々の意味は「いろいろの食物を混ぜ込んだ料理」->(その中には食欲をそそるために香辛料も入っていた)->(社会に対する辛辣な批評)->「ごまぜの詩」(ラテン語でsatura)->(フランス語経由で、近代初期に英語に入って)->「人々の悪事を冷やかしたり、非難したりする文学作品」となっています。



scend(scal)は「登る」

 物事の規模や程度が段階を追って徐々に拡大・激化することを「エスカレート」といいます。これは、19世紀の発明品「エスカレータ」(escalator)から来ています。escalatorは「escala」+「tor」と分解することができます。「escala」はラテン語の「escala(de)」(はしごを上る)から来ています。また、ラテン語の「scala」は「はしご」を意味しています。これと、「elevator」を合成して、「escalator」という新しい言葉ができました。そして、この「escalator」を語源にして、「escalate」や、「escalation」などが派生しています。これ以外に、「scend」にも上るという意味があります。


≪覚えてね≫
ascend=「a」(~へ)+「scend」(上る)=「登る」。ascent=「登ること」。ascendant=「a」+「scend」+「ant」=「支配的な、優勢な」「祖先」(※通常はancestor)。descend=「de」+「scend」=「降りる」。descent=(descendの名詞形)「降下」。descendant=「descend」+「ant」=「子孫」。condescend=「con」(完全に)+「descend」=「お高くとまらない」「謙遜する」。


 



sciは「知る」

 sciは「知る」という意味です。ラテン語の「scire」」を語源としています。sciと言えば、すぐにサイエンス(science)を思い出す人が多いと思います。scireの現在分詞sciensから派生したscientia(知識)がフランス語を経て、英語に入ってきました。科学や体系的な学問を表します。


≪覚えてね≫
science=「sci」(知る)+「ence」(~すること)=「科学」。conscience=「con」(強意)+「science」(知っていること)->(善悪の区別をよく知っていること)->「良心」「誠実さ」。conscious=「con」+「sci」+「ous」=「意識している」。consciousness=「conscious」+「ness」=「~に気づいていること」「意識」。unconscious=「un」+「conscious」=「意識を失った」。



≪読んでね≫
 omniscience=「omni」(全)+「sci」+「ence」=「全知、無限の知識」「全知の神」。



sel(cil)は「集める、招集する」

 カウンセラー(counselor)は依頼者の問題や悩みなどの相談を受け、持っている専門的な知識や技術で、その解決を試みる人のことです。相談員です。カウンセリングを受ける人は、counseleeと言います。接尾辞の「ee」は「~される人」を表します。例えば、appointeeは「任命された人」、arresteeは「逮捕された人」、employee=「雇われた人->従業員」などとなります。


≪覚えてね≫
counsel=「coun」(共に)+「sel」(集める、招集する)->(相談する)->「(熟慮の上でなされる専門的な)助言」。counseling=「相談」。counselor=「助言者」。(※英国では、counselling、counsellor)。「sel」は「cil」ともなります。council=「coun」+「cil」(呼ぶ)->(共に呼び合って集まる)->「会議」。councilor=「評議員」。councilman=「会議員」。conciliate=[con」+「cil(i)」+「ate」->(一緒に集めて、説得する)=「(うまいことを言って)人をなだめる」。reconcile=「re」+「concile」=「和解させる」。



sens(sent)は「感じる」

 発明当初は弾道計算や暗号解読に使われていたコンピュータですが、やがて研究開発や、事務処理にも大活躍するようになります。コンピュータはネットワークでつながれ、ネットワークはついにインターネットにまで成長します。これで終わりではありません。コンピュータは電気器具とも結ばれ、インタネットを通じて、この電気器具を制御することができるようになります。この時重要な働きをするのがセンサー(sensor)です。センターはまるで人間の五感のように事象を量的にとらえることができます。熱や、力、仕事などの物理的な量や、濃度などの化学的量を、コンピュータが処理しやすいような電気信号に変えて、教えてくれるとても便利なデバイス(device)です。sensorの「sens」は感じるという意味を持つ語根です。


≪覚えてね≫
sense->(知覚する)->(知的に進む、苦労して進む)->「感覚」。sensor=「sense」+「or」=「感知装置、センサー」。nonsense=「non」(無)+「sense」(意味)=「無意味、ばかげたこと」。sensible=「sense」+「ible」=「分別のある、賢明な」。insensible=「in」(否定)+「sensible」=「意識しない、気づかない」「無感覚な」。sensual=「sensu(sense)」+「al」=「(知的・精神的でなく)(肉体的な)快楽趣味の、好色な」。sensitive=「sense」+「itive」=「影響を受けやすい、傷つきやすい」「敏感な」。sensation=「sense」+「ation」=「(痛み・熱さなどの)感覚」。sensational=「sense」+「ation」+「al」=「感覚に関する」。sentiment=「senti」(感じる)+「ment」=「心情」。sentimental=「senti」+「ment」+「al」=「心情的な」。consent=「con」(共に)+「sent(->sense)」=「同意する、承諾する」。resent=「re」(反復)+「sent(sense)」->(人の行為などを「公正でない」と反復して思う)->「憤慨する」。assent=「as」(~を)+「sent(sense)」->(~をよく考えてみる)->「(よく考えた後で)同意する」。sentence=「sent(sense)」+「ence」->(感じ方、意見を文字で表すこと)->「文」。consensus=「con」+「sensus」->(共に同じことを感じた)->「一致、コンセンサス」



ser(sert)は「結びつける、置く」

 コンピュータの世界では「シリアル」という言葉がよく使われますが、「直列」という意味です。データ処理でも、通信でも使われます。シリアル通信は、信号を1つずつ順番に送信するという意味です。製品ごとに付けられる固有の番号は、シリアルナンバー(製造番号)と言われます。英語では、「serial」と書きます。語根の「ser」は「結合する」という意味です。テレビドラマのシリーズ(series)などにも、語根の「ser」が入っています。この「ser」はラテン語の「serere」(つなぐ、連結する)から来ています。日本シリーズや、ワールドシリーズなどの言葉もよく使いますね。ラテン語の「serere」から派生した語の中には「sert」と「t」がついている場合もあります。


≪覚えてね≫
series->(ラテン語の「serere」)->「連続」。serial=「seri(series)」+「al」=「連続的な、通しの」。desert=「de」(否定)+「sert」(結合する)->(結合を切られた)->「切り捨てる、見捨てる」(※(見捨てられた土地)->「砂漠」)。deserted=「desert」+「ed」=「見捨てられた」。assert=「as」(~に)+「sert」(結びつける)->(正当性などを結びつける)->「(正当性などを証拠はないが自信をもって)断言する」。insert=「in」(中へ)+「sert」(結合する)=「差し込む」。exert=「ex」+「(s)ert」->(外に結合する)->「(影響・圧力などを)及ぼす」。



≪読んでね≫
 日本語だと同じ「シリアル」になってしまいますが、トウモロコシや麦などの穀物の総称としての「シリアル」は「cereal」と書きます。これは、ローマの農業の女神セレス(Ceres)から変化したものと言われています。



signは「印」

 signは「印」を表します。一般的には数学や音楽で使う記号の意味ですが、本来は「何らかの意味を伝えるしるし」を指しますので、身振りや手まねなどの合図、兆し、病気の兆候、野獣などの足跡、何らかの証拠になる形跡、あるいは掲示板、看板などを表します。日本では書類のサイン(->英語はsignature)、有名人のサイン(->英語ではautograph)などという使い方をしますが、和製英語ですので注意してください。


≪覚えてね≫
sign=「印」「合図」「標識」「印をつける」「合図する」。signal=「sign」(合図する)+「al」=「信号」。signature=「signat「(署名する=sign)+「ure」(~こと)=「署名」。signify=「sign」+「ify」=「表明する」「(態度などが)~を意味する」。significant=「signific」(意味のある)+「ant」(~の性質を有する)->(意味ありげな)->「重大な」。significative=「意味を表す」。signification=「意味」。assign=「as」(->ad=~に)+「sign」(印をつける)=「割り当てる」。assignation=「assign」+「ation」=「割り当て」。assignment=「assign」+「ment」=「割り当て」。design=「de」(下に)+「sign」(印をつける)->(下地を描く)->「設計する」。designate=「de」(強意)+「sign」(印をつける)+「ate」->(目立つように印をつける)->「(人・物・記号などが)(物・事・場所・地位などを)示す」。resign=「re」(否定)+「sign」(署名する)=「辞職する」。



≪読んでね≫
 consign=「co」+「sign」->(一緒に署名する)->「連帯保証人になる」。signatory=「署名者」。signet=「sign」+「et」(指小辞)=「印鑑」。



similは「似ている」

 「ファクシミリー」は「facsimile」で、「fac」+「simile」(似ている)となります。「fac」は「make」なので「make similar」となり、「よく似たものにしなさい」という意味になります(->複写の->写真電送の->ファクシミリー)。


≪覚えてね≫
facsimile=「fac」+「simile」->(よく似たものにせよ)->「複写の」。facsimile transmission=「ファクシミリ伝送」。similar=「simil」(類似した)+「ar」=「よく似た」。assimilate=「as」(~に)+「simil」+「ate」=「消化する」。simile=「直喩」。似たもの同士は集まるので「semble」で「集まる」の意味があります。assemble=「as」(~に)+「semble」(集合する)=「集める」。assembly=「assemble」+「y」(名詞語尾)=「集合」。assembly plant=「組み立て工場」。dissemble=「dis」+「semble」=「隠す」「~の振りをする」。resemble=「re」(再び)+「semble」=「~の点で似ている」。simulate=「simil」(似ている)+「ate」=「~の振りをする、~を装う」。simulator=「simul」+「ator」=「真似をする人」「シミュレータ」。



sociは「交わる」

 sociは「交わる」という意味です。人々が交わると社会(society)が形成されます。社会で多くの人と交わり、仲間を作ったりすることをアソシエイト(associate)といいます。仲間を集めると政治的な議論をしたり、勉強をしたりすることが多いと思いますが、もっとも人気なのはスポーツをすることではないでしょうか。仲間と一緒に楽しむにはボールスポーツがいいですね。世界的に最も盛んなボールスポーツはサッカーだと言われます。サッカーは最初はassociation footbool(er)と呼ばれたようですが、そのうちに省略されて、ssocerと呼ばれるようになりました。


≪覚えてね≫
society=「socie」(仲間)+「ty」=「社会」。social=「soci」+「al」(~の性質の)=「社会の」。sociable=「soci」+「able」=「交際好きな」。sociology=「socio」+「logy」=「社会学」。associate=「as」(ad)+「soci」+「ate」=「連想させる」「交際する」。association=「as」+「sociate」+「ion」=「連合」「協会」。dissociate=「dis」+「sociate」=「引き離す」。soccer->(association football(er)->「サッカー」。



solidは「堅い」

 solidは「堅い」という意味です。最近、大容量の記憶装置はHDDからSSDに変わりつつあります。SSDはSolid State Driveのことで、皆さんが多分よくご存じのUSBメモリと同じような仕組みのフラッシュメモリ(flash memory)です。


≪覚えてね≫
solid=「堅固な」。solidify=「solid」+「ify」=「固体化させる」。solidary=「solid」+「ary」=「連帯責任の」。solidarity=「solidar(y)」+「ity」=「団結」「連帯意識」。consolidate=「con」(一緒に)+「solidate」(堅固にする)=「合併する」「強化する」。consolidation=「consolidate」+「ion」=「強化されること」「合併」「併合」。



≪読んでね≫
 最近、お隣の国が盛んにロケットの発射実験をしていますが、その際にテレビのコメンテータは、燃料が固体か、液体か問題としています。固体燃料ロケット(solid fuel rocket)は誘導制御が難しいのですが、構造が簡単で取り扱いが容易だということです。常時、米国の偵察衛星に監視されている状態ですので、短時間で燃料の充填が終わり、場所の移動も簡単な固定燃料ロケットにはメリットがあると認識されているようですね。



solveは「解く」

 solveは「解く」とか「緩める」という意味です。語源はラテン語のsolvereです。名詞形はsolutioで英語に入るとsolutionとなります。現在分詞のsolvensが英語に入るとsolventとなります。過去分詞のsolutusは英語に入ると、soluteとなります。


≪覚えてね≫
solve=「so」(離す)+「lve」(解き放す)=「問題などを解く」。dissolve=「dis」(分離)+「solve」(解く)=「溶かす」。resolve=「re」(完全に)+「solve」=「決心する」。absolute=「ab」(~から)+「solute」(自由にされた)->(~から完全に解き放たれた)->「完全な」。



≪読んでね≫
 solute=「溶解した」。solvent=「solv」(支払う)+「ent」(性質のある)=「支払い能力のある」。soluble=「solu」(溶かす)+「ble」(できる)=「溶けやすい」。absolve=「ab」(~から)+「solve」(緩める)->(緩めて離す)->「義務などを免除する」。dissolute=「dis」+「solute」=「(振る舞いが)ふしだらな」。resolvent=「re」+「solvent」=「(化学)溶解する」。resolute=「re」+「solute」=「決心の堅い」。



sorbは「吸収する」

 sorbは「吸収する」「吸い取る」という意味です。absorbは「ab」(~から)+「sorb」で、液体などを吸い取るという意味と、比喩的に人が情報や、思想、学問などを吸収する、吸収して同化するという意味があります。また、物や器具が音、ショック、光などを吸収するなどの意味もあります。また、人の注意を奪うことから、夢中にさせる(※通常「受け身」)という意味も出てきます。


≪覚えてね≫
absorb=「ab」(~から)+「sorb」(吸い取る)=「吸収する」。absorbent=「吸収性のある」。absorbent cotton=「脱脂綿」。absorber=「吸収材」。shock absorber=「緩衝装置」。absorption=「吸収」「没頭」。adsorb=「(化学)吸着する」。chemisorb=「(化学)物質を化学吸着する」。desorb=「(吸着物質を)脱着する」。preabsorb=「前もって吸着する」。reabsorb=「再吸着する」。resorb=「再吸収する」。sorb=「吸着する」(※absorbからの逆成)。



sper(spair)は「希望」

 spairは希望を表します。これを否定すると、despair=「de」+「spair」=「絶望」となります。


≪覚えてね≫
despair=「de」+「spair」=「絶望」。desperate=「de」+「sper(<-spair)」+「ate」=「絶望的な」「見込みのない」。desperado=「de」+「sper」+「ade」=「無法者、ならず者」。prosper=「pro」(~に応じて)+「sper」->「(人・事業などで)栄える、成功する」



・desperate situation=「絶望的な状況」
・desperate shortage=「絶望的な不足」
・desperate need=「是が非でも必要な(状況)」
・desperate battle=「絶望的な戦い」
・desperate struggle=「絶望的に戦っている状況」

使い方) There is a desperate shortage of food and medicine.=「食料と薬が絶望的に不足している。」




sultは「跳ねる」

 sultは「飛び跳ねる」という意味のラテン語salireが語源です。産卵のために生まれ育った川に戻ってくるサケは、途中の小さな滝や障害物を飛び越えてきます。salmonにも飛ぶという意味の語根が使われています。


≪覚えてね≫
insult=「in」(上へ)+「sult」(跳ぶ)->(相手にとびかかる)->「(人を)侮辱する」。result=「re」(後ろに)+「sult」(跳ねる)=「結果、成り行き」。exult=「ex」(強意)+「(s)ult」(胸が高なる)=「歓喜する」。assault=「as」(~に)+「sault」(->sult)=「(人・物に対する)突然の激しい攻撃」「強襲」。somersault=「somer」(逆さに)+「sault」(跳ぶ)->「宙返り」。assail=「as」+「sail」(跳ぶ)->「とびかかる)->「人を激しく攻める」。sally->(salireから)->「突撃」「(表現・行動の)突出」。



≪読んでね≫
 salmonはラテン語のsalireに関連する「飛び跳ねる魚」という意味ラテン語salmoが古フランス語のsaumonを経て、英語に入ってきたようです。ラテン語salireの現在分詞saliensが英語に入ってきたのがsalient=「顕著な」「目立った」です。salireから派生したsalax(好色な)が英語に入ってきたのがsalacious=「わいせつな」「好色な」

※体操で有名な「月面宙返り」(ムーンサルト)は二回宙返り(double somersault)して、2回ひねり(double twist)ですから、「double somersault with double twist」ということになるようです。



sum(sumpt)は「取る」

 消費者のこと「コンシューマ」といいます。英語では、consumerです。「er」(~する人)をとると、「consume」です。「con」は強意で、「sume」は「取る」を意味します。「consume」は「全部消費つくしてしまって何も残らない」という意味になります。


≪覚えてね≫
assume=「as」(~に)+「sume」(取る)=「(明確な根拠もなしに)憶測する」「(責任などを)引き受ける」。consume=「con」(強意)+「sume」(取る、食べる、飲む)=「消費する」。consumer=「consume」+「er」=「消費者」。consumption=「consump」+「tion」=「消費」「消耗」。presume=「pre」(先に)+「sume」=「推定する」「仮定する」。resume=「re」(再び)+「sume」=「(いったん中断した仕事・話などを)再び始める、再び続ける」。sumptuous=「sumpt(u)」+「ous」->(金をとる)->「高価な」。



≪読んでね≫
 フランス語の「consummé」(コンソメ)も英語の「consume」と同じで語源で、「肉や骨を煮出して、栄養分を完全に抽出した」スープという意味になります。



sureは「確かな」

 sureは「確かな」という意味で、語源はラテン語のsecurusです。ところが、このsecurusからはsecureも派生しています。そして、secure=「se」(ない)+「cure」(心配)->(心配ない)->「安全な」となります。


≪覚えてね≫
sure=「確信する」。Are you sure? = 「ほんとに?」。surely=「確かに」。sureness=「確かさ」。surety=「保証人」。assure=「as」+「sure」=「保証する」。assurance=「保証」。reassure=「re」+「assure」=「自信を回復させる」。ensure=「en」(~にする)+「sure」=「保証する」「確実にする」。insure=「(人や財産などの死亡・損失に備えて保険を掛ける」。insurance=「保険」「保険契約」。



TUV



tact(tach)は「接触する」

 最近は多くの人がコンタクトレンズを利用しています。このコンタクトレンズ(contact lens)の「con」+「tact」は、「con」=「全くの」、「tact」=「接触」ですから、「まったく接触している」となり、「密着している」となります。つまり、「目に密着させるレンズ」ということになります。


≪覚えてね≫
tact=「機転」「手触り」「感触」。contact=「con」(全くの)+「tact」(接触)=「密着した」。attach=「at」+「tach」(くい)->(くいにしっかり結び付ける)->「貼り付ける、結びつける」。detach=「de」(分離)+「tach」=「引き離す」。contagion=「contag<-contact」+「ion」=「接触伝染」(※空気伝染はinfection)。



≪注意してね≫
 「tain」は通常は、「保つ」の意味ですが、次のように「接触する」の場合もあります。attain=「at」+「tain」(触れる)=「到着する」(※contain、maintain、obtainなどと違いますので注意してください)。tangible=「tang」(触れる)+「ible」=「触れることができる」。数学では、tangent=「接線」「接面」「正接->タンジェント」。tangential=「tangent」+「ial」=「接線の」「接する」。tangent plane=「接平面」。tangency=「接触状態」。



temperは「混合、加減」

 temperは「気質」を意味します。中世の医学(生理学)では、人体は、血液(blood)、粘液(phlegm=痰)、黄胆汁(yellow bile)、黒胆汁(black bile※想像上の物質)で出来ていると考え、この4種類の液体の混ざり具合で、人の健康や気質が決まると考えていました。そこで、ラテン語の「混合」「混ぜ合わせる」を表すtemperareから、英語のtemperが派生しました。temperは、現在は「気質」という意味で使うことが多いのですが、元々は「混ぜ合わせる」という意味ですので、「調節する」とか「絵具を油と混ぜ合わせる」という意味で使うこともあります。「ピアノを調律する」という意味もあります。卵黄と水と顔料を混ぜ合わせて絵の具として使うテンペラ画法(tempera)というのもあります。


≪覚えてね≫
temper=「気質」。temperament=「tempera」(4液体を混ぜる)+「ment」=「気質」。temperate=「temper」(節制する)+「ate」=「節度のある」。temperance=「temper」(節制する)+「ance」(~すること)=「節制」。temperature=「temperate」(温和な)+「ure」=「温度」「気温」。distemper=「dis」(逆)+「temper」(調節する)->(調節しない)->(調子が狂う)->「(獣病理)ジステンパー(子犬・ウサギ・狐・アナグマに多いウィルス性の伝染病)」。imtemperate=「im」+「temperate」=「節度のない」。



termは「限界」

 termは「限界」を表します。言葉の意味を狭い範囲に限定すると専門用語となります。汽車や、電車、バスなどの路線を限定するのがターミナル(terminal)駅です。ターミナル駅は、路線の始発駅や終着駅となります。大学の学期なども前期、後期に分かれますので、terminalです。心を一つの方向に決めると「決心する」(determin)という意味になります。


≪覚えてね≫
term=「期間、学期」「(契約)条件)」「専門用語」。termless=「無期限の」。terminal=「(鉄道などが)終点の」「(医学)末期の」。determine=「de」(強意)+「termine」(限界を定める)=「決心する」。exterminate=「ex」(外へ)+「termin」(限界)+「ate」->(境界の外へ追い出す)->「絶滅させる」。predetermine=「pre」(前もって)+「determine」=「前もって方向づけられる」「運命づける」。



terrは「ぎょっとさせる」

 terrは「ぎょっとさせる」という意味です。テロリストとか、テロリズムなどは、みんな人々を「ぎょっとさせたり」「恐怖に陥れたりします」


≪覚えてね≫
terrible=「terr」(ぎょっとさせる)+「ible」=「恐ろしい」。terrific=「terr」(恐ろしい)+「ific」=「(程度が)ものすごい」。terrify=「terrific」+「ify」=「ひどく怖がらせる」。terror=「terr」(ぎょっとさせる)+「or」=「恐怖」。terrorism=「terr」+「ism」=「暴力主義」。terroist=「暴力主義者」。



textは「織る」

 textは「織る」という意味です。textileは織られたものという意味です。教科書や教材という意味のtextもラテン語のtextus(織られたもの)が原義です。いろいろの知識が織り込まれているという意味でしょう。context=「con」(一緒に)+「text」(織った)->(編み合わせたもの)->(文の前後関係)->「文脈」。pretext=「pre」(前に)+「text」(織る)->(織ったものを前に下げて中を隠す)->(口実を並べて中を隠す)->「言い訳」



tomは「分割する、切る」

 原子を意味する「atom」は「a」(否定)+「tom」(分割する)で、つまり「これ以上分割できない」という意味になります。現在の科学では、更に分化することができすが、この言葉ができた当時は、これ以上分割でないと考えられていました。


≪覚えてね≫
atom=「a」(否定する)+「tom」(分割する)=「原子」。atomic=「atom」+「ic」=「原子の」。atomic bomb=「原子爆弾」。anatomy=「ana」(完全に)+「tomy」(切ること)=「解剖学」。



≪読んでね≫
 epitome=「epi」(外に)+「tome」->(要点を切り抜いたもの)->「摘要」。そういえば、杉田玄白の解体新書の元の本の名前は「ターヘル・アナトミア」と言われていますね。原本はドイツ人医師が書いた一般向けの解説書だったようですが、ドイツ語名は「Anatomische Tabellen」です。anatomischeは英語のanatomyの形容詞形で「解剖の」という意味です。それから、tabellenは英語のtableに該当しますので、「図表」というような意味になります。このドイツ語の本をオランダ人医師がオランダ語に翻訳し、それを杉田玄白が手に入れて、日本語に翻訳したということです。ところが、ドイツ語の名前も、オランダ語の名前も、いずれも「ターヘルアナトミア」とは読めません。ただ、表紙にラテン語の名前が書かれていて、これが、「ターヘルアナトミ」に割合近いということです。



tortは「ねじる」

 tortは「ねじる」という意味があります。昔は、犯罪現場に残る指紋を証拠とするとか、血液型やDNAの知識などがありませんので、科学的な犯罪捜査などはできません。そこで、もっぱら重視されたのが自白です。しかし、ただ黙っていたのでは、容疑者は自白してくれませんので、いろいろ拷問で責めたてたようです。この拷問をtortureとかtormentなどと言います。この2つの言葉の語根として「tor(t)」が入っていますので、昔の拷問は、「体をねじって苦痛を与える」ことが中心だったのでしょうか?興味のある人は調べてみてください。


≪覚えてね≫
torture=「tort」(ねじる)+「ure」(動作、結果)=「苦痛を与えること」。torment=「tor」(ねじる)+「ment」(~こと)=「(肉体的・精神的な)苦痛」。tortuous=「tort」+「ous」=「ねじれた」「遠回しの、回りくどい」。



≪読んでね≫
 distort=「dis」(強意)+「tort」->(更にねじる)->「(顔・物などを)ゆがめる」「(事実・真理・動機などを)ねじまげる」。extort=「ex」+「tort」=「金などを~からねじり取る」。extortion=「ゆすり」「恐喝」。extortionist=「恐喝者」。corporate extortionist=「企業恐喝者」「総会屋」。retort=「re」(後ろへ)+「tort」巻きつける)=「言い返す、逆襲する」「しっぺ返しをする」。tortois=「カメ」(※足がねじれている?」。



trud(trus)は「突く、押す」

 trudは「無理やり押し込んでくる」イメージの語根です。他人に何かを押し付けたり、出っ張っていたり、侵入したりという単語を作っています。


≪覚えてね≫
intrude=「in」(中に)+「trude」=「(意見などを無理やり)押し付ける」「侵入する」。intrusion=「侵入」。intruder=「intrude」+「er」=「侵入者」。



≪読んでね≫
abstruse=「abs」+「truse」->(普通の判断から押し出されている)->「深遠な、難しい」。extrude=「ex」+「trude」=「追い出す」「(プラスチックなどを)成形する」。obtrude=「ob」+「trude」=「押し付ける」。obtrusion=「意見などを押し付ける」。protrude=「pro」+[trude」=「前へ突き出す」。



turbは「渦巻く」

 インド人やイスラム教徒が頭に巻いているターバンは「turban」と書きます。それから、羽根(blade)の付いた軸を水力や蒸気で回転させて動力を得たり、発電したりするのが「タービン」です。水力タービンは「water turbine」、蒸気タービンは「steam turbine」です。これらの語には語根として「turb」が使われています。この「turb」という語根は、「渦巻く」という意味を持っています。


≪覚えてね≫
turbine=「turb」+「ine」=「タービン」。disturb=「dis」(強意)+「turb」(渦巻く、かき乱す)->(完全に混乱させる)->「(治安・平安・平静などを)かき乱す、混乱させる」。disturbance=「混乱」。perturb=「per」(すっかり)+「turb」(混乱させる)=「(人の心をひどく)かき乱す」。trouble->「turb」+「le」=「心配」。



≪読んでね≫
 turbulent=「turb」(混乱)+「ulent」(~に富む)=「(天候・風波などが)荒れ狂う」「暴風の」。turbulent flow=「乱気流」。turbocharger=「ターボチャージャ」。turbid=「turb」+「id」(~の)->(池の水などをかき乱す)->「(液体・色などが)濁った」。turbinate=「turb」+「inate」=「コマの形をした」「コマのように回る」。


≪野茂英雄のトルネード投法≫
 野茂英雄投手のあの体をひねって投げるトルネード投法は、この「turb」と関係しているはずだと思って、いろいろ調べたのですが、関係なさそうです。tornadeはスペイン語の「tornada」(雷雨)から来ています。雷雨を伴う「竜巻」ってことです。



unda(ound)は「波」

 unda、oundは「波」という意味で、「波立っている」ことから、「豊富な」という意味が派生します。


≪覚えてね≫
abound=「ab」(~から)+「ound」(波)->(~から波が流出する)->「~で満ちている」。abundant=「ab」+「unda」(波)+「ant」->(波があふれ出るほどの)->「豊富な」。abundance=「ab」+「unda」+「ance」=豊富」。redundant=「red」(強意)+「unda」(波)+「ant」(~を起こす)=「余分な」「冗長な」。redundance=redundancy=「redandant」+「ancy」=「余分」「過剰」「冗長性」。



≪読んでね≫
 undulant=「undu」+「lant」=「波状の」。undulate=「undula」(小波)+「ate」=「(草・蛇などが)波のように動く」「波立つ」。inundate=「in」+「unda」(波)+「ate」=「水浸しにする」。superabundant=「super」+「ab」+「undant」=「あり余るほどの」。superabundance=「過多」。



usは「使用」「利用」

 usは「使用」という意味で、ラテン語のutiから来ています。userとなれば、使う人です。乗用車のユーザとか、インターネットのユーザなんて言いますね。便利なものはよく使いますので、usefulは「便利な」、「有用な」となります。便利なものにするは「utilize」で、utilizeすると、utensil(役に立つもの)になります。


≪覚えてね≫
use=「使う」。useful=「use」+「ful」=「有用な」。useless=「use」+「less」=「役に立たない」。usable=「use」+「able」=「使用できる」。usage=「use」+「age」(過程・結果)=「使い方」。usual=「use」+「al」->(頻繁に使われる)->「普通の」。abuse=「ab」(から離れて)+「use」->(本道から離れて使用する)->「(権利・権力・薬などを)乱用する」「悪用する」。disuse=「dis」+「use」=「使用をやめる」「習慣を廃止する」。misuse=「mis」+「use」=「誤用」。peruse=「per」(完全に)+「use」->「丹念に読み通す」。utensil=「役に立つもの」。utilize=「util」(有用な)+「ize」=「役に立たせる」。



≪読んでね≫
 usはラテン語のutiを語源としていますが、そのまま英語に入って来た場合と、フランス語を経由し、その際に名詞形に変形したり、形容詞形に変形したりしている場合がありますので、usという形と、utiという場合があります。



vac(van、void)は「空白の」

 vacは「空白の」という意味です。中身が空っぽということですね。バケーション(vacation)は「仕事が入っていない」日々ということです。これがフランス語経由で入ってきたのがバカンス(vacance)です。真空はvacuumです。トランジスタが発明されるまで、増幅器として大活躍していた真空管は「vacuum tube」です。動詞として使うと「電気掃除機で掃除する」という意味になります(vacuum off)。


≪覚えてね≫
vacant=「vac」+「ant」=「(家・部屋・座席などが見たところ)空いている」。vacate=「vac」+「ate」=「(家・部屋・座席などを)空ける」。vacation=「vac」+「ation」=「休暇」。vacuum=「vac」+「uum」=「真空」。vacuous=「真空の」。evacuate=「e」+「vacu」+「ate」->(外へ取り出して空にする)->「(安全な場所へ)非難させる」。vain=「無駄な」。vanity=「van(vain)」+「ity」=「うぬぼれ」「慢心」。vanish=「消える」。void=「空の」。avoid=「a」(~を離れて)+「void」(空虚にする)=「避ける」。



≪読んでね≫
 「空っぽである」の意味のラテン語のvacareの現在分詞、過去分詞、名詞形などから派生しているのがvacant、vacate、vacation、vacuum、vacuous、evacuateなどです。vacareがvocivusに変形し、さらにフランス語経由で英語に入ってきたのがvoid、avoidで、「空」の意味のラテン語vanusがフランス語経由で英語に入ってきているのが、vain、vanish、vanityです。



vadeは「行く」

 vadeは「行く」という意味です。コンピュータゲームにはインベーダーゲーム(Space Invaders※株式会社タイトー)なんていうのもあります。インベード(invade)は中に(in)行く(vade)で、侵略するという意味になります。invaderは侵略者となります。


≪覚えてね≫
evade=「e」(外へ)+「vade」=「(攻撃・敵などを)巧みに避ける」。invade=「in」(中に)+「vade」=「侵入する」。pervade=「~を通って」+「vade」=「(匂い・香りなどが)一面にじわっと広がる」。wade(->vade)=「(水の中を)歩く」「苦労して歩く」。



≪読んでね≫
 ラテン語は「v」を英語の「w」のように発音します。それから、英語と深い関係のあるドイツ語では、「w」を「v」のように発音します。スラブ語でも同じようなことになるようです。それから、イタリア語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語などは「w」は外来語にのみ使用し、発音は起源によって「v」または「w」で発音します。その結果、いろいろの言語を経過するうちに、「v」と「w」が入れ替わることがあります。



vagaは「さまよう」

 vagaは「さまよう」という意味です。バガボンド(vagabond)はvaga(さまよう)+bond(bonding)->(あたりをさまよう)->「放浪者」となります。井上雄彦の有名な漫画の題名でもありますが、原作は吉川英治の小説「宮本武蔵」だそうです。


≪覚えてね≫
vagary=「vaga」+「ry」=「気まぐれ」。vagabond=「vaga」+「bond」=「放浪者」。extravagant=「extra」+「vaga」+「ant」->(範囲を超えてふらふら放浪する)->(収入の限度を超えて使用する)->「度を超えた」「浪費性の」。vagrant=「浮浪者」。vagrancy=「浮浪状態」。



via(voy)は「道」

 viaは「道」という意味です。経由という意味でよく使います。例えば、「We flew to Athens via Paris.」(我々はパリ経由でアテネに飛びました)というように使います。


≪覚えてね≫
via=「~経由で」。deviate=「de」+「viate」=「本道からそれる」。obviate=「ob」(~に反して)+「viate」->(通行に反して横たわっているものを取り除く)->「(危険困難などを)取り除く」。obvious=「ob」+「vious」->(通行の邪魔をして横たわっているもの)->(目立つ)->「明白な」。pervious=「per」(通って)+「vious」->(通り抜ける)->「浸透する」「道理がよく通じる」。previous=「pre」(前の)+「vious」=「(時間・順序が)前の」。trivial=「tri」+「vial」->(三叉路で話すような)->(どうでもいいような話)->「些細な」「取るに足らない」。voyage=「voy」+「age」=「長い船旅」。convoy=「con」(ともに)+「voy」=「護送する」。envoy=「en」(on)+「voy」->(道に送り出す)->「使者」「外交使節」。invoice=「in」(on)+「voi」(->voy)+「ce」->(輸送する路上に置く)->「送り状」。convey=「con」+「vey」(->voy)=「輸送する」。



≪読んでね≫
 ラテン語のviaがフランス語を経由するとveiやvoi、voyなどに変化し、英語に入るとvoiやvoyとなります。また、読み方の関係でveyと変化することもあります。



val(vail)は「価値がある、力強い」

 valueは「男の価値」と関係しています。当初は身分階級に基づく価値を意味していましたたが、やがて男の価値は、生まれた家柄ではなく、その人が持っている「力強さ」に基づくものであると認識されるようになり、「val」は「力強さ」を意味するようになりました。


≪覚えてね≫
value=「価値」。valuable=「value」+「able」=「価値の高い」。valueless=「value」+「less」=「価値のない」。evaluate=「e」+「valu」+「ate」=「価値を見極める、評価する」。evaluation=「評価」。equivalent=「equi」(等しい)+「valent」(価値がある)=「同等の」。

 avail=「a」(~に)+「vail」(価値がある)=「用が足りる」。available=「avail」+「able」=「利用できる」。prevail=「pre」+「vail」=「~に打ち勝つ」。prevailing=「prevail」+「ing」=「広く行き渡っている」「一般的な」「流行の」。prevalent=「prevale」(->prevail)+「ent」(状態を表す形容詞語尾)=「普及している」。

 valid=「体が強靭な」。validity=「valid」+「ity」=「強靭さ」「妥当性」「法的な有効性」。invalid=「in」+「valid」=「病弱者」「ぽんこつの」。validate=「valid」+[ate」=「法的に有効にする」。



≪読んでね≫
 valor=「val」(力がある)+「or」=「(特に戦闘での)勇気」。valour=「valor」。valiant=「vali」(力)+「ant」(~の性質を持つ)。countervail=「counter」+「vail」=「同等の力で対抗する」



vect(veh)は「運ぶ」

 vehはラテン語のvehereが語源で「運ぶ」という意味です。メンタル(mental=感情)を運ぶとvehementとなり、「熱烈な」という意味になります。名詞になるとvehemency=「激情」。人や物を運ぶ機械は、vehicle=「vehi」(vehe)+「cle」(指小辞)=「乗り物」、vehicular=「乗り物の」です。ラテン語vehereの過去分詞「vectus」が英語に入って、「vect」になりました。vectを語根として使っている語としては、convect=「con」(一緒に)+「vect」(運ぶ)=「対流する」があります。流体は流れることによって熱を伝えることができます。この現象を対流(convection)と言います。気象用語としてはadvection=「ad」(方向)+「vect」+「ion」=「移流」(※空気が流れることで熱エネルギーなどが運ばれる現象)が使われます。何かを運ぶものを数学的に表現するときに使うのがベクトル(vector)です。vehementは「感情を運ぶ」でしたが、「ment」がついていなくても、「激情を表現する」場合があります。invective=「猛烈な避難(の)」「非難の矛先を向けた」、inveigh=「猛烈に非難する」などの激しい言葉となります。



vengは「罰を与える」

 vengは「罰を与える」という意味です。復讐するという意味のリベンジ(revenge=re+venge)は殆ど日本語となっています。


≪覚えてね≫
vengeance=「venge」(復讐する)+「ance」=「復讐」。vengeful=「venge」+「ful」=「復讐心に燃えた」。avenge=「a」(~に)+「venge」=「復讐する」。revenge=「re」(back)+「venge」=「復讐する」。



≪読んでね≫
 avengeは私憤のためではなく、正義、公憤にもとづいて仇を討つことです。これに対して、revengeは私憤に基づいて復讐するという意味です。



verは「真実の」

 verは「真実の」という意味です。veryは今日では副詞として使われることが多いので、「とっても」というように形容詞を修飾する使い方が多いのですが、形容詞として使う場合は、「at the very top of the tower」のように「本当の」の意味で使うことができます。


≪覚えてね≫
very=「非常に」「本当の」。verify=「ver(i)」+「fy」=「~が真実であることを証明する」。verity=「very」+「ity」=「真理」。veritable=「verit」(真実の)+「able」=「(まれ)真の」「とんでもない、まるっきりの」。veracity=「正直であること」。verdict=「ver」(真実)+「dict」(言う)=「陪審員の評決」。aver=「a」(~に)+「ver」(真実である)=「断言する」。



verbは「言葉、語」

 verbは「言葉」「単語」という意味ですが、言葉の大部分が動詞ですので、「動詞」という意味で使われるようになったようです。verbalは「言葉の」という形容詞ですが、準動詞(不定詞、分詞、動名詞※品詞としては動詞ではないが、意味的には動詞)という意味もあります。adverbは動詞を助ける言葉という意味で、「副詞」となります。proverbはpro(代わりの)+「verb」->(言葉の代わり)という意味で、言葉の代わりの象徴という意味で使われていましたが、聖書の中の「箴言(しんげん)」が多くの人に唱えられるようになり、格言などの意味に使われるようになったようです。



vig(veg)は「生気のある」

 vigは「生気のある」という意味の語根です。活力などの言葉が派生していますが、野菜などの言葉も派生しています。畑から収穫した後でも生き続けている根菜などの生命力にはびっくりさせられます。


≪覚えてね≫
vigour=「vig」+「our」=「活力」。vigorous=「vigor」+「ous」=「精力旺盛な」「元気はつらつとした」。invigorate=「in」+「vigor」+「ate」=「元気づける」。vegetable=「veget」+「able」=「野菜」。vegetate=「veget」+「ate」=「植物のように成長する」。vegetation=「植物」「無気力な生活」。



≪読んでね≫
 「生き生きしている」という意味のラテン語の動詞vigereが名詞のvigorに変化し、フランス語経由で、英語に入ってきたのがvigour(vigor)、vigorousで、「強くする」という意味のラテン語vigorareから派生したのが、invigorateです。また、「活動的である」という意味のラテン語vegereから「成長する」という意味のvegetareに変化して、英語に入ってきたのがvegetate、vegetable、vegetationです。

 「生き生きとした」という意味の語源から派生したvegetationが「無為の生活」という意味に発展してしまうのは、ちょっとびっくりですね。まるで「伝言ゲーム」のような意外さがあります。でも皆さん、びっくりしないで、よく覚えてくださいね。



voc(vok)は「声」「呼ぶ」

 voc(vok)は「声」を表します。音楽家のうち声で勝負するのは声楽家(vocalist)です。神様が呼び出して職業を与えたとしたらそれは天職(vocation)です。声に出して叫ぶと、それは言葉(vocable)となります。また、語彙(単語の集まり)はボキャブラリー(vocabulary)と言います。


≪覚えてね≫
voice=「声」。vocal=「voc」(声)+「al」=「声の」。vocable=「発音可能な」「語」。vocabulary=「vocable」+「ary」=「語彙」。vocalist=「vocal」+「ist」=「声楽家」「歌手」。vocation=「voc」(声)+「ate」+「ion」->(神からの~しなさいと言うお告げ)->(使命、天職、)->「職業」。advocate=「ad」(~に)+「voc」(声)+「ate」->(呼びかける)->「主張、弁護する」。convoke=「con」(一緒に)+「voke」(呼ぶ)=「会議などを招集する」。evoke=「e」+「voke」(呼ぶ)->(呼んで引き出す)->「笑いなどを引き出す」。invoke=「in」(~に)+「voke」(呼ぶ)=「(神などの加護・助けを)祈願する」。provoke=「pro」(前に)+「voke」(呼ぶ)=「(人などを)怒らせる」。revoke=「re」(否定)+「voke」(呼ぶ)->「呼ばない)->「(許可・命令などを)無効にする」。



≪読んでね≫
 「声」の意味「voc」は、ラテン語のvoxが語源となっています。また、「呼ぶ」の意味の「vok」はラテン語vocareを語源としています。



volは「意志」

 「ボランティア」は元々は「自分の意志で戦争に参加した志願兵」のことです。ここから、「人の嫌がることに)進んで志願する人」などを指すようになりました。英語では、「volunteer」と書きます。この語の語根として使われている「vol(unt)」は「意志」を意味します。


≪覚えてね≫
voluntary=「volunt」(自由意志の)+「ary」(~に関する)=「自由意志の」。volunteer=「volunt」+「eer」=「(人の嫌がる仕事などを)進んでする志願者」「志願兵」。involuntary=「in」(否定)+「voluntary」=「無意志の」「自由意志によらない」。benevolent=「bene」(良い)+「volent」=「慈悲深い」。benevolence=「bene」(良い)+「volen(t)」+「ce」=「無慈悲」。malevolent=「male」(悪い)+「volent」=「悪意のある」。malevolence=「male」+「volen(t)」+「ce」=「悪意」。volition=「voli」+「tion」=「意思決定」。volitional=「volition」+「al」=「意志的な」。



vorは「モリモリ食べる」

 vorは「モリモリ食べる」という意味です。肉食はcarnivorous、草食はherbivorous、雑食はomnivorousとなります。


≪覚えてね≫
carnivore=「carni」(肉)+「vore」=「肉食の哺乳類」。carnivorous=「carni」(肉)+「vorous」(貪り食う)=「肉食の」。herbivore=「herbi」(草)+「vore」=「草食動物」。herbivorous=「herbi」+「vorous」=「草食動物の」。omnivorous=「omni」(全)+「vorous」=「雑食性の」。voracity=「大食」。devour=「de」(強意)+「vour」(->vor)=「貪り食う」。



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参考資料

ジーニアス英和大辞典 小西 友七、南出 康世 大修館書店
英単語記憶術  岩田 一男 光文社
英単語の力のつけ方 小川芳男 前田健三 有精堂
語源とイラストで一気に覚える英単語 清水健三 アスカ
語源耳 ホリム・ハン&松澤喜好 アスキー
連鎖式英単語事典 ホリム・ハン 三修社
英語語義語源辞典 小島義郎他 三省堂
ハンディ語源英和辞典 小川芳男編 有精堂
英語語義イメージ辞典 政村秀實 大修館書店
新ボキャビル特訓本(The English Journal 別冊) アルク

OXFORD Collocations Dictionary
LONGMAN Collocations Dictionary and Thesaurus
LONGMAN Essential Activator
英語コロケーション辞典 塚本倫久 小学館
Cassell's Latin Dictionary MACMILLAN

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2017/5/18              作成








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